新MS外伝スターダスト・メモリー

第2話

熱砂の追撃戦 ケンスケ砂漠に散る?

Made by 暗黒騎士ソード

うわああああああああああああああ、ガ、ガンダムのビームサーベルがああああああ!
悲鳴をあげながらベットから起き上がるケンスケ。
「はっ、こ、ここは……し、しらない部屋だ」
素頓狂な事をいうケンスケ。そこに、リツコが部屋に入ってきた。
「あら、目がさめたようねケンスケ君」
「あ、赤木博士。じ、自分は?」
「ガンダムに攻撃されて、重傷を負ったのよ。もっとも、私がすぐに治療したから問題ないけど」
「そ、そうでありますか。く、くそ〜!ガンダムを奪われるとは。博士、さっそく追撃部隊の編成を。それと、自分も追撃部隊に入れて下さい」
「残念だけど、追撃はしばらく無理ね。シンジ君とアスカが御丁寧にアルビオンやMS格納庫まで襲撃したから。現在は、急ピッチで修復作業にあたっているわ」
「な、なんて事だ……。追撃は、いつできるのですか」
「目下のところ、追撃がいつ行われるかは不明よ。アルビオンが修復されるまではね。あなたも、今は治療に専念しなさい」
そう言って、部屋を出ていくリツコ。
「くそっ……俺はガンダムのパイロットなのに……」
と、拳を握りしめ悔しがるケンスケであった。


「やれやれ、ここまでやられるとはね」
と、エンジン部分の損害をみてそう呟くミサト。
メカマンとしての技能はないが、素人が見ても酷い有り様であることは一目瞭然である。
なにせ、エンジン部分がビームサーベルで真横に切り裂かれていたのである。
「全く……ここまで破壊しなくてもねえ」
「そうねミサト」
いつの間にか、リツコが隣に立っていた。
「あっ、リツコじゃないの。ケンスケ君の様子は?」
「ま、セオリー通りに落ち込んでいるわ」
「そうなの。けどまあ、しゃあないわよね。完膚なきまでに叩きのめされたんだから」
「それより、修復状況はどうなの」
「あり、リツコは報告をうけていないの」
「こっちは、例のモノを搬入するだけで大忙しよ」
「なるほろね。じゃあ、私が理解できる範囲で受けた報告だけ伝えるわ。現在、エンジンの修復率は30%。それと、無傷および修理可能のMSが10機ってところね。技術系の詳しい話しは直接担当者に聞いてね」
「なるほど。数日は追撃ができないわね。ところで、援軍は来るの」
「ええ、あのバカ加持が援軍つれてやってくるわ」
「そう。それじゃあ、数日中には追撃隊を編成できるわね」
「そうね。で、この艦の艦長はだれがやるの」
「あなたに決まっているでしょう。オペレーターは私が。通信はマヤが操舵は青葉君がやってくれるわ。メカニックは私がやるけど」
「へえ〜、リツコも前線に出るんだ」
「当たり前でしょう。GPシリーズの開発責任者なんですから」
「ま、なんにせよ、援軍がこない事には何もできないわね」
そう言って、修理中のアルビオンを眺めるミサトであった。


きゃははははははははは、いまごろ碇司令は大慌てでしょうね」
と、キャビンで爆笑中のアスカ
現在二人は、ユーコン型潜水艦で西に向かっていた。
「そうだね。いつも偉そうにふんぞっている父さんにはいい薬だよ」
「しかし、ここまで上手く行くとはね。これなら、私達が考えた『星の屑作戦』は成功しそうね」
「もちろんさ。だって、アスカが考えた作戦なんだから」
「けど、あの基地にミリオタ相田がいた事だけが気掛かりよね。まさか、私達の代わりとか」
「かも知れないけど。でも、僕達の敵じゃないよ。それに、あの基地では秒殺だったし」
「ま、それもそうね。それより、シンジの方は準備万端なの」
「首尾は上々。アフリカ、サハラ砂漠にある鉱山の一つを確保したよ。そこには、もう宇宙へ向けての発射装置も取り付けてあるよ。後は、このGP01を宇宙用に改造するだけさ」
「よし。じゃあ、早速作業開始ね。ふふふふ、見てなさいよヒゲ親父。たっぷり報復してあげるわ」
不適な笑みを浮かべるアスカであった。


