新MS外伝スターダスト・メモリー

第1話

ガンダム強奪 ケンスケ トリントン基地に散る?

Made by 暗黒騎士ソード

おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ、また新たなるGを開発してしまったわ」
と、ネルフの地下数百メートルにある通称『リツコのマッド研究室』で奇声をあげているのは人類が生み出しちゃった今世紀最悪のマッドことリツコである。
「博士、また妙なものをつくりましたね」
他にリアクションができないレイ。
「あらレイ、来ていたの」
「はい、碇司令に言われて。博士、新型MSが完成したらトリントン基地への移送を許可するとのことです。例の新型戦艦も完成してます」
「そう。ついに、あれも完成したのね。それじゃあ、早速だけどこの2機のMSを運んでもらうわ」
「わかりました。ところで、あそこに放置されている機体は?」
と、研究室の片隅に放置されているMSを指差すレイ。
「ああ、あれね。あれは、余剰パーツで作ったのよ。でも、パーツが足りなくてあのままにしてあるわ。いずれ、パーツが届いたら完成させるけど」
「じゃあ、あれの移送はしなくてよろしいのですね」
「そうね。艦に余剰スペースがあったら積み込んでちょうだい」
「わかりました。では、準備にかかります」
こうして、リツコの作った2機のMSが旧オーストラリア大陸トリントン基地に運ばれる事になった。


ところかわってこちらは第3東京市にあるケンスケ邸。
「この通信を聞いている地球連邦軍に告げる。我々は、デラーズ・フリート!」
と、ジオン公国の軍服を装備し壁に向かって呟いているケンスケ。
「いわゆる一年戦争ののちにかわされた地球連邦とジオン共和国の和平調停が欺瞞溢れるものであることは誰の目にも明らかである。我々はいささかも間違ってはいない!」
どうやら、本日も元気に妄想世界を旅しているようである。しかし、恒例になっているが本日もまたケンスケの楽しい妄想タイムは終わりを迎えようとしていた。
『ドカドカドカドカ』
いきなり、数名の黒服がケンスケの部屋になだれ込んできた。
「むっ、何者だ」
「相田ケンスケだな。我々と共に来てもらうぞ」
「断る!欺瞞溢れる地球連邦軍に屈する私ではない。ガトーはどこにおる。おろかな地球連邦軍が攻めてきたぞ」
「な、なんですかこいつ……。もしかして、ヤク中ですか?」
と、黒服のひとり。
「いや、ちょっと違うが。とにかく、我々と共に来てもらうぞ」
「ふっ、断る。無知蒙昧な地球連邦軍に屈する私ではない。ジーク・ジオン!」
「むっ、目標が暴れだした。プランをBに移行。それかかれ〜!」
こうして、今回もまた黒服さんによってぼこぼこにされるケンスケであった。


うわあああああああああああああ、もう俺を巻き込まないでくれエエエエエエエエエ!」
悲鳴をあげながら目をさますケンスケ。
「うん、ここはどこだ。妙に爆音が聞こえるが」
「おほほほほほほほほほ、お目覚めのようね相田ケンスケ君」
「で、でやがったな金髪マッド。また、俺を巻き込むきか?」
「あら、せっかく今回はガンダムのパイロットになれるのに」
「な、なにっ、ガンダムのパイロットだと」
「そうよ。あなたは、新型ガンダムのパイロットに選ばれたのよ。GP02のパイロットにね」
「そ、そうなのか」
とたんに目が輝くミリオタケンスケ。
「そうよ。光栄に思いなさい」
「ところで、GP02ってことは01もあるんだよな。パイロットは?」
「レイよ。本当は、01にはシンジ君が02にはアスカが搭乗する予定だったのだけど行方不明なのよねあの子たち」
「行方不明?」
「そう。数日前から行方不明なのよね。けど、そんな事ぐらいではGへ情熱はなくならないわよ」
(十分に大事じゃないのか?)
心の中でそう突っ込むケンスケ。
「最後に聞くけど、GP02のパイロットになるわね」
「ははっ、よろこんでならせていただきます」
敬礼をするケンスケ。
「それじゃあ、これから本艦はオーストラリア大陸にあるネルフ所属トリントン基地に向かうわ」
「へっ?本艦?こ、ここはいったいどこなのでありますか」
「ここ?ここは、ペガサス級強襲揚陸艦『アルビオン』よ」
「ええっ!ま、まさか俺はもう移動中なのか」
「そうよ。まあ、あなたの同意がなくてもつれていく予定だったけど今回は同意がえられてよかったわ」
「こ、この金髪マ……ぶべら!?」
最後まで言わない内に、1000tハンマーで殴られるケンスケ。
「さあ、トリントン基地に直行よ。ほーっほっほっほ」
奇声をあげるリツコであった。


