お花見の続きです
エヴァンゲリオン学園外伝
ちょっと大胆アスカちゃん
「ふう〜〜〜〜これで来月は安泰だ」
外に出た二人、シンジは額に薄っすらと滲み出た汗を腕で拭い取った、小遣いはもう安心である。
「シンちゃん・・・」
「ん?なに」
「ごめんね、アタシのせいで・・・」
「良いよ小遣いは大丈夫だし、今気づいたよ桜が咲いているんだね。公園に行こうか」
気まずそうなアスカに微笑むと遠くに咲いている桜を指差し頷いた。
「シンちゃん・・・うんっ!」
微笑を作ると大きく頷いた。そして二人は近くの公園へ向かった。
「うわ〜〜〜〜綺麗」
「そうだね満開だ」
公園に着いた二人は周りを見回した、木々には桜が満開である。
「あそこに座ろう」
アスカの指差す先には綺麗に整備された芝生、かなりの広さで家族連れで来ていたり、軽スポーツをしている人々がいた。
「よいしょっと」
「用意良いね」
アスカはリュックから桃色のシートを取り出すと芝生に轢き靴を脱いで座った。
「へへ、ちゃんと用意した方が楽しいからね、シンちゃんも靴を脱いだら気持ち良いよ」
「そうだね」
二人並んで座り桜を眺める、時折吹く暖かい風に桜の香りが乗って心地よく絶好のお花見日和である。
「久しぶりに外に出たら気持ち良いなあ」
「久しぶりってシンちゃん、漫画家みたいな事言わないの、いつも出ているでしょ」
「そうだったかな?この前まで寒かったから記憶が無いなあ」
「もう、ふふふふ」
シンジの冗談に笑うアスカであった。
「お、あの髪はアスカ、となると隣はシンちゃんね」
アスカの金髪は遠くからでも目立つ、知っているものであれば誰でもアスカを思い浮かべるであろう。
「おうおう、楽しく話しちゃって青春しちゃってるわね」
ニヤニヤしながら足音を立てずに後ろから二人へ近づいていく、人物は・・・
「わっ!」
「うわっ」
「きゃっ」
突然の出来事で驚く二人、後ろを向いてみると・・・
「「ミサト先生!!」」
「やっほ〜〜〜仲良くデート良いわね〜〜〜」
グウタラ教師ミサトであった。早速からかい始めたのかニヤニヤして二人を見ている。
「ち、違いますよ。お花見ですお花見」
「・・・」
すぐさま否定をするシンジにアスカは少し残念であった。
「そう〜〜?アスカはデートだったようよ、ねえアスカちゃん」
「ち、違います!お、おにぎり食べます?作ってきたんです」
頬を真っ赤にして首を横に振り、頬の真っ赤を誤魔化す為かリュックから慌てておにぎりを出しミサトに渡した。
「ふ〜〜〜ん、じゃあそういう事にしておくわねん♪」
「もう」
ミサトのからかいに頬を膨らますアスカであった。
「お花見と言えばあれね、ちょっち待ってってねん」
ミサトはおにぎりをアスカに渡すと素早いダッシュでその場を後にした。
「ミサト先生、絶対にあれだね」
「うん、100%そう思うわ」
互いに確認しあう二人、ミサトにお花見とくればあれしかない。
「おっまたせん〜〜♪」
五分後ミサトが戻ってきた、両手にはコンビニの袋を抱えておりカチカチとアルミの音が鳴っていた。
「「やっぱり」」
ユニゾンしあう二人であった。
「な〜〜にコソコソ話してんのよ、花見と言えばビールでしょ沢山買ってきたわ」
「お花見とビールは関係ないんじゃないかしら?」
「ミサト先生はビール一年中だからね」
「こらこら、楽しい時はビールなの、ビールを飲まないと罰が当たるのよ。ほら二人には甘酒買ってきたわよ」
話しながらすでに一本を空けたミサト、常人ではできない技である。袋からエヴァ初号機、弐号機のイラストが描かれた甘酒を二人に渡した。
「ミサト先生、生徒にお酒を進めて良いんですか?」
真面目なアスカ、たとえ甘酒でも飲む気にはなれない。
「アスカちゃんマッヂメ〜〜〜、大丈夫よお子ちゃま用だから」
缶の説明書きのところに確かに「お子ちゃま用」と書いてある。
「でも・・・」
「アスカ、良いじゃないか。ミサト先生頂きます」
シンジは礼を言うとプルタブを開け、ミサトがビールを飲むように一気に飲み干した。
「おっシンちゃん良い飲みっぷりね」
「ぷは〜〜〜美味しい〜〜〜」
シンジの飲みっぷりに感心するミサト、シンジは口を腕で拭うと満足げに空になった缶を見てニッコリ微笑んだ。
「さあ、シンちゃんが飲んだんだから次はアスカの番よ」
「でも・・・」
「アスカ大丈夫だよ、甘くて美味しいよ」
「うん・・・」
シンジには素直に頷くアスカであった。プルタブを開けると缶を両手に持ち味見をするように小さく一口飲んだ。
「どう、美味しい?」
「うん、甘くて美味しい」
ミサトの問いかけにニッコリ微笑んで頷きもう一口飲んだ。
「そりゃそうよ、なんてったって私が吟味をして選んできたんですからね」
「吟味って飲んだんですか?」
「当然!生徒が飲むものは教師が味見しないとね」
「・・・」
