エヴァンゲリオン学園
第壱話
いつもの朝
いつもと変わらぬ朝、目覚めた少女は鏡にむかい笑みを浮かべる。
「よし!」
朝、惣流・アスカ・ラングレーの一日が始まった。
・・・
・・・
・・・
「おはようございます!!」
いつもの行動、学校に行く前に隣の玄関を元気良く開ける。
「おはようアスカちゃん、いつも悪いわねえ」
「いえ、いつものことですから」
台所から顔をのぞかせたのは、この家の主婦碇ユイである。アスカは廊下を通り目的の部屋に行く。
毎朝の日課であるこの部屋の住人、碇シンジを起こしに。
「ZZZ・・・」
「ZZZ」
「ZZZZ・・」
シンジは布団にくるまって幸せそうに寝ていた。アスカは寝顔を見ていたが、そうしている時間は無いので起こしにかかる。
ユサユサ、ユサユサ。
「シンちゃん起きて、学校にいこう」
「うーん、あと五分」
シンジは反対に寝返りをうつ。
「だめだよ、また夜更かししたんでしょ?」
「うーん」
「早くしないと学校に遅刻するよ」
「はいはい」
「起きて」
ユサユサ!
アスカはシンジの体を激しく揺さぶった。
「・・わかったよ」
「ホント?」
「ホントウ・・・・ZZZZ」
「寝ているじゃない、起きて!!」
アスカは力任せに布団を剥ぎ取った。
ガバッ!! ドスン!!
「キャ!!」
アスカは取った勢いで、転んだ。
「いたたた、シンちゃん?」
「痛いなあ、アスカ」
シンジは頭をさすりながらようやく起きた。
「よかっ・・・・キャーーー!!!!」
「イヤー、シンちゃんのH、信じられない!!」
アスカは目を押さた。シンジの朝を見たからだ。
「しょうがないだろ、朝なんだから」
「もう早く着替えてよね」
「わかったよ」
二人は隣同士で幼なじみ、幼稚園、小学校、が同じで現在も同じ中学の二年A組である。
アスカがシンジを起こすのはずっと続いている。
アスカは逃げるように台所に行きシンジを待った。
「おじさま、おはようございます」
「ああ」
この家の主、碇ゲンドウは新聞を読みながら朝食をとっていた。あまりしゃべらずその風格は初めて見る人を驚かせる。
「あなた!読んでいないで早く食べてください。遅刻しますよ」
「わっわかった」
さすがのゲンドウもユイには頭が上がらない。
「もう!どうして、うちの男はこう遅いのかしら。ねえアスカちゃん」
コーヒーをアスカに渡し、ため息をつく。
「ふふふ、でもおばさまはおじさまを選んだのでしょう」
「まあ、アスカちゃんたら!」
ユイは照れながらも嬉しがった。
「おはよう」
シンジが着替えて朝食をとりにきた。
「おはようシンジ」
「シンちゃん、遅いよ」
「悪い、悪い!おはよう、父さん」
「ああ」
ゲンドウは新聞を読みながら返事、いつもこうである。
「いただきます」
シンジはトーストに目玉焼きを急いでつめこむ。
「モグモグ」
「よく噛まなきゃ駄目だよ」
「うんモグモグ」
「はい牛乳」
「うんゴクゴク」
「ゴックン!」
「ふーごちそうさま」
シンジは洗面台に行き身だしなみを整える。
「シンちゃん、早く」
「わかったよ」
アスカにせかされ、玄関に行く。
「「いってきます!!」」
「いってらしゃい」
ユイは二人を見送り台所にもどる。
「もう、あなた!早くしてください」
「あっああ、問題無い」
いつもと変わらない碇家の朝。
シンジとアスカは通学路を走っていた。
「早く、早く」
「わかったよ」
アスカが、せかしているがシンジはゆっくり走っている。
「もう、シンちゃん、遅刻するよ」
「はいはい!でもなあ、そのシンちゃんはやめてくれよ」
「・・・うん。わかった」
アスカは少し寂しげになる。学校ではシンちゃんではなく、シンジ君なのだ。他の生徒から冷やかしを受けるのでシンジがアスカにそうするように行っているのだ。
「よし!行くぞアスカ!」
「あっ、まって」
シンジは全速力で走り出した、アスカがどんどん離されていく。
「まってよー」
シンジが十字路にさしかかったとき、人影が飛び出してきた。
ゴッツン!!!
「イテ!」
シンジはおもわずしりもちをついた。頭に星が走り、目に写ったのは。
「!!!!」 (パッパンツ・・・)
「いったーい!ごめんね。急いでいたから」
顔を上げると女の子だった。かわいいとシンジは思い顔を赤らめた。
「こ、こっちこそ・・・」
女の子は、素早く立ちあがり土をはらいながら走り去っていた。シンジは後姿を見えなくなるまで見ていた。
(制服が違っていたな、どこの学校だろう。それにしても可愛いな)
「シンちゃん!!」
「はっ」
アスカの声でようやく我に戻った。
「大丈夫?もう危ないんだから」
「あっああ」
シンジはそんな事より瞳には白いパンツが写っていた。
「行こうよ」
「ああ」
シンジは立ち、学校へ向かう。瞳にはまだ白いパンツが写っていた。
「知ってる?今日転校生がくるんだって」
「ふーん、男?女?」
「わかんないけど、どっちがいい」
「それは」
「それは?」
シンジの溜めにアスカは耳を傾ける。
「やっぱり女!」
「えーどうして?」
「男だったら当然!!」
自身たっぷりに言う。アスカは呆れてシンジを置いて走った。
「もうシンちゃんのバカ」
「おいアスカ!待ってよ、なんだよバカって」
アスカの気持ちを知らない、いや気づかない鈍感シンジはバカの意味がわからなかった。
連載始めてみました。
SS「DREAM WORLD」でレイが見ていた学園ものです。
アスカの性格を変えてあります。こんなアスカもアリと思います。
多少、加筆してあります。がほぼ同じです。
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第壱話 いつもの朝