それから数日後。
「あの金髪ババァ、俺をだましやがったな!」
と、お冠のケンスケ。トリントン基地近くの砂漠で叫んでいるケンスケ。それもそのはず、今の彼はザク2に乗っているのである。さて、こうなった経緯は次のようである。
「ああ、ケンスケ君。悪いけど、最初はこの機体に乗ってもらうわ」
と、ザク2を指差すリツコ。
「こ、これってザク2ですよね」
「そうよ。まずは、この機体にのってMSの操縦テクニックを覚えてもらうわ」
「な、なんですと〜〜〜〜〜!じ、自分はガンダムのパイロットとして来たのでありますよ。ザクのパイロットではないのですよ」
「うるさいわね。逆らうと、改造するわよ」
「ひ、ひええええええ……。りょ、了解いたしました〜〜〜〜!」
あわてて逃げ出すケンスケ。とまあ、こういったわけでここ数日ケンスケの御機嫌は斜であった。
「ちくしょう〜〜〜〜〜〜〜〜〜、俺はガンダムのパイロットなんだぞおおおおおおおおおお!
ザクで砂漠を駆け巡りながら、そう叫び続けるケンスケ。
「おや、ずいぶんと機嫌が悪いなケンスケ君」
そこに、上官でもあり同じ部隊に所属する日向マコトが同じザク2でやってきた。
「はっ、これは日向二尉殿」
敬礼をするケンスケ。同じくザクも敬礼をするかたちになった。
「はははは、ザクまで敬礼をしなくてもいいよ。それより、ネルフは君に期待を寄せているよ」
「本当でありますか?」
「ああ、ガンダムのパイロットだけにね。しかし、どうして我々までMSの操縦技術を学ばないといけないのかねえ」
「さあ」
「ま、とにかくがんばってくれ。それと、本日はミーティングがあるから」
「了解しました。相田ケンスケ、血反吐を吐くまでがんばります」
こうして、その日は本当に血反吐を吐くまで訓練に明け暮れたケンスケであった。
それから数日後。


ケンスケはリツコによばれて格納庫に来ていた。
「お呼びでありますか、赤木技術部長殿」
「あら、ケンスケ君。来てくれたのね。いよいよ、GP01およびGP02が完成したわ」
そこには、白を基調とした2機のMSが配置されていた。
「おおっ、これが自分の機体なのでありますか」
「そうよ。もっとも、起動テストは明日だけどね。それと、あなたを正式にネルフ専属のパイロットに任命するわ。階級は二等兵だけど」
「はっ、光栄であります。では、自分は本日寝ずの番をいたします」
「そう。じゃあ、お願いするわね」
「はっ、お任せください」
そう言って、その場を後にするリツコ。それと入れ代わりに、二人のネルフ職員が入ってきた。肩には、大尉の階級章をつけていた。
「おい、そこの二等兵」
「はっ、なんでありましょうか」
ビシッと、敬礼をするケンスケ。
「この機体は、すでに稼動状態にあるのかね」
「はっ、すでに稼動状態にあります」
「そうか……では、ネルフ司令官である碇ゲンドウ司令の命令で我々がテストをする」
「し、しかし、自分はそのような報告は受けておりません。赤木博士に確認を取らせていただきます」
「ほう……一二等兵が司令官の命令に対して疑念を抱くのか。軍法会議ものだぞ」
「し、失礼いたしました大尉殿。どうぞ、御存分に新型Gのテストをしてください」
「よろしい。では……うおりゃああああああああ!
いきなりケンスケを蹴飛ばす大尉。
ほんぎょぐぇえええええええええ!?
何が起きたのか分からないケンスケ。しかし、ケリを食らい壁際まで見事にぶっ飛んでいった。
「ううっ……一体何が……」
頭を振るい、状況を把握しようとするケンスケ。
「げっ、お前らは……碇に惣流?何をしているんだ?」
「ちっ、あのミリオタ、意外にも早く復活したわ。どうするシンジ?」
「時間がない。アスカは02を僕は01を奪取するから」
「オッケー」
そう言って、シンジはGP01にアスカは02に搭乗した。
「お、おい、お前ら何をやっているんだ」
あわてて止めに入るケンスケ。
「ケンスケ、そこから離れた方がイイよ。バーニアで焼かれたくなければ」
「げっ……き、緊急退避!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
次の瞬間、2機のガンダムに火が入り完全に起動状態になった。
「な、何事なのこれは」
騒ぎを聞き付けて、リツコがやってきた。
「ほ、報告します。碇と惣流がガンダムを強奪しました」
「なんですって!あなたはただそれを黙って見ていたの」
「い、いえ。最初は、ネルフの士官に変装してやってきました」
「ちぃ、やってくれるわね。ケンスケ二等兵、あなたは近くの格納庫でMSにのってガンダムを取り押さえなさい。それと、緊急警報も発令させるのよ」
「りょ、了解しました」
いそいで、近くにあるMS格納庫に向かうケンスケ。そうこうしている内に、ガンダム2機が格納庫から出てきた。
「ああっ、私のかわいいガンダムが……」
うろたえるリツコ。
「赤木博士、こ、これは一体……」
ちょうどそこに、パトロールから帰ってきた日向がザク2F型でやってきた。
「はっ、その声は日向君ね。一大事よ、GP01と02が強奪されたわ」
「な、なんですと!?わかりました、私が取り押さえます」
ヒートホークを構え、ガンダムに対峙する日向。
「うん、ザクが僕達をくい止めに来たみたいだよアスカ」
「ふっ、ザク程度で私達を止められるものですか。シンジ、一気にケリをつけるわよ」
ビームサーベルを構えるシンジとアスカ。そして、ザクとガンダム2機はじりじりと間合いを詰めていった。
「いくぞ〜、ガンダム〜!」
ヒートホークをふりかざす日向。しかし、その攻撃はあっさりかわされ逆にガンダム2機のビームサーベルがザクの両腕と両足を切り落としていた。
「ぐぎゃ……こ、こんなバカな……」
あっさり戦闘不能になる日向機。
「よし、シンジ。逃げるわよ」
「了解アスカ」
そう言って、正面ゲートを目指すシンジとアスカ。
だが……。