それから数日後。
「アルビオン、艦内チェック開始……機関室異常なし。レーダー室異常なし。MS格納庫異常なし。その他フロア異常なし。艦内チェック完了しました葛城艦長」
と、オペレーターを勤めるマヤの報告。
「よろしい。それでは、本艦はこれより奪われたGP01および02の奪取と反乱を起こした碇シンジおよび惣流・アスカ=ラングレーを捕縛するために出動する」
艦長席でそう宣言するミサト。
「で、リツコ、肝心のGP01と02はどこにいるの?」
「おそらくは、インド洋を西に向かっているわ」
「西?」
「ええ、そうよ。GP01および02に内蔵してある発振器からの電波によればね。でも、最終目的地は不明ね」
「そうか……よし、これより本艦はインド洋を西に向かう。総員、第2種戦闘配備のまま待機。MS整備班は搭載MSのチェック。各砲座は弾薬チェックを怠らない事」
とたんに慌ただしくなる艦内。
「では碇司令、これより本艦は出港します」
と、モニターに移っているゲンドウにそう伝えるミサト。
『うむ……バカ息子を頼む』
無表情ながらも、シンジの事を心配しているゲンドウ。
「では、アルビオン出港!」
そして、爆音を立てながらアルビオンは出港した。
「いいのか碇、真相を話さなくて」
と、モニター越しにアルビオンを眺めながらそう呟く冬月。
「はなせると思うか冬月」
「う、む、まあ無理だな。下手をすれば、葛城君まで反乱に加わる恐れもある」
「ともかく、葛城君に期待しよう」


「あれ、なんだろう。この装置は?」
と、ユーコン型潜水艦の格納庫でGP01を宇宙・地上両用に改造しているシンジが妙なものを見つけた。
「どうしたのシンジ」
作業服を油まみれにしているアスカ。
「うん、これなんだけど。なにか分かるアスカ。電源ケーブル以外は、どことも繋がっていないんだよ」
「何かしら?アースでもなさそうだし」
「調べてみるか。ええと、まずは電波を出しているか……」
電波を検出する装置を近付けるシンジ。
『ピーピーピー!』
「電波を出しているな……」
「ねえ、もしかしてこれって発振器じゃないの?」
「やられた。どうやら、こっちの逃走ルートが割れたようだね。どうするアスカ」
「うーん、魚雷とかにつけて飛ばしてもいずれはばれるわね。でも、時間稼ぎにはなるわ。魚雷の弾頭を外して私達と逃げるルートから少し離れた方向に飛ばしましょう」
「でも、それだと僕達まで見つからない?」
「大丈夫よ。発振器を追っているから、その近くを移動している潜水艦なんて鯨にか見られないわ」
「なるほど」
「それじゃあ、弾頭を外してこの発振器を飛ばしましょう」
そういって、弾頭を取り外しあさっての方向に飛ばした。
「ふう、これでしばらくは時間が稼げるわね。魚雷の燃料がきれても、落ちる場所は潜水艦が停泊している場所に見えるわ」
「どのくらいかなあ」
「ま、せいぜい2、3日が限界ね。おそらく、追撃隊の指揮官はミサトよ。近くにくれば、すぐにばれるわ」
「それじゃあ、急いで上陸地点に向かおう。GP01の改造はHLVでやろう」
「そうね」
全速力で上陸地点に向かうシンジとアスカであった。


「よーし、腹筋はこれまでだ」
と、アルビオンのデッキで訓練の指揮をとっているのは加持である。
「ぜいぜいぜい、か、加持隊長、く、訓練はこれで終わりでありますか」
「いや、次は腕立て伏せ100回だ」
「ま、マジでありますか」
「本当だ。さ、やれ相田二等兵」
「わ、わかりました」
涙を流しながら腕立て伏せをするケンスケ。
「おーおー、がんばっているわね」
と、艦橋でその光景を眺めているミサト。
「そのようね。ま、彼にはもう少し強くなってもらわないとね」
「で、そっちの方はどうなの。第3東京市から運ばれてきたものは完成したの」
「ええ、大まかなところはネルフ本部で組み上がっているから。アルビオンの修理と平行して、組み立てはほぼ完了したわ」
「そう。でも、よかったわね。GP01がもう1機作れて。余剰パーツ様々って感じね」
「けど、楽観はできないわよ。なんせ、一部のパーツはジム・カスタムのを流用しているからね」
「それじゃあ、性能的には奪われたGP01を下回るわけ」
「まあ、残念だけどそうなるわね。けど、こっちには数の有利があるわ。そのための援軍でしょう」
「まあね。援軍っていうか、この艦に搭載されているMS部隊の指揮官が加持って事だけが気に入らないけど」
「素直じゃないわね」
「なにか言った?」
「いえ、何も」
と、その時であった。
「艦長、GP01につけてある発振器の信号が強くなりました。この方向は、旧エチオピア共和国付近の海岸に向かっています」
と、マヤ。
「旧エチオピアね。ミサト、シンジ君達はどうやらそこに向かっているわ」
「う〜ん……」
「どうしたのミサト」
「いや、ちょっち気になるのよね。この方向」
地図を指差すミサト。
「何が気になるの?」
「この方向だと、エチオピアのジャングルよ。そこにいってどうするつもりなの」
「さあ。それはあの子達に聞かないと」
「ははぁ、読めたわ。アスカもやるじゃないの。けど、私の方が一枚上手ね。リツコ、どうやらシンジ君かアスカがGP01についていた発振器を見つけて魚雷にでも括りつけて飛ばしたのよ。この発振器の速度は確認された潜水艦のものではないわ」
「じゃあ、あの子達の行き先は」
「おそらくは……ここ、サハラ砂漠にあるダイヤモンド鉱山よ」
「根拠は」
「半月程前だけど、ああつまりシンジ君とアスカが行方不明になる少し前だけど妙にアフリカについて調べていたのよ」
「なるほど。そう言われると、そう思えるわね」
「よーし、これより本艦はアフリカはサハラ砂漠のダイヤモンド鉱山跡地区を徹底的に捜索する。両舷全速、速度最大巡行速度。サハラ砂漠のダイヤモンド鉱山跡地区に入り次第戦闘速度にはいる。各員は、ダイヤモンド鉱山に入り次第第1種戦闘配備」
こうしてミサトの指揮するアルビオンは、アフリカサハラ砂漠にあるダイヤモンド鉱山に向けて出発した。でもって、ダイヤモンド鉱山跡地区。ここにある鉱山の一つに、シンジとアスカは潜んでいた。
「シンジ、どう改装作業は」
「ほぼ完了したよ。あとは、バーニアの調整だけだね」
「そう。なら、あとはHLVにのせて射出するだけね」
「そうだね。02はもう載せたの」
「ええ。後はシンジの01だけよ」
「そうか。じゃあ、僕のもHLVに……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
その時、爆音が周囲に響き渡った。
「な、なんだ?」
「こ、この音は……まさか、アルビオン!?」
あわてて、近くにあった潜望鏡をのばすアスカ。そこには、小さいながらもアルビオンの艦影が確認できた。
「マズいわ。ミサト達よ」
「どうする、HLVの射出を取り止める?」
「いえ、いずれは金属探知機かなんかで見つかるわ。無理にでも射出しましょう」
「わかった。アスカはHLVの操縦を頼む。僕はギリギリまでミサトさん達を食い止めるよ」
そう言って、GP01に乗り込み鉱山の外に出ていった。


「うん、この反応は……艦長、GP01と思われる反応をキャッチ」
と、マヤ。
ビンゴ!ここにいたのね。総員、第1種戦闘配備。MS隊、順次発進せよ。ところで、こっちにあるGP01は誰が乗るの?」
GP01のパイロットが気になるミサト。
「レイにしたわ。レイならGP01のパイロットに相応しいでしょう」
「まあね。けど、ケンスケ君は?彼もガンダムのパイロットじゃあ……」
「彼には、別のMSを与えたわ」
「別のMS?」
「まあ、見たら驚くでしょうね」
不適な笑みを浮かべるリツコ。
うんでもって、そのケンスケはというと。
あんじゃこりゃあああああああああああああああああああああああ!?
と、絶叫していた。
「ほら、とっとと乗らないか」
加持にせかされるケンスケ。
「け、けど、隊長これはガンダムではありませんよ」
「そうだな。これは、ジム・ライトアーマーだからな」
「それって、機動性をアップしたといいながら、実は装甲なんかまるで無い機体じゃないですか」
「文句を言うな。パイロットは与えられた条件で最善を尽くす。それだけだ」
「とほほ……」
「では、君の任務を伝える。君は、綾波少尉の指揮下に入り彼女のバックアップおよび援護にあたれ」
「了解しました。では、早速出撃します」
そういって、ジム・ライトアーマーに乗り込むケンスケ。
「相田ケンスケ、ジム・ライトアーマー行きまーす」
アルビンから射出されるケンスケ。しかし、着地に失敗して砂地にめり込んだ。
「むぎょ……す、砂地は嫌だ……」
よろよろしながら、その場で立ち上がるケンスケ。
「相田君、しっかりしなさい」
スピーカーから、ケンスケの上官であるレイの声がしてきた。
「はっ、はい綾波少尉。ところで、自分は何をすれば……」
「私と一緒に敵がいる鉱山に侵入よ。まずは、あなたが突入しなさい」
「了解しました」
そう言って、鉱山に侵入しようとするケンスケ。だが……。

チュドドドドドドドドドドドドドド!
「のほうわああああああ!?」
突然、ビームの嵐がケンスケを襲った。めくら撃ちのため、ケンスケに直撃はなかったが十分に肝は冷えた。
「な、なんだ……」
警戒しつつ、ゆっくりと近付くケンスケ。その時、鉱山の入り口から1機のMSが出てきた。シンジののっているGP01である。
「い、碇か?」
「うん、その声はケンスケか。性懲りもなく追ってきたのか。あれ、どうしてGP01があるんだ?」
きょとんとして、ケンスケの後ろにあるGP01を見るシンジ。
「碇君、聞こえる」
「その声は、綾波か?」
「そうよ。碇君、どうしてこんな事を……」
「綾波には関係ないよ!けど、邪魔するなら綾波だって容赦はしないよ」
「そう……仕方ないわね。なら、私はあなたを倒す!」
ビームライフルを構えるレイ。
「させるか!」
先手を取って、ビームライフルを撃つシンジ。レイも同時にビームを放った。
「あわわわわわわわわ!?お、俺を巻き込むなああ〜!」
あわてて、岩陰に逃げ込むケンスケ。
「相田君、逃げてはダメ。あなたも戦いなさい」
「む、無茶言わないで下さい綾波少尉。じ、自分の機体ではガンダムには勝てません」
「そんな事は期待していないわ。私が期待しているのは、あなたが碇君を引き付けてくれることだけ」
「じ、自分は捨て駒でありますか?」
「そうよ」
さらっと言い放つレイ。
「ひ、ひでぇ……」
「さあ、全面にでなさい。さもないと、ビームライフルで撃つわよ」
「ち、ちくしょう〜なんでこんな目に……。うおおおおおおお、いくぞ〜碇〜〜〜〜!」
ビームサーベルを抜き放ち、シンジの乗っているGP01に切り掛かるケンスケ。だが……。

チュドーン!
「へっ?」
一瞬、何が起きたのか分からないケンスケ。そして、次の瞬間、自分の機体に穴が空いている事に気付いた。
「げっ、こ、これは……」
「こら相田君、いきなり私の前に出てこないでよ。ビームがあたったじゃないの」
「そ、そんなバカな……。ち、ちくしょう〜こんな事になったのも全てあのマッドのせいだ〜。おのれ、MAD SCIENTIST〜!
そして、ケンスケは見事爆死した。
「くっ、なんて事なの」
うろたえるレイ。その時、シンジの乗っているGP01がレイの乗っているGP01に肉迫した。
「はっ!?」
あわてて、防御体勢を取るレイ。そこに、GP01のケリが飛んできた。
きゃああああああああ……
ケリをまともに喰らい、そのまま吹っ飛ぶレイのGP01。衝撃が強かったのか、レイは気絶してしまった。
「よし、敵は沈黙したぞ。アスカ、HLVの準備は?」
「オッケーよ。いつでも宇宙に飛び立てるわ」
「じゃあ、これからHLVに乗り込むよ」
そう言って、HLVに乗り込むシンジ。数分後、HLVは爆音を上げて宇宙へと飛び立っていった。









(to be continued)


%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
0083スターダストメモリーの続編をここにお送りします。まあ、今回は前置きが長くてMS戦闘が少ないのがちょっと残念。
けど、次回はあのコンペイ島の戦いを描きますので。シンジ&アスカVSレイ(+おまけとしてケンスケ)の壮絶な戦いが。
では、また会う日まで。


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 スターダスト・メモリー続編ですね、原作通り実行しますね「星の屑作戦」アスカちゃんが考えた作戦、多分0083のDVDを見たんでしょうね(笑)

 主役?のケンスケ、今回も復活していますね(何人目でしょうか)主役?には相応しくガンダムで出撃・・・ではなくジム・ライトアーマーで出撃(笑)結果は当然。

 上官のレイちゃんがGP-01に乗ってシンジ君のGP-01と対決、ガンダムVSガンダム、迫力があります。レイちゃんシンジ君との愛の為に逃がすのか?それとも命令に従うのか?・・・残念ながら命令に従っちゃいましたね。

 宇宙へ飛び立ったアスカちゃんとシンジ君、ヒゲおやぢへの報復は確実に進行していますね。

 宇宙でのMSドックファイトを早く読みたいですね、さあ皆さんMSは俺も好きだぜ!と熱い感想を送りましょうね。

 とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


SSroom 第1話 ガンダム強奪 ケンスケ トリントン基地に散る? 第3話 ケンスケ策謀の宙域に散る?

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