」の続きです。

みんなで

「ぴちぴち♪ちゃぷちゃぷ♪ランランラン!嬉しい!嬉しい!嬉しい〜〜〜」

 マナは雨の中浮かれていた。一緒に歩いているレイは隣で不思議そうに見ていた。

「何が嬉しいの?」

「綾波さんは嬉しくないの?」

「?」

「これからシンジの手料理を食べるのよ。これが騒がずにいられないわ」

「そう」

 ウキウキ顔のマナ、レイは聞き流していた。

「綾波さんもシンジの手料理楽しみなんでしょ?」

 コクリ

「そうよね〜楽しくないはず無いわ!さあ一緒に!」

 ガシ!

「?」

 マナはレイの手を握るとスキップを始めた。

「シンジの手料理嬉しいなったら、嬉しいな〜」

 突然の事にレイは転びそうになるが、なんとか付いていく。

「ほら、唄いましょう」

「・・・恥ずかしいからイヤ」

 雨の中、通行人はいないのだが、少し常識のあるレイは恥ずかしく顔が赤かった。しかしマナは許してくれない。

「ダメ!そんな事じゃシンジの手料理を美味しく食べられないわよ」

「!」

 レイはその言葉が頭中を廻り続けた。

(美味しく食べられない?美味しく食べられない?碇クンのご飯美味しいのに・・・美味しく食べられない?イヤ。美味しく食べたい)

 ギュ!

 マナの手を強く握ると、一緒になってスキップを始めた。

「「ぴちぴち♪ちゃぷちゃぷ♪ランランラン!嬉しい!嬉しい!嬉しい〜〜〜」」

 マナの元気が良い声とレイの恥ずかしがりながらの小さな声は妙にハモッタ。

 ビチャビチャ

 雨の中のスキップ、当然足は濡れた。

 

 

 

 そしてマンションに到着。

 ピンポーン

 ガチャ

 ドアが