「まてまて〜。ここから先は行かせん。碇、惣流」
正面ゲートには、ザク2に搭乗したケンスケが待機していた。
「うん、その声はケンスケか?」
「そうだ碇。それよりも碇、なぜガンダムを強奪した。世界征服でもするつもりか」
「ふっ、ケンスケ、僕がそんな事をするとでも思っているのか!」
気迫を込めて話すシンジ。
「どうやら、くだらん野望のためではないらしいな。だが、そのガンダムは俺のモノだ。とっとと降りろ」
「ケンスケ、しょせんは君も大局で物事を測れない人間か。失望したよ」
「な、なにっ……何を戦術レベルの戦闘でこんな話しを……」
「君もパイロットなら、もっと大局でも物事を見てみろ」
「や、やかましい。お前を逃がせば、俺はまたあの金髪マッドによって改造される。ここは通すわけにはいかん。ゆくぞ、碇!」
ヒートホークを構え、シンジの乗っているGP01に切り掛かるケンスケ。
「シンジ、危ないわ」
「大丈夫だよアスカ。たかがザク1機、僕一人十分だ。覚悟、ケンスケ!」
「な、なめやがって碇!俺は、ガンダムのパイロットなんだあああああああああああ!
GP01に突っ込むケンスケ。だが、ケンスケのふりかざしたヒートホークはあっさりかわされた。
「笑止!その程度の腕で僕に勝とうなどと、100年早い。うおおおおおおおお!
ケンスケのヒートホークをかわし、逆にビームサーベルでザクのコックピットを突き刺した。
「こ、こんな、バカな……。お、俺はガンダムのパイロットなのに……って、もともとはあのマッドが俺を巻き込まなければ……。お、おのれMAD SCIENTIST〜!
次の瞬間、核融合炉が爆発しケンスケは果てた。
「よし、敵は殲滅した。離脱しようアスカ」
「そうねシンジ」
こうして、2機のガンダムがトリントン基地から逃げていった。









(to be continued)


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あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
何度も予告しました、MS外伝スターダストメモリーをここにお送りします。今回は、短編ではなく連載形式していこうかと思います。
一体何話で終わるか分かりませんけど。
では、またあう日まで。


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 今回から新シリーズそれも連載形式になりました。jun16が好きなガンダムシリーズ0083ですね(^^)

 前回でFGを極めたリツコさん、次は当然0083、GP-01とGP-02Aを原作通りに基地へ移送、片隅に放置してあるMSも気になりますね、もしかして・・・あのMS?

 MSには欠かせないケンスケ、今回も無理やり拉致されましたね。嫌がるケンスケでしたが、なんとネルフの一員(二等兵ですが)になれて大喜びそれもガンダムのパイロットに抜擢、念願が適いましたね。

 でもやっぱり原作通りにガンダム強奪(一号機もですが)シンジ君とアスカちゃんが強奪するなんてネルフを裏切ったのでしょうか?それとも何か目的があるのでしょうか?

 果敢にザクで二機のガンダムに立ち向かうケンスケでしたが結果は・・・(^^;)

 逃げたガンダム、シンジ君とアスカちゃんの目的は?愛しいガンダムを奪われて泣き崩れるリツコさん(笑)レイちゃんはシンジ君を敵にまわせるのでしょうか?そして爆発したケンスケは?気になる続き、感想を送って早く第2話を読みましょうね。

 とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


SSroom 第2話 熱砂の追撃戦 ケンスケ砂漠に散る?

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