え?

「レイ!」

 ネルフ、レイはテストを終えて帰宅のために長い廊下を歩いていた。すると後ろから呼びとめられる声が聞こえた。

「はい・・・」

 後ろを振り向くとリツコが立っている、レイは何の用だろうと思った。

「レイ、六月六日は何の日か知っている?」

「え?」

 リツコの脈略のない質問にレイは驚いたが、すぐに考え始めた。

(六月六日?)

(バーゲン?)

(猫の日、違うわ。赤木博士は毎日が猫の日ね)

(燃えないゴミの日?燃えるゴミの日?)

(・・・・・・・・・・・・・?)

 

 

 

 

 

 

 

 レイは一生懸命考えたがわからない。考えすぎて瞳が回り、頭から湯気がでてきた。

 クルクル!ジュー!

 今までのレイがこんな事をしなかったで、リツコは面白かった。

「ふふレイ、本当に知らないの?」

「はい・・・・」

「本当に?」

「はい・・・・・・・」

 レイは知らないことを恥ずかしく思い俯いて顔は真っ赤である。

「教えてあげるわ、六月六日はねシンジ君の誕生日なのよ」

「え!」

 レイはシンジの名にまだ真っ赤な顔を上げる。

(誕生日・・・この世に生まれた日・・・・・)

「そうなのシンジ君の誕生日よ、レイはどうするの」

「?何をするんですか」

 リツコはレイの言葉に頭をかかえた。

「・・・・レイ、シンジ君のこと、どう想っているの」

「それは・・・・」

 レイは手をモジモジさせて困った、言葉が出てこない。リツコはレイの変化に感心して率直に聞いた。

「シンジ君が好きなんでしょ」

 ポッ!

 顔がみるみる赤く染まる。

「・・・・・・・」 コクコク

 言葉が出なく頷くだけである。リツコは面白くなり、さらに聞く。

「告白したの?」

 ジュー!

 頭から湯気がでてきた。レイはふらふらである。

「・・・・・・・・」 フルフル

 首をおもいっきり横に振る。リツコはその光景を微笑ましく思った。

(ふふ、青春ね)

「プレゼントはどうする?」

「・・・・・プレゼント?」

「そうよプレゼントをあげて告白、シンジ君は完璧に落ちるわね」

 リツコもお節介なおばはんと化しつつあった。

!!!!!!!!

 ポッ!ジュー!クラクラ!バタン!

レイ?

 レイはリツコの言葉にその場に気絶した。その顔は幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (?・・・・・私はどうしたの)

 レイは目を開けた。真白い天井が目に入る、どうやらベットに寝ているようだ。横を見るとリツコが雑誌を読みながらコーヒーを飲んでいた。

「・・・・・・赤木博士」

 レイの言葉に気づいてリツコは雑誌を置き、近づいた。

「やっと目覚めたわね、ビックリしたわよ急に気絶したから」

「・・・・・気絶・・・・・・・・ここは?」

 回りはあまり広くはなくベットと机があった。

「ここは私の仮眠室よ、心配しないで」

「はい・・・・」

 レイはベットから起き上がり、靴をはいた。リツコは心配そうだ。

「もう大丈夫なの?」

「はい」

 いささかふらついているが、足取りはしっかりしている。

「そう、ミルクをいれるから座っていなさい」

「はい」

 リツコはレイにミルク、自分にコーヒーをいれイスに座った。

 ゴクゴク

 レイはコップを両手に持ち、3口ほど飲む。

「美味しい」

「ふふ、特製よ」

 リツコは味に誉められ嬉しく自分もコーヒーを口に運ぶ。

「レイ、シンジ君の誕生日はどうするの?」

「え・・・その・・・・あの・・・・」

 レイはあたふたして困った。リツコは楽しんでいる、またおばはんモードにスイッチオン。

「・・・・・・プレ・・・・プレゼント・・・・をあげたい・・・・」

「ふふ、そうよね喜ぶわ」

 カァ!

 レイは真っ赤な顔を両手で覆う。

(恥ずかしい・・・・恥ずかしい・・・でも喜ぶ顔が見たい)

(でも、何をあげたらいいのかしら・・・)

(碇クンが喜ぶもの・・・・)

(私のプレゼントを喜んだ、碇クン・・・・・・・・・・・・・・・・・)

(碇クンが私にありがとう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

(2人は手をとりあい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

(そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

(キャ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 顔を覆ったまま、レイの妄想はどんどん巨大になっていく。リツコは呆れている。

「レイ・・・・・」

(キャ!碇クン)

 ポッ!プシュー!

 レイはイスに座ったまま、前かがみになって気絶した。リツコはビックリして肩を揺さぶったが起きる気配は無かった。

レイ?レイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は向かい合って食事をしていた、テーブルには豪華な食事

シンジとレイ

2人ともワインのせいか、ほんのりと頬が赤くなっている

「シンジ誕生日おめでとう」

「ありがとうレイ」

「やっぱりレイの手料理は美味しいよ」

シンジの言葉に頬が赤くなる

「ふふ、今日は腕によりをかけて作ったのよ」

シンジは美味しく味わいながら残らずたいらげた

「ふーごちそうさま」

「はい」

シンジはお腹をさすり満足である

レイは両腕を後ろに隠しモジモジしていた

「レイどうしたの?」

「その・・これ・・・はい!」

レイはシンジの目の前にリボンをつけたプレゼントをさしだす

「僕にかい?」

とぼけた返事、それがシンジの魅力

「うん」

「ありがとう」

シンジはプレゼントを受け取り、開けてみる

「レイ、嬉しいよ!ありがとう」

「喜んでもらえてよかったわ」

互いに顔を見合わせ喜んだ

 

 

 

 

 

 

楽しい食事も終わりレイは片付け始める

「レイ・・・」

レイが食器を洗っているとシンジは後ろから抱きついた

「ん、シンジだめよ」

「そんなこと言わないで」

シンジの締めつけは一層強くなる

「ダメ」

シンジはお構いなしにレイを振り向かせその場に倒れこむ

レイー!

シンジー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイ?レイ?」

 ペチペチ

「レイ」

 ペチペチ

 リツコは気絶しているレイの頬を叩いていたが一向に目を覚まさない。

「・・・・・・・」

 ペチペチ

「・・・・ん・・・・ううん・・・・」

「ようやく気がついたわね」

 レイは少しずつ瞳を開けた、リツコはようやく一安心した。

 ガバッ!

シンジー!

「え?」

 レイはいきなりリツコに抱きついた。

シンジー!シンジー!!

 レイはシンジの名を叫びながらリツコに抱きついている。レイ暴走・・・・・・

「ちょっとレイ!やっやめなさい、ちょっと!」

 抱きつきは止まらないしだいに強くなる、リツコの声は聞こえてなかった。

シンジー!シンジー!!

「もうしょうがないわね」

 プス!

 リツコは白衣のポケットから注射器を出し、レイの腕に注射した。するとレイは動きが止まり、リツコは腕を外していった。

「ふう、レイどうしたの?」

「え・・・・その・・・・・」

「シンジ!って叫んでいたわよ」

 ポッ!

 レイは真っ赤になった。顔を覆いたかったが、体が動かなかったのでできずに一層に赤くなった。

(また・・・・夢を・・・・・・・・キャ)

「レイはよほどシンジ君が好きなのね」

 ジュー!

「ふふ、プレゼントは何を贈るの?」

「それは・・・・」

「それは?」

 リツコは興味津々だ。

 

 

 

「体を・・・・・・」

体!

 リツコはビックリしてレイを凝視したが、レイは赤くなっていない。

「体を動かしてもらってからです」

 コケッ!

「・・・」

 リツコはおもいっきりこけた。レイは両腕を前に出したまま固まっていたのだ。

「そっそうだったわね」 (はあービックリしたわ)

 リツコは注射器をだしてレイの腕に注射した、すると自由に動けるようになった。

「レイ、それじゃあ何を贈るの?」

「それは・・・・」

「それは」

 

 

 

 

「わかりません」

 ズルッ!

「・・・」

 リツコは呆れながらも納得した。レイは普通の少女ではないのだから。

「しょうがないわね、ここは一つ私が教えてあげるわ」

 リツコは年の経験からレイに伝授するつもりだ?レイは瞳を輝かせた。

「赤木博士、ありがとうございます」

「お礼はいいわよ、私の教えを受けたらシンジ君はレイの虜になるわよ」

 コーヒーを口に含み、レイを見るとまたその場に立ち尽くす。

(虜・・・碇クンが・・・・・私の・・・)

(・・・また、性格を変えようかしら)

 本気で考えるリツコ、マグカップを机に置き立ちあがる。

レイ、明日から特訓よ!

「はい」

 リツコはレイの為に「シンジ君をレイの虜にさせる」作戦(お節介おばはんモード)を発動させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「碇クンまっていてね」 ポッ!


 こちらはレイバージョンの誕生日です。一応LRSですね。

 どうもレイのSSになると気絶妄想が出てきます。飽きちゃってる方はごめんなさい、jun16の力不足です。 

 リツコはもはやミサトと化してしまいました。レイにミサトでも良かったのだけど、出番が少ないリツコにしました。

 一応アスカ編、レイ編を六月六日に皆さんに読めるように今執筆中です。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Y.Y 

NEON GENESIS: EVANGELION え?