新MS外伝 起動戦士Zガンダム?

ラストテイク

ケンスケ、ゼダンの門に散る!

Made by 暗黒騎士ソード

キリマンジャロ基地攻略から数日後。

「……シンジ、シンジってば!」

と、シンジを呼ぶアスカ。

「……うん……ああ、アスカか……」

「どうしたのよ、ボーと外なんか眺めていて」

「うん、ちょっとね……」

そう言って、また外を眺めるシンジ。

「もしかして、地球で何かあったの」

そのセリフに、ビクッと反応するシンジ。

「やっぱりね……。まあ、何があったか聞かないけど、ひきずるのはよくないわよ」

「わかっているよ……」

「なら、いいけどね。それより、いよいよ最後の作戦よ」

「そうだね……。ねえ、アスカ、この戦いが終わったらさ……その、結婚しようか」

「な、なに言い出すのよいきなり」

「だって、この戦いが終われば平和になるだろう。だからさ」

「……そうね。それもいいかもね」

にっこりと笑うアスカ。

「それよりも、そろそろ作戦会議よ」

「そうか……もう、そんな時間か」

「そうよ。これで最後よシンジ」

そう言って、ウインクするアスカであった。



「さーて、みんなに集まってもらったのは他でもないわ」

と、ビール片手にミーティングしているミサト。どうして彼女が指揮官に任命されたのか、世界の七不思議に加えることができる。

ま、それはそれとして。

「これから、我々はゼーレ軍の本拠地であるゼダンの門を攻撃する。既に、我々は敵コロニーレーザーを占拠しゼダンの門に照準をあわせているわ」

「では、そいつで攻撃をすればいいのでは」

と、ネルフ兵の一人。

「それができれば苦労はしないわ。けど、コロニーレーザーは現在修復中なの。照準を合わせているのは、ブラフ(おどし)でしかないわ」

「ふふん、ブラフか。リリンの文化だね」

何か勘違いしているカヲル。

「では、作戦を伝えるわ。我々は、コロニーレーザーの修復が終わるまでそれを死守すること」

その時、ミーティングルームのパネルにネルフ技術兵が映し出された。

『葛城艦長。修復状況の報告にあがりました』

「ご苦労様。で、状況は?」

『正直、かなり厳しいですね。特に、発電システムがかなりやられています。最低でも、修理には1時間かかるかと』

「まずいわね……」

苦渋の表情を浮かべるミサト。

「どうするんですかミサトさん」

と、シンジ。

そこへ、伝令が入室してきた。

「も、申し上げます。ゼーレ宇宙艦隊がこちらへ接近してきます」

「な、なんですって。くっ、仕方ないわ。総員、総力戦用意。MS部隊は、各部隊長の判断に任せるわ。なんとしても、コロニーレーザーを守るのよ」

『了解!』

とたんに慌ただしくなる、アーガマの艦内。

「シンジ!」

MSデッキに向かおうとするシンジを呼び止めるアスカ。

「うん、どうしたのアス……」

そこまで言った時、いきなりアスカにキスされるシンジ。

「シンジ、決戦の前の激励よ。帰ってきたら、またしてあげる」

「う、うん……」

真っ赤になるシンジ。

「それじゃ、いっちょうやりますか」

そして、MSデッキ。

「Zガンダムの整備は完璧です。それと、バイオセンサーを搭載しておきました」

整備員から説明をうけるシンジ。

「バイオセンサー?」

「ええ。新型のセンサーです。そういや、ガンダムMK2に同じのを搭載しましたね」

「MK2にも。もう修理は終わったの?」

「はい。パイロットは、惣流・アスカ−ラングレー少尉ですけど」

「アスカがMK2にか……」

「それじゃあ、無事に帰還することを願ってます」

「ありがとう」

そう言って、コックピットのハッチを閉じるシンジ。

そして、カタパルトにZガンダムを乗せた。

「よし……。碇シンジ、Zガンダム。出ます!」

凄まじい、Gと共にアーガマから発進するシンジのZガンダム。

さらに、ガンダムMK2と百式やネモにジム2隊などが出撃していった。