胸を張って威張るミサトに呆れるシンジであった。
「んじゃアスカ特製のおにぎりを食べましょうか」
一つ一つ綺麗にアルミホイルに包まれたおにぎり、きちんと三角に握ってある。ミサトには絶対できないであろう。
「もぐもぐ、ん〜〜〜〜美味しいわね、流石アスカの愛情のこもったおにぎりだわ、ねえシンちゃん」
「ええ、美味しいですね塩加減がばっちりです」
「そ、そうね・・・」
反応が無いシンジにがっかりするミサト、だが挫けない次なるターゲットに標準をかえる。
「アスカ〜〜〜このおにぎり美味しいわよ、シンちゃんの為に愛情をこめて握ったんでしょ」
「はい?・・・ひっく」
「ア、アスカ・・・」
ターゲットをアスカにかえたミサトであったが、アスカの様子がおかしい顔が真っ赤である。
「はひなんれすか?」
「酔っているわね」
「甘酒で酔うのかな?」
ろれつが回らない明らかに酔っている、シンジは飲み干した甘酒の缶を見回し首を傾げた。
「酔ってなんかないれす!ミサト先生こそ酔ったらいけまれんよ」
体をふらふらさせ笑うアスカ、ミサトを見ているのかその先の木を見ているのか焦点があっていない。
「アスカ、酔っているよ大丈夫?これ何本に見える?」
シンジはアスカがふらつかないように肩を持ち、目の前に数本の指を突き出した。
「もう〜〜シンちゃんまで酔っているって馬鹿にして〜〜〜酔ってないれ〜〜〜す、ちゃあんとわかりますよ〜〜〜指の数はズバリ!六本なのれす〜〜」
「やっぱり酔っている」
シンジが出した指の数は二本、Vサインをしていたのである。それが六本に見えるのは完全に酔っている。
「酔ってないの〜〜〜、もうシンちゃんだ〜〜〜〜い好き〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
がばっ!
「うわっアスカ」
「おおっ!」
アスカはシンジの首に両腕を回すと抱きついた。突然の出来事に驚くシンジと、ハプニングに楽しむミサトである。
「ア、アスカ離れろよ」
「ダ〜〜〜〜メ、酔ったって言った罰〜〜〜〜離さないもんね〜〜〜〜」
「こらこらアスカ、そんな事しちゃダメよん、まだ中学生でしょう」
注意をするミサト、だが顔はにやけている本当に教師であろうか?
「アスカ、離れ、うわっ」
「おおっ!」
何とか腕を離そうとするがガッシリ回しており離れない、もがいている内にバランスを崩しシンジがアスカを押し倒すような格好になった。無論ミサトは喜んで見ている。
「二人ともそういうことはお家でやってねん、先生目のやり場に困っちゃうわ〜〜〜」
「なら助けてくださいよ。アスカ、アスカ・・・ん?」
離れないアスカ、アスカの顔がシンジの耳元に近づいた時、何かに気が付いた。
「す〜〜〜す〜〜〜〜」
「寝ている・・・」
聞こえるのは寝息、シンジは眠ってゆるんだ腕をユックリ外すとアスカを隣に寝かせた。
「アスカってお酒弱かったの?」
「さあ、飲んだところ見たとこないですから」
「ふ〜〜〜ん、でもさあ」
ニヤリ
不気味に口元が歪むミサト、ニヤリが出たらからかいの始まりである。
「アスカ、シンちゃんの事が大好きなんだって、モテモテね〜〜〜」
「ええ、僕も好きですよ」
「・・・そう、そりゃあ好きよね」
さらりと答えるシンジにガッカリ、もっと別のリアクションを期待したのだろ。シンジの好きの意味は友人、幼馴染としての好きであると理解してからかうのをやめた。
(アスカ大変ね、超鈍感で)
寝息を立てて寝ているアスカの頭を撫でると同情するミサトであった。
「う、う〜〜〜〜〜ん・・・」
それから数分後アスカに変化があった、目覚めるようである。
「アスカ覚めるみたいよ」
「そうですね」
日常的な話をしていた二人は気がついた。
「ねえ、アスカの一言目はなにと思う?」
「そうですね、多分・・・」
「ええそうね」
ミサトはシンジに耳打ちするとアスカの一声を期待した。
「う・・・う〜〜〜〜〜ん」
((ずばりっ!!))
心でユニゾン、アスカは顔を真っ青にして・・・
「・・・気持ち悪い」
アスカには楽しい?お花見であった。
お花見の続きです。公園に着いた二人、桜の綺麗さに感激していたら、いやな人物が来ちゃいましたね(笑)
ぐうたら教師ナンバーワンのミサトさん、でも人気があるから良し!こういう先生良いですよね(^^)
お花見と言えばビールのミサトさん、シンジ君達には甘酒を振舞いましたがアスカちゃん酔ってしまいましたね、そして大胆発言!酔った勢いで本音が出てしまいましたね(笑)
でもそれに気が付かないシンジ君、ミサトさんもアスカちゃんに同情しましたね。そしてアスカちゃんの名台詞(爆)
こんな小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園外伝 ちょっと大胆アスカちゃん