HEAVEN'S DRIVE 2
私はあの日の出来事を忘れない。
悪夢の一日・・・・・
「ふああー」
ゴールデンウィーク、私はいつもより遅い起床。台所にいく、あれ?シンジがいない。休みだから大体この時間に朝食を作っているんだけれども。
「まったく、シンジはまだ寝てるのかしら」
「?」
テーブルの上にメモが置いてある。なんだろう?
[でかけてきます。夕食の支度までに戻ります。朝食は冷蔵庫にあります シンジ]
まったくシンジったら、朝から出かけるなんて遊びかしら? 連休だから遊園地ぐらい誘ってほしかったな。
私は、朝のシャワーを浴び、シンジが用意していた。朝食をとる。
「モグモグ、おいしいわ」
シンジの料理にいつもながらに、関心するわ。
「ごちそうさま」
また今日も一人、どうしようかしら?ウインドショッピングをしようか、どこかに遊びに行こうか考えたが一人じゃ楽しくない。ヒカリを誘おうにも、旅行にいっているから無理。
「もうシンジはどこに行ったのよ!」
バカシンジ・・・私を放っていて。
結局、今日も一日家にいることにした。つまらない・・・テレビでもみるか。
「・・・」
「・・・」
祭日にテレビは面白くないと相場が決まっている。ボケーと見ていたら、昼になった。
「あーあ、おはようアスカ、シンジ君は?」
「おはようって、もうお昼よ。シンジは出かけていないわ」
ミサトは相変わらずだらしない格好。いかず後家状態。
「あらそう、さあてゴハン、ゴハン」
私とミサトは一緒に食べた。私は昼食、ミサトは朝食+昼食、ビール。これで太らないのだから、すこし羨ましい。
「アスカ!お昼から暇?」
「別に何も予定はないけど」
「そうよかった!」
「?」
ミサトは嬉しそうにビールを飲み干した。
「ドライブに行きましょう」
「!!!!!!!」
突然の誘い。もちろんイヤに決まっている。
「イヤよ!絶対イヤ!」
「あら、どうして?昨日シンちゃんは喜んでいたわよ」
当然の嘘。シンジの言葉をしっている、・・・地獄・・・
「そんなの嘘に決まってるでしょ、どうしてミサトの運転に喜ぶのよ!」
「そうかしら?いきましょうよ、安全運転するから」
「ぜっったい、イヤ!!!!」
私はまだ死にたくない、何処へでもいいから、出かけようと思い、台所を出ようとした。
「あらそう。じゃあ、あの事シンちゃんにばらそうかな?」
「!?」
私は振り向いた、ミサトはテーブルに肘を付き口の前に手を組んでいた。碇指令のように。
「なっなによ!ばらすって?」
私は動揺した、憶えがない。ミサトは薄笑いを浮かべていた。
「ふふふ、あの恥ずかしい事」
「はっ!何いってんのよ、そんなこと有るわけないじゃない!」
焦った。憶えがなくてもミサトは知っているらしい。それをシンジにばらすなんて。これじゃあシンジが私をどういうふうに思うか、怖い。
「さあ、どうするの?いく、いかない」
ミサトの脅迫。諦めた、このくらいで済むのなら、ばらされなくてすむ。
「わっわかったわよ」
「んー!よし、じゃあ支度してね」
渋々、部屋に戻り着替える。外出だけどオシャレする気になれない。
「アスカ!準備できた?」
駐車場にいき車に乗り込む。こんな目に会うなんて夢にも思わなかったわ。
「じゃあ、いきましょうか」
ミサトは張りきっていた、どうしてドライブで気合がはいるのよ?
グオオオオオーーーン!!!!
グオオオオオオオーーーン!!!!
エンジンの音が凄い。耳に響く。ミサトは急発進で駐車場を飛び出した。
「ミッミサト!安全運転してよね」
「わかった!わかった!」
「・・・・」
わかっていない。家にいなければよかったわ。
「で・・・どこに行くの?」
「海岸よ」
「へえーいいじゃない」
ミサトもたまには良い所をえらぶわね。
「レストランでもあるの?」
「違うわよ。海岸沿いをドライブするのよ」
「休憩とるんでしょ?」
「いいえ、海岸沿いはいいコースだからいくのよ」
「ドッドライブなんでしょ?」
「そうよ海岸線をドライブ!コースが変化にとんでいるから楽しいわよ」
「・・・」
ミサトの目が違う・・・座っている目。私は無事である事を祈った。
「アスカ!いくわよ」
「ひっ!」
グオオオオオーーーーーンンン!!!
グオオオォオオーーーン!
車がスピードを上げた。私は驚きのあまり目を見張った。
緩やかなカーブにさしかかる。
キュキュ!
タイヤが音をだしながらスピードを緩めずクリアしていく。
「タイヤはバッチリネ、昨日ならしといてよかったわ」
「・・・」
昨日ってシンジとドライブにいってきたんでしょ。それをならしなんて・・・
緩やかな段差。
ドントン!
「なかなかいいわね、サスを柔らかくして正解ね」
「・・・」
だからドライブでしょ。どうしていじる必要があるのよ!
S字カーブ。
キーキー!!
「ドリフトッ!決まったわ」
「・・・」
もう飽きわめたほうがいいわね・・・このスピード狂が!
それから地獄のドライブが延々四時間続いたわ。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
ようやくドライブ?を終えて戻ったけど私はフラフラで歩くのも一苦労。
「楽しかったわねドライブ」
「・・・全然」
ミサトは自覚がなかった。なんとか玄関までたどりついたわ。
「・・・ただいま」
あれ?シンジはまだ帰ってきていないわね。私は部屋に戻りベットに倒れこんだわ。
「まったく、今日は散々だったわ」
トントン
「なに?」
「アスカ、今日のドライブ楽しかったわね!明日も行きましょう」
「!!!!!!!」
ふっふざけないでよ!これじゃあ体が持たないわ。どうしようかしら。私は考えた。
暫くしてシンジが帰ってきた。
「バカシンジ!どこ行っていたのよ?私はひどい目にあっていたのよ!」
「え?ひどい目って、何」
「ミサトのドライブに付き合わされたのよ、ほんとっに、アンタが朝からでかけるから」
「そう、たっ大変だったね」
シンジは苦笑いながら、部屋に戻る。ちょっと待ちなさいよ。
「!」
そうだ、明日は朝から出かければいいんだ。よし今日は早く寝ましょう。
私は夕食を済ませて、見たいテレビも我慢し早く寝た。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
翌日、私は朝早くに目覚め部屋を出ようとした、するとシンジが玄関から出て行こうとしている。
「シンジ!何やってんのよ」
「アッアスカ!」
問い詰めたら、シンジも乗りたくないらしく昨日もそれで早く家を出ていた事を白状したわ。
バカシンジ!私をおいて逃げるなんて!今日一日、私に付き合ってもらうわよ。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
私はあの日を忘れない。
END
シンジの次の日に犠牲になったアスカ、それにしてもミサトさんは……
でもそのおかげ?で二人は楽しいデートができそうです。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION HEAVEN'S DRIVE 2