聖なる夜の物語
渚君の場合PART1
Made by FUCK"n太郎
「あと二週間でクリスマスイヴ、ああ、神も僕とシンジ君の愛を祝福してくれるんだね」
クリスマスを二週間後に控えたある冬の日、いつものように人類をなめた妄想にカヲルはふけっていた、
「僕とシンジ君が出会ってから初めてのクリスマスイヴ、その日こそシンジ君の愛は僕がいただくのさ」
カヲルが自室でぶつぶつと危ないセリフをほざいている、
「プレゼントは何が良いかな、やっぱり・・・・・・・・僕!」
顔を赤らめたカヲルが自分の精神世界へとダイヴする、
カヲルの妄想の中で、シンジはタキシードを着ており、
カヲルはなぜかウェディングドレスに身を包んでいる、
・・・・・「シンジ君・・・・・・クリスマスプレゼントは僕さ!」・・・・・・・
・・・・・「ありがとうカヲル君、今夜こそ僕たちは結ばれるんだね」・・・・・・
・・・・・「そうさ、神が見つめる中で僕達は一つになるのさ」・・・・・・・
・・・・・「カヲル君」・・・・・・
・・・・・「シンジ君」・・・・・・
ひしっと抱き合う二人、
・・・・・「結婚しよう、カヲル君!」・・・・・・
・・・・・「僕は君の妻になるんだね、シンジ君」・・・・・
・・・・・「そうだよ、碇カヲルになるんだよ」・・・・・・
カヲルがよだれを垂らしながら斜め45°上を見上げてにたにたしている、端から見るとどう見てもトリップしているアル中かヤク中にしか見えない、
「ああ、シンジ君のことを考えていたら無性にシンジ君に会いたくなったよ、待ってておくれ、シンジくぅ〜〜〜〜ん!」
カヲルはあわててよだれをふくと物凄いスピードで玄関から飛び出して行った、
一方、カヲルが妄想にふけってよだれを垂れ流していた頃、シンジの家ではアスカとレイがシンジに来たるクリスマスのプレゼントをねだっていた・・・・・というより脅迫していたのだった、
「シンジ、今年のクリスマスプレゼントは良い物くれるんでしょうね?」
「碇君、私、新しいコートが欲しいな〜〜〜、ねぇ、買って」
「そ・・・・そんな・・・・あんまり高い物は無理だよ・・・・」
執拗にプレゼントをねだるアスカとレイにシンジが舌を巻く、すると、いきなりアスカがシンジの胸倉を掴んで怒鳴り散らした、
「このアタシがプレゼントが欲しいって言ってんのよ、アンタは喜んで差し出せば良いのよ!」
ここまで来るともう山賊か強盗に近いものがある、しかし更に性質が悪いのはレイの方だ、
「ねぇ〜、碇くぅん、買ってぇ〜」
アスカに脅されているシンジのそばに擦り寄って猫なで声でシンジにおねだりするのだ、
「そう言われても・・・・・・・・・」
「ねぇ、碇くん、いいでしょ?」
もうこうなってはシンジが折れるしか解決の手段は残されていない、
「わ、わかったよ、でも・・・・あんまり高い物は買えないから期待しないでよ・・・・・」
「しかたないわね〜、それで手を打ってあげるわ、」
「やった〜、だから碇くんってダ〜イスキ!」
シンジのセリフにレイが喜び勇んでシンジの胸に飛びつく、
「うわっ、やめてよ、綾波」
シンジがレイに抱きつかれて顔を真っ赤にする、しかし、そこで黙っているアスカでもない、
「レイ、アンタ離れなさいよ、シンジだっていやがってるじゃない、」
「え〜、碇くん、いやなの〜?」
「え・・・・・・その・・・・・・・・あの・・・・・・・・・嫌じゃないよ、」
「ほ〜ら、碇くん、嫌じゃないって言ってるよ、」
「良いから離れなさいよ!」
アスカが怒鳴れば怒鳴るほどレイはシンジに抱き付いている手に力をこめて強く抱き付こうとする、そうすれば今度はまたもアスカが怒鳴ってシンジの頬をひっぱたく、三者三様の醜態をさらすばかりだった、
しかし、こんなことはいつもの事である、それでもこの時ばかりは更に物凄い衝撃が三人を襲った、
「碇くぅ〜ん、さあ、僕と愛を語ろう、そして、一つに・・・・・」
なんと、三人がもつれ合っているところにカヲルが現れたのだ、
「そ、そんな・・・・・・・シンジ君は僕の愛を裏切ったんだね、三人でそんなことしてるなんて・・・・・・・・・不潔だ〜〜〜〜」
三人の姿を(と言ってもただ絡み合って倒れていただけなのだが)見て、ナニを勘違いしたのか、カヲルは常人の三倍のスピードでシンジの部屋から出ていった、
「どうしたんだろうね、カヲル君、」
「さ〜、変態のする事ってわかんないよね、碇くん」
「ホント、変態ナルシスホモは理解不能よ!ってレイ、早くシンジから離れなさいよ〜」
三人の脳裏からカヲルの存在はものの二秒で忘れ去られた、そして、またも不毛な醜態をさらすのだった、
さて、そんな時シンジの部屋から走り去ったカヲルはというと、
「僕が何をしたって言うの、ママ、世間の風は僕にだけ厳しいよ」
などと、ふざけた事をぼやきながら、涙を流してとぼとぼと歩いていた、
「なんでなんだい、シンジ君、あんな二人より僕の方が良いに決まってるのに」
カヲルが国道沿いを歩きながら号泣しかかっていた、ただ、彼の瞳からはとめどなく涙が溢れていたのだった、
すると、そんな時、カヲルを後ろから呼び止める者の姿があった、
「渚君、こんな所で泣いて、どうしたのかね?」
その声にカヲルが振り向くとそこには背の高い初老の男性が立っていた、
「冬月じ〜ちゃん、」
この冬月という初老の男性はカヲルの住むマンションの後ろにある古い一軒家に住む、年金暮らしの男だった、彼とカヲルはカヲルがこの町に引っ越してきた時からの付き合いだった、
「いい若いもんが人前で涙を見せちゃあいかんよ、」
「冬月じ〜ちゃ〜ん!」
「おお、よしよし、泣かんでいいよ、私の家に来て落ち着くまで茶でも飲んで行かんかね、」
「はい・・・・・・冬月じ〜ちゃん・・・・・・・・」
冬月に連れられてカヲルが冬月の家に向かって歩いていく、
さて、冬月はカヲルの力になってやる事はできるのか?今回こそはカヲルはシンジと一つになる事ができるのか?そして、赤鬼と青鬼の行動は?
次回 「聖なる夜の物語 渚君の場合PART2」に続く、
君は生き延びる事ができるか?
FUCK"n太郎さんから370,000HIT記念SSを頂きました(^▽^)ありがとうございます。
クリスマスイヴまであとわずか、特別な日は愛する人と過ごしたいものですね。
そうカヲル君も愛する人シンジ君と過ごしたい、そしてできれば妄想が現実になれば良い(爆)でも現実は甘くありませんね(^^;)
シンジ君はアスカちゃんとレイちゃんにおねだりされ仕方なく?プレゼントをあげる事になってしまいましたね(シンジ君ちょっと可哀想)
三人がもつれ合っているところを目撃してショックを受けたカヲル君、どうなるのでしょうか?
気になりますね、PART2を読みたいあなた!FUCK"n太郎さんに『急いで速く読みたいの!』感想を贈りましょうね。
とっても素敵なSSをくださったFUCK"n太郎さんに皆さん感想を送りましょう。
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