リツコおかあさんシリーズ

ほわいとでえ

「ついにこの日がきたわね!」

 アスカは自室でカレンダーを見て気合を入れた。今日三月十四日に大きく赤丸が書かれていた。

「チョコをあげたんだから貰うものはきっちり貰うわよシンジ!」

 三倍返しが当たり前のアスカは期待をしていた。














「アスカこれホワイトデーだよ」



「えっ?アタシに」



「うん、開けてみて」



「小さいけど何かしら?」



「アスカが欲しいものだよ」



「アタシが?あっ指輪・・・」



「うん、アスカ、僕と・・・」



「シンジと何?」



「僕とけっ・・・け・・・」



「なに?」











「ありえるわ!お返しは絶対に指輪よ!」

 すでに決め付けているアスカ、顔がにやけている。




「アスカ〜〜〜ちょっと来て〜〜」

「なんで〜〜?」

 扉の向こうからシンジの声が聞こえる、アスカは呼ばれた予想はしているがとぼけてみた。

「渡したいものがあるんだよ」

「わかったわ〜〜」

 平静を装う為に鏡で表情をチェックしリビングへ向かった。




「アスカお姉ちゃん、こんにちは〜〜」

「なんだ来てたの」

 リビングにはレイが座ってオレンジジュースを飲んでいた。

「うん、今日はほわいとでえでしょ」

(そうだったわね、レイもシンジにあげたんだっけ)

 アスカは心の中で舌打ちした、お返しをする相手がもう一人いた事を忘れていたのである。

(まあ良いわ、アタシとレイとじゃあ天と地ほどの差だけどね。それに何〜ほわいとでえ?ホワイトデーでしょう)

 そして上手く発音できていないレイに勝利を確信した。

「二人ともバレンタインはありがとう、これはお返しだよ」

「わ〜〜いシンジお兄ちゃんありがとう」

「ん、ありがと」

 二人に手渡されるバレンタインのお返し、レイは大喜び、アスカも大喜びしたいのだが冷静を装った。

(アタシの箱・・・レイの箱より大きいわ。指輪じゃないの?)

 予想していたのと違った、アスカの箱はレイの箱の二倍の大きさであった。

「アスカお姉ちゃんの方が大きい〜」

「ごめんねレイちゃん、体の大きさに合わせたんだよ」

(体の大きさですって?何かしら?まさか・・・)







「ねえどうしてアタシの箱は大きいの」



「決まっているじゃないか、愛の大きさだよ」



「愛だなんて恥ずかしいわ」



「恥ずかしくなんかないよ、開けてみて」



「うん・・・あっ綺麗」



「君に似合う宝石だよ」



「高かったでしょう?」



「アスカに似合うんだ、金額は関係ないよ」



「シンジ・・・」












(中身は宝石ね〜〜〜)

 中身を見てないのに決め付けるアスカであった。

「二人とも開けてみて」

「うんっ・・・あ!」

「あっ・・・うん、あっ!」

 妄想に走っていたので返事が遅れたが開けるのは同時であった。

「マシュマロだあ」

「アタシのも?」

 二人の箱の中身はマシュマロであった。箱が大きい分アスカのマシュマロが多い。

(宝石じゃないの?マシュマロ〜?)

「ちょうどお腹がふくれるくらいの量にしたんだよ、アスカはそれだけで足りるかな?」

(宝石〜〜〜)

「私はこれだけ食べればお腹いっぱいになるよ、シンジお兄ちゃんありがとう」

(指輪〜〜宝石〜〜〜)

 喜ぶレイに対し勝手に期待していたアスカは肩を落とすのであった。

(これくらいじゃ足りないわよ〜〜〜〜!)


 「ちよこ」の続編です、ホワイトデーを期待していたアスカちゃん(期待しすぎ)は勝手に貰えるものを予想しましたが相手はシンジ君(^^;)

 ごく普通のごくありふれたマシュマロでした(笑)レイちゃんは大喜びですがアスカちゃんはちょっとがっかりでした(でも嬉しい)

「jun16 Factory」はリツコおかあさん推奨HPです(爆)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


 ちよこ

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