劇場版 起動戦士ガンダムZZ?
テイク1
シャングリラの少女
Made by 暗黒騎士ソード
「うーん、機動戦士Zガンダム?の興行収入も私の予想をはるかにこえるものであったわ。製作費用しはらっても十二分にお釣がでるわ。おほほほほほほほほほほ、ここはやはり第2作を作るべきね。そして!」
くわっと、目を見開くリツコ。
「あらたなるGを開発する上でも、作らないとダメね。さて、いそいでその準備をしないと」
こうして、ネルフの地下深くこもるリツコ。
そして、それから七日七晩リツコの奇声と無気味な機械音が途絶えることはなかった。
かわってこちらは、いつもながらケンスケ君のお部屋。
「ハマーン様、ばんざーい!」
と、本日もリツコに改造された影響が出ているケンスケ君。
どうやら、楽しい妄想タイムに浸っているようである。
しかし、例によっていつものごとくこの楽しい妄想タイムは終演を迎えようよしていた。
『ドタドタドタドタドタドタドタドタドタ!』
いきなり、数人の黒服がケンスケの部屋になだれ込んできた。
「むっ、何やつだ!?エゥーゴか?」
意味不明なことをのたまうケンスケ。
「相田ケンスケだな。我々と共に来てもらおう」
「断る!弱体化したエゥーゴにまける私ではない!ハマーン様、ばんざ〜い!」
そういって、突撃をかますケンスケ。
「むっ、ターゲットが暴れだしぞ。プランをBに変更。それ、かかれ〜!」
こうして、いつものごとくボコボコにされるケンスケであった。
「各員、被害状況をチェック。それと、サイド1への入港はまだなの?」
と、アーガマで指揮を取るミサト。
「ま、まだです……。被害状況については、現在、調査中です」
しどろもどろのオペレーター。
「急いで。ったく……、自由のコロニーシャングリラが聞いて呆れるわ」
「艦長、シャングリラから入港許可が出ました」
「よし、急いで入港し修理ドックにいくのよ。敵の襲撃を受けたら一大事よ」
「はっ!」
急いで入港するアーガマであった。
一方、アーガマから少し離れた宙域では一隻の宇宙巡洋艦がシャングリラに向けて航行していた。
「ケンスケ君、アーガマの動きはどうなっている」
と、この宇宙巡洋艦『エンドラン』の艦長兼MS部隊指揮官の青葉シゲル。
「はっ、シャングリラに入港したもようです」
ビシっと、敬礼をしてマコトの質問にこたえるケンスケ。
「そうか。よし、我々もアーガマを追撃してシャングリラに向かう。各員、第1級戦闘配備。アーガマを発見しだい、総攻撃を仕掛けろ」
「ははっ」
こうして、怪し気な野望を秘めた『エンドラン』がシャングリラに向けて航行を始めた。
「えっ、修理ドックに入れない?」
きょとんとし表情になるミサト。
「は、はい……。なんでも、修理ドックには民間の病院船や貨物船が入港してまして。ある程度の修理機材は貸してくれると」
「くっ、しゃあないわね」
「艦長、近くにあるジャンク山に隠れては?」
「なるほど。よし、そこに隠れるわよ」
そういって、アーガマをジャンク山に隠すミサト。
「おーし、これでしばらくは隠れることができるわね。急いで修理をして。それと負傷兵を病院に」
「はっ!」
いそぎ、艦内の修理を開始するネルフ兵。
しかし、そんな光景を数人男女が見ていた。
「へえ〜、あれがネルフの新型宇宙戦艦『アーガマ』か。きっと、いいMSがあるわね。売り飛ばせば、いい儲けになるわよ」
「そうね。で、どうやるのアスカ」
「せやせや。『アーガマ』は軍艦やで。どないして、潜入するや」
「ふっ、甘いわね。情報によれば、アーガマのパイロットは壊滅的打撃を受けている。それに、乗組員も大半が負傷兵よ。鈴原とヒカリが騒ぎを起こした隙に、私が潜入してMSを奪取するわ」
「なるほど。それならいけるで。よっしゃ、ワイと洞木で『アーガマ』周辺に騒ぎを起こすから上手く潜入しな」
「がんばってよアスカ」
「まかせて。じゃ、いくわよ」
そう言って、ふた手に別れる三人。
「とにかく、修理を急いで。こんなところ、敵に見つかったら……」
『チュドドドドドドドドド!』
その時、アーガマ周辺で激しい爆発音がした。
「な、何事なの?」
「わ、わかりません。ただ、無数の爆発が……」
「オペレーター、敵砲撃の方向は?」
「現在、調査中……。こ、これは、砲撃じゃありません」
「えっ、どういう……?」
「か、艦長!」
その時、ブリッジクルーの一人が外を指差した。
「あ、あそこにネオゼーレ軍の巡洋艦が……」
「し、しまった……。今の爆発で、こちらの位置が」
「敵艦から、MSが射出されました」
「機種は?」
「アンノウン。データがありません」
「なんてこと……Zガンダムやメタスのパイロットがいないのに……」
『ガキン!』
その時、不意にアーガマ内部から衝撃が走った。
「こ、今度は何よ?」
「艦長、Zガンダムが勝手に動いてます」
「へへん、楽勝楽勝。Zガンダムはいただくわ。間抜けなネルフ軍のみなさん」
「ちょ、ちょっとあなた。今すぐ、Zガンダムから降りなさい!それは、子供のおもちゃじゃないのよ」
「大丈夫。すぐにバラして売るから」
「無理よ。目の前に、ネオゼーレ軍のMSがいるのよ」
「そうなの。でも、私の知ったことじゃないわ」
「甘いわね。この状況じゃ、あなたが出ていったらまっ先に攻撃されるわよ」
「うっ……じゃあ、どうすんのよ」
「Zガンダムが欲しければあのMSに戦って勝ちなさい。そしたら、Zガンダムはあなたのものよ」
「……わかったわ。ただし、その約束はかならず守るのよ」
「安心しなさい。ネルフ軍は約束を守る軍隊よ」
「そう。じゃ、戦ってあげるわ。ええと、Zガンダム、惣流アスカ。いきまーす!」
カタパルトから勢いよく射出されるZガンダムであった。
一方、エンドランから射出されたマコトはガルスJのコックピットで独りトリップしていた。
「ふっ、アーガマを捕らえればマヤ・ハマーン様は無情の微笑みを俺に投げかけてくれるだろう。ああ、マヤ・ハマーン様ばんざ〜い!」
バラに話し掛ける男。
はっきりいって、脳みそがおかしい人間にしか見えない。
「うん、アーガマからMSが出てきたのか。ふっ、この私が騎士道の元に降伏を勧告する予定だったが。やむえん、騎士道精神に従いお前を倒す!」
身構える、シゲルのガルスJ。
「なに、あのMS?随分と、ずんぐりむっくりした機体ね」
Zガンダムで対峙するアスカ。
「よく来たなネルフ軍のMS。我が名は、日向マコト。『エンドラン』の騎士だ!貴殿の名前を聞こうか」
「は、はぁ?」
「名のれと言っているのだ」
「惣流アスカ。学校は、はずけている」
「なるほど、アスカか。では、参る!」
ビームサーベルを抜き、正眼に構えるマコト。
「え、ええと……ビーム出ろ!」
操縦桿についているトリガーを引くアスカ。
しかし、それはビームのではなくウェーブライダーに変形するスイッチであった。
「あ、あれれれれ!?」
おたおたするアスカ。
「ええい、真面目に戦うつもりがあるのか!?」
「そ、そんなこと言ったて。こっちは、初心者……げっ、ど、どいて〜」
操縦をミスったのか、ガルスJに突っ込むアスカ。
「の、のわあああああああああ!?」
『がしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!』
ジャンク山に埋もれるZガンダムとガルスJ。
「あだだだだだだだ……」
頭を振るいながら、起き上がるアスカ。
そして、Zガンダムを起き上がらせるとビームサーベルを抜き、ガルスJと対峙した。
「お、おのれ、騎士道の戦いに反する行為だ!ゆるさん」
「うっさい!」
ビームサーベルを抜いているのに、ケリをかますアスカ。
「ふぎゃああああああ!?」
地面を転げ回るマコトのガルスJ。
「ぬ、ぬおおおおおおおお!バ、バラが折れてしまった。きょ、今日のところはこのへんで勘弁してやる」
ぼろぼろになったガルスJでその場から逃げ去るマコト。
「敵MS、退却していきます。Zガンダム、帰還を確認」
「ふう……。どうにか、敵の攻撃をしのいだようね。よし、被害状況とZガンダムの整備を急げ」
「了解!」
しばらくして、ブリッジにアスカがやってきた。
「よくやったわね。約束どおり、Z……」
「きょうはいいわ。でも、後日、かならずZガンダムをいただきに来るわ」
「!?」
「じゃ、またね。間抜けな、ネルフ軍の艦長さん」
そう言って、アーガマから去っていくアスカ。
「やれやれ、すっかりあの子のペースに乗せられたわね」
「艦長、子供に甘いですよ。あんな悪ガキは……」
と、アーガマクルー。
「それより、あの子をパイロットにしたいんだけど」
「正気ですか!?」
「正気よ。それより、どう思う」
「……素質はありますね。でも、正直言って我々の主旨に賛同してくれるかは疑問ですね」
「ま、口説く価値はあるからやってみるわ」
「うぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!なんたることだ!」
かわってこちらは、屈辱の気分に浸っているマコト。
「これからどうしますか日向司令」
と、ケンスケ。
「こ、こうなれば……。アーガマに総攻撃だ。相田少尉!君はこの、『エンドラン』の指揮を執れ。私はMSで出撃する!」
「し、しかし、ガルスJはまだ修理中でして……」
「案ずるな。ズザがある。あれでいく」
「なるほど。では、さっそく出撃の準備を」
「ふはははは、今度こそ沈めてやるぜアーガマ!」
意味なく、笑い声をあげるマコトであった。
「艦長、ネオゼーレ軍がふたたび攻めてきます」
と、オペレーター。
「くっ……!こんなときに……。せめて、あのアスカって子がいれば……」
「艦長!なんであんな小娘をそこまで……」
「あの子は、ニュータイプだからよ」
「ちぃ……あんな子供に……。自分がでます!」
そう言って、Zガンダムに乗り込むオペレーター。
「や、やめなさい。あなたじゃ無理よ!」
しかし、ミサトの制止も聞かずZガンダムは出撃していた。
「子供に何ができるもんかよ」
ハイパーメガランチャーを構えるオペレーター。
そこへ、ズザがやってきた。
「来たか!喰らえ!」
ハイパーメガランチャーを放つオペレーター。
「ふっ、遅い!見えてから撃ったのでは当たらんぞ」
余裕でかわすマコト。
「な、なにっ!くっ、このこの」
今度は連射で攻撃した。
しかし、その攻撃もマコトは難無くかわしていた。
「ふははははははは、愚劣なパイロットだ。これでも喰らえ!」
ミサイル・ポットから、一斉にミサイルを撃ち出すマコト。
「う、うわああああああああ!?」
直撃こそしなかったが、一気にパニック状態になるオペレーター。
「く、くそっ。負けるかよ!」
今度は、グレネードを撃ち出すオペレーター。
しかし、その攻撃も命中しなかった。
「ふっ、その程度かZガンダム。攻撃とは、こうやるのだよ!」
ビームサーベルで斬り付けるマコト。
「ぐわああああああ……」
衝撃で吹き飛ぶZガンダム。
「ヤバいわ。全砲門、Zガンダムを援護して」
アーガマからの砲撃で、Zガンダムを援護するミサト。
「ちぃ……アーガマめ。余計なことを。ならば、アーガマから先に叩いてやるぜ」
アーガマに鉾先を向けるマコト。
「今よ。Zガンダム、帰還しなさい!」
「す、すみません艦長……」
どうにか帰還するオペレーター。
「後で始末書でも書いてもらうわ。それより、敵の動きは?」
「エンドランより数機のMSを確認!包囲を狭めてます」
「くっ……あのアスカって子さえいれば」
「呼んだ?」
そこへひょっこりあらわれるアスカ。
「ちょ、ちょっとあんた……一体どうやって?」
「さっきからいたわよ。全く、ぜんぜん気付いてくれないから寂しかったわよ。それより、ヤバい状況にあるわね。どうするの?」
「とにかく逃げるわ。でも、そのためにはあなたの力がいるわ。協力してくれる」
「断るわ。戦争に協力するなんてご免こうむるわ」
「そこをなんとか……」
拝み倒すミサト。
「アスカ、協力してあげなよ」
「せやせや。惣流らしくないで」
いつの間にか、トウジとヒカリがブリッジにあがっていた。
「あ、あんたたちいつの間に……」
「アーガマの艦内警備はどうなっているのよ」
頭を抱えるミサト。
「アスカ。ネルフの戦いって、人類にとって大事な戦いなんでしょう。協力するべきよ」
「惣流。お前がやらへんなら、ワイがやるで」
「……ふう、わかったわ。けど、条件があるわ」
「条件?」
「そ、条件。いい食事と、私専用の個室を用意すること。それから、戦いにケリがついたらZガンダムは私のものよ」
「いいわ。その条件のむわ」
「おっけ〜。じゃ、さっくとやってくるわ」
そう言って、Zガンダムに乗り込み出撃するアスカ。
外では、意味なくバカ笑いしているマコトがいた。
「ふはははははは、アーガマは俺様が沈める。全機、アーガマに攻撃を……」
「そうはさせないわよ!」
「むっ、Zガンダム。懲りずにやって来たか。しかし!今の私に勝てる人間はいない!ゆくぞ!」
なめきっているのか、無防備状態でつっこむマコト。
「甘い!そんなんじゃ、ただの的よ!」
逆に、ビームサーベルでズザの頭部を切り飛ばすアスカ。
「ふぎゃあああああ!?さ、さっきとは動きが違う……。くっ、一時撤退だ!」
不様に逃げ出すマコト。
「ふっ、不様ね」
そして、アスカの乗るZガンダムはアーガマに帰還した。
「ご苦労様アスカ。そいじゃ、さっさとこのコロニーから離脱するわよ」
「えっ、シャングリラから離れるの?」
「そうよ。ここにいたら、また戦闘に巻き込まれるでしょう」
「ま、しゃあないか。で、どこに行くの?」
「とりあえずは、味方の補給艦と合流するわ。その後の進路は、それからよ」
「うーん、アバウトな行動計画ね。でも、それしかないか」
「じゃ、進路固定。アーガマ、発進」
こうして、アーガマはシャングリラから旅立っていった。
(テイク2に続く……)
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あとがき
ども、暗黒騎士ソードです。
よやっと、ZZ編に突入です。
今回も、どういったスピードで書けるかさっぱりわかりませんが、応援をよろしくお願いします。
ところで、ZガンダムやZZガンダムの再放送ってぜんぜんされないなあ。
初代ガンダムは、再放送がよくされたのに……。
では、また会う日まで。
PS
アーケードの機動戦士ガンダム連邦VSジオンでついに小生はやりました。
な、なんとニュータイプ評価『S』!
ああ、時が見えるよララァ……。
暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
ZZ編ですね。Zのタイトルは「起動戦士Zガンダム」ZZは「起動戦士ガンダムZZ」とZの位置が前と後ろなんですよね、知ってました?
「起動戦士Zガンダム?」の興行収入でホクホク顔のリツコさん、味を占めて?二作目の製作に入りましたね。どのくらいの興行収入を得たのでしょうね。
今回の主役はアスカちゃんですね、いきなりZガンダムに乗りガルスJを退けニュータイプの片鱗を見せましたね。
ケンスケは相変わらずのやられ役でしょうね。そしてなんとマヤさんがハマーン役とは可愛いんでしょうね(笑)
ひょんな事からZガンダムのパイロットとなったアスカちゃん、これからどんな旅がまっているんでしょうね。
アスカちゃんはニュータイプだ!と感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。
暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』」
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
投稿:劇場版 起動戦士ガンダムZZ? テイク1 シャングリラの少女