「キール閣下、ネルフ艦隊を捕捉しました」

と、ドゴス・ギアのオペレーター。

「うむ……。して、アーガマ隊の動きはどうだ」

「はっ、複数のMS部隊を発進させました。また、アーガマ付近には数隻のサラミス級巡洋艦の反応もあります」

「そうか。聞いてのとおりだ相田君」

後ろに控えているケンスケを見るキール。

「はっ、キール閣下。直ちに、MS部隊で迎撃にあたります」

「では、MSデッキに行きたまえ」

「了解!」

ビシッと、敬礼をするケンスケ。

でもって、MSデッキ。

「整備員。バイアランは直ったのか?」

「いえ。ですが、新型MSを用意してます」

「新型?」

「はい、これです」

と、新型を指差す整備員。

「こ、これは……」

「NRX−055バウンド・ドッグです。可変型MSですよ」

「おお、可変型か。これなら碇に対抗できるぞ」

「では、さっそく出撃して下さい」

「うむ」

そして、バウンド・ドッグに乗り込みカタパルトに接続するケンスケ。

「相田ケンスケ、バウンド・ドッグ出るぞ!」

発進するケンスケのバウンド・ドッグ。

後続には、ハイザック隊が続いた。

「うはははははは、覚悟しろ碇。この新型と、ハイザック隊でお前を地獄に送ってやるぜ!」

奇声をあげるケンスケ。そうこうしているうちに、シンジ達と接触した。

「シンジ、ゼーレのMS隊よ」

と、アスカ。

「よし、いくよアスカ」

「オッケー!」

一気に加速をかけるシンジとアスカ。

「来たか!全機に告ぐ。Zガンダムは俺がやる。ハイザック隊は、残りの雑魚をかだつけろ!」

そう言って、ケンスケ自身はシンジの乗るZガンダムに向かった。

「碇、決着をつけてやる!」

「新型!?パイロットはケンスケか?」

「そうだ碇!青葉さんの仇をここでとらせてもらう。それと、いままでの恨みも晴らさせてもらうぞ!」

気迫を込めて、ビームライフルで攻撃するケンスケ。

「そんな攻撃が当たるか!」

お返しと言わんばかりに、ハイパーメガランチャーで攻撃するシンジ。

だが、ケンスケも紙一重でかわした。

「さすがは碇だな。だが、これなら!」

今度は、ビームライフルでシンジの動きを抑えようとするケンスケ。

「くっ、やられている割には操縦が上達したのか?だけど、僕もここでやられるわけにはいかないんだ!」

グレネードランチャーで弾幕を張り、ビームライフルで反撃するシンジ。しかし、ケンスケも距離をおいて戦うことに専念していた。

「くそ〜、懐にさえ飛び込めれば……」

「ふはははははは、お得意の格闘戦さえ出来なければお前なんぞ恐くないわ!」

間合をとりながら、シンジと戦うケンスケ。

「あくまでも、距離を保つわけだな……。それなら!」

戦い方を変えるシンジ。何を思ったのか、ケンスケと同じように距離を保ちだした。しかし、ケンスケと違うのは機動力を生かしたものであった。

「ふっ、どうした碇。お前の実力はその程度か?」

シンジを挑発するケンスケ。しかし、ケンスケの挑発には乗らず遠距離からハイパーメガランチャーやビームライフルで攻撃していた。

「ふっ、そんな遠距離からの攻撃なんぞ当たるか!」

余裕の表情でかわすケンスケ。後方にいた、ハイザックがビームに飲まれ消滅した。そして、そんな攻撃がしばらく続いた時、ケンスケはあることに気付いた。
いつの間にか、戦闘の閃光がほとんど見られないのである。

「な、これはどうしたことだ?ハイザック隊、応答しろ!」

『こ、こちらハイザック隊!バウンド・ドッグ。至急、援護に来てくれ。ガンダムMK2と金色のMSにやられて……ぎゃあ!?』

「ま、まさか……ハイザック隊が……。し、しまった碇の狙いはこれか!」

ようやくシンジの狙いを悟るケンスケ。だが、気付いた時にはハイザック隊はほとんどやられていた。

「お、おのれ……だが、俺は負けん!いくぞおおおおおおおおおおおおお、碇いいいいいいいいいい!

やけくそになったのか、シンジに特攻を仕掛けるケンスケ。

「無駄だケンスケ!」

あっさりかわされ、逆にビームサーベルで頭部を斬り落されるケンスケのバウンド・ドッグ。

「のおおおおおおお!?こ、このままではいつもの負けパターンだ……」

「とどめだケンスケ!」

再び、ビームサーベルで攻撃しようとするシンジ。

その時、シンジの背後で緑色の発光信号が打ち上げられた。

「退却命令!?どうしんだ?」

不思議に思うシンジ。

「シンジ、アーガマから通信よ。ゼーレの別働隊が、コロニーレーザーを襲撃したわ。守備隊は、奇襲をうけて壊滅的な打撃を受けたそうよ。いそいでコロニーレーザーの防備に回れって」

「くそ、あと少しなのに」

にがにがしく思いつつも、コロニーレーザーの防備に向かうシンジ。

「た、たすかった……」

なんとか、この場は命拾いをしたケンスケであった。

その後、ゼーレのMS部隊がコロニーレーザーを攻撃したもののシンジを始めとするエース級パイロットの活躍により攻撃は失敗に終わった。



「キール閣下、全部隊帰投しました」

と、ドゴス・ギアのオペレーター。

「うむ。被害状況を報告せよ」

「はっ、第一および第二MS部隊は7割が帰投。ただ……」

「ただ?」

「遊撃隊として出撃した、相田隊がほぼ全滅です」

「そうか……よし、相田隊長を呼べ!」

しばらくして、精神的にはぼろぼろになっているケンスケがやってきた。

「あ、相田ケンスケまいりました」

「来たか……君の部隊だけだぞ、全滅したのは。しかも、自機まで失ったとは」

「も、申し訳ありません。次こそは!」

「よろしい。では、私の命令に絶対服従だな」

「はっ!」

「では……おい、きいてのとおりだ赤木博士」

と、いつの間にかケンスケの背後にはリツコがたっていた。

「げげっ、なぜお前がここに!」

「おほほほほほほ、細かいことは気にしなくてよ」

「気にするわ!っていうか、俺は逃げる」

「そういかないわよ」

素早く、ケンスケの頸動脈に注射をするリツコ。

「はう……また、これか……」

そして、ケンスケの意識はフェードアウトした。


「シンジ、また敵がやってきたわ」

と、コックピットでシンジが休んでいたところにアスカからの通信が入った。

「敵が?また、コロニーレーザーにか?」

「ええ。それも、大多数で攻めてきたわ」

「総力戦か。ミサトさんからの指示は?」

「各個に反撃しろって。ただ、20分後にはコロニーレーザーによる攻撃を開始するって」

「なるほど。それまで、持ちこたえればいいわけか。よし、本当に最後の戦いだ。いくよアスカ!」

「おっけ〜、シンジ!」

加速をかける、シンジのZガンダムとアスカのガンダムMK2。既に、コロニーレーザー周辺ではネルフMS部隊とゼーレMS部隊が激しい戦闘を繰り広げていた。

ビームの火線に貫かれ、爆発し火球に変わるハイザック。

ザクマシンガン改で、蜂の巣にされるネモやジム2。

戦艦の主砲やミサイルの直撃を受け四散するMS。

「激戦になってるな。アスカ、流れ弾に気をつけて」

「シンジもね。それより、コロニーレーザー発射まで時間がないわ」

「そうだな。じゃあ、とりあえず……」

その時、視界に写っていたネモ2機が突然爆発した。

「な、なに!?」

「ビームじゃない。こ、この波動は……ケンスケなのか?」

警戒体制をとるシンジ。そこへ、高速で接近してくるMAがきた。

みつけぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお〜、碇ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

完全に、ぶっ壊れた表情をしながらシンジに接近するケンスケ。

「あ、あれはMRX−010サイコガンダムMK2」

「ニュータイプでもないあいつが乗れるってことは、リツコの手で強化人間にされたわね」

「おそらく」

「碇、今度こそ決着をつける!いけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜リフレクタービット!」

サイコガンダムMK2から、無数のビットを放出するケンスケ。

「アスカ、気をつけて」

「くっ、ビット程度で!」

ハイパーバズーカで攻撃するアスカ。

「ぬわんのおおおお!」

Gももろともせず、強引に回避して逆にビーム砲で攻撃するケンスケ。

「くっ」

シールドで防ぐアスカ。だが、火力があるためシールドは粉々になった。

「げげっ。なんて、火力なの」

驚愕するアスカ。

「ええい、邪魔だ失せろ惣流!」

拡散メガビーム砲で、アスカのガンダムMK2に攻撃するケンスケ。

「きゃあああ!?」

直撃こそ免れたものの、装甲板のあちこちが焦げ付いた。

「アスカ!ケンスケ、貴様!」

「ふははははははははは!次はお前だ碇!」

「そうはいくか!」

ハイパーメガランチャーを構え、最大出力で放つシンジ。

「無駄だ!このサイコガンダムMK2には、I・フィールドが張られているのだ。ビーム兵器なんぞ、無意味だ!とどめだ碇!」

リフレクタービットを、放出しようとするケンスケ。

「させるかああああああああああ!」

ウェーブライダー形態に変型し、サイコガンダムMK2に突っ込むシンジ。

「何っ!?」

いきなりの事で、かわすこともできずまともに体当たりを受けるケンスケ。

そして、そのまま押されていった。

「ぬおおおおおおおおおお、パワーではこっちが上だ!でりゃああああ!」

ウェーブライダーを掴み、放り投げるケンスケ。しかし、シンジも放り投げられつつMS形態に変形し再びハイパーメガランチャーで攻撃した。

「無駄だ。I・フィールド!」

だが、I・フィールドは展開されなかった。

「な、なんですとおおおおおお!?」

どうやら、先ほどの衝撃で配線がいかれたようである。あわてて、回避するケンスケ。だが、推進装置にビームが命中した。

「くそ、外したか!」

そこへ、ミサトから通信が入った。

『シンジ君、聞こえて。まもなく、コロニーレーザーの砲撃が始まるわ。そこは、砲線のど真ん中よ。いそいで退避して!』

「わ、わかりました。アスカ、退避命令だ!」

「こっちはもう退避したわ。シンジこそ!」

「わかった」

退避行動に入るシンジ。

「逃がすか碇!」

逃がすまいと、ケンスケがビーム砲で攻撃してきた。

「くっ、いいかげんにしろケンスケ。お前のようなやつが、宇宙(そら)を汚して命を無意味にしなせるんだ!」

ビームサーベルを抜き放ち、サイコガンダムMK2の頭部に投げ付けるシンジ。

狙いは外れず、サイコガンダムMK2の頭部を貫いた。

「も、モニターが……」

一瞬にして、視界がなくなるケンスケのサイコガンダムMK2。

「よ、予備カメラを作動させねば」

しばらくして、予備カメラが起動した。その時、レーダーが危険シグナルを出した。

「危険シグナル……なにっ、大出力ビームだと」

そこには、視界全体にひろがる光の奔流があった。

「ば、バカな……。こ、こんな結末だとは……だ、台本と違うじゃねえかあ〜!お、おのれMAD SCIENTIST〜!

そして、光の奔流はケンスケごとゼーレ軍をのみ尽くし戦いは終わりを告げた。







































「はい、カット!」

と、地球でモニターしていたリツコがカットを出した。

「先輩、すばらしい映画ですね」

目をキラキラさせて、リツコを見るマヤ。

「でも、私の出番が少なかったです」

「次回は出番をあげるわ。さあ、Zガンダムの撮影が終わったわ。次は、何にしましょうか。お〜ほっほっほっほっほっほっ!」

どうやら、リツコのマッドな趣味はまだ続くようである。





(撮影完了!)









CAST



ガンダムMK2およびZガンダムパイロット……碇シンジ





メタスおよびガンダムMK2パイロット……惣流=アスカ・ラングレー





百式パイロット……渚カヲル





サイコガンダムパイロット……綾波レイ





アーガマ艦長……葛城ミサト



謎の猫娘商家の看板娘……伊吹マヤ



マラサイパイロット……青葉シゲル

アッシマーパイロット……日向マコト

ゼーレ軍総司令官……キール=ローレンツ







STAF



監督、脚本、演出……赤木リツコ








撮影、照明、その他……ネルフのみなさん






製作……ネルフ映画株式会社






提供……マルドゥク機関







%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
ようやく、Zガンダムが終わりました。
いや〜、長かったですねええ〜。
しかし、リツコさんの野望はまだ終わりません。
では、また会う日まで。
えっ、CASTで誰か欠けているって。
まあ、気にしないで下さい。(笑)


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
 
 ついにZ編最終回です。レイちゃんとの悲しい別れに落ち込むシンジ君、そこへアスカちゃんの優しい言葉、ラヴラヴですね。

 そして最後の戦いへ、ゼーレ軍を倒すために出撃するZガンダムにMK-2、立ちふさがる敵はやはりケンスケ。バウンド・ドッグで戦いますがそこはケンスケ、負けてしまいましたね。

 しかしMADリツコさんのおかげで強化人間と復活、アスカちゃんシンジ君を攻撃しましたが・・・宇宙(そら)に散りましたね。

 撮影が終わったリツコさん、満足したようですがまだまだ野望は続きますね。

 リツコさん、次のシリーズも期待しているぜ!と感想を送りましょうね。
 
 とっても素敵なSSをくださった
暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


SSroom テイク5

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