エヴァンゲリオン学園

第弐話

ウワサの転校生

「おはよう」

「おはようさん」

「おはようシンジ」

 教室につくと、先にきていたトウジ、ケンスケに挨拶をする。シンジを含め3バカトリオと呼ばれている。

「おはようヒカリ」

「アスカおはよう」

 一方アスカは親友のヒカリに挨拶をしている。

 チャイムが始まるまでの間、仲間どうしで、世間話をする。

「ぬあにー、その女のパンツを見たんか?」

「うん」

「シンジ、うらやましいぞ」

「ほんまや、どうしてセンセばっかり、くうーうらやましいの」

 シンジ達は今朝のぶつかった女の子の事を話していた。トウジとケンスケは羨ましがっていた。

「シンジ、このこの」

「いててて、やめてよ」

「パンツを見たばつじゃ」

 首に腕をまわされ、頭をグリグリされる。

「鈴原!やめなさい、碇君困っているでしょ」

「そんなこと言ったてな、いいんちょシンジが、このこの」

「いたたた」

 トウジはさらに頭をグリグリする。

「やめてトウジ君、シンジ君がかわいそうよ」

 アスカはたまらず、横から口をはさむ。瞳には涙が潤んでいる。

「わかった、わかった。シンジよかったな、心配されて」

 ようやく、攻撃から開放される。

「ホント、シンジには惣流がお似合いだな」

「なんだよ、それ」

 ケンスケが皮肉る。

「そうだろ、心配されているからな。羨ましいよ」

「幼なじみなだけだよ」

(幼なじみなの・・・)

 シンジの言葉にアスカはうつむく。

「はいはい、わかったよ」

「ふう、助かった」

 シンジは机にうなだれ、授業を受ける気力をなくした。

 キーンコーン!カーンコーン!

 ホームルームの開始、しばらくして教師が入ってくる。号令の合図。

「おはよう、みんな」

 元気よく挨拶したのは二年A組担任教師、葛城ミサトである。多少年齢が高いが、その美貌と人の良さから生徒に人気があり信頼されていた。

 ミサトは教室を見回し、今日の報告をする。

「喜べ、男子!今日はウワサの転校生を紹介する。女の子よ」

 男子は歓声を上げた、シンジはうなだれていた。

「さあ、入ってらっしゃい」

 ガラ!

 ドアが開くと、同時に歓声が上がる。

 女の子はミサトの横に立ち挨拶をする。

「霧島マナです、今度この第三新東京に越してきました、みんなよろしくお願いします」

 マナは元気よく挨拶をして、ニッコリ笑う。それが歓声をさらに大きくする。

(ん?聞いたことがある声だな)

 うなだれていたシンジは転校生を見てみた、すると。

あー!アンタは今朝のパンツ覗き魔

 マナはシンジの顔を見たとたん指を差し大声で、叫んだ。そしてクラスの目がシンジに向けられた。

「なんだよそれ」

 シンジは立ちあがり、マナに言い返した。

「この転校生のパンツを?シンジー、うらやましいの」

「ホント、イヤーンなかんじ」 

 野次が飛ぶ。

 マナはシンジを睨んでいた、するとアスカが立ちあがりマナに言い返す。

「あなたがシンジ君にぶつかって、勝手に見せたんじゃないの!」

 アスカはマナに向かって反撃したが、それもつかの間。

 ニヤ!

「へえ、あなたかばっているの?やさしいのね。なに、二人できてるわけ?」

「そっそんなんじゃないもん・・・」

 アスカは赤くなり、指をモジモジして席についた。

「ふふ、できてるのね、お似合いよ」

 マナのさらなる攻撃。クラス中から『やっぱり二人は恋人説』があがっている。

「幼なじみなだけだよ」

 シンジも赤くなりみんなにいいわけしていた。

「ちょっと静かにしてよ!授業中よ」

 ヒカリが委員長らしく一喝する。

「あらいいわよ、私も興味あるわ、続けて」

 ミサトは教師らしくない発言、ヒカリはあきれた。

(この人は・・本当に教職免許をもっているのかしら)

 ホームルームの時間は結局シンジとアスカが『やっぱり二人は恋人説』とシンジがマナのパンツを見たことが、ずっと話題になった。

(・・私とシンちゃんは幼なじみなだけなのね・・・)

 アスカはシンジの発言が気になっていた。

(ぶつかっただけなのに、どうして騒ぎになるんだよ)

 シンジは苦悩していた。

(なんだか楽しそうなクラスね)

 マナは新しい学生生活を楽しみにしてた。

(ぷぷ、面白くなりそうね!)

 ミサトはこれからのハプニングを期待していた。


 転校生はレイではなくマナです。

 レイと思っていた人は残念でした。転校生役はレイが多いのでマナにしただけです。

 こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


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エヴァンゲリオン学園:第弐話 ウワサの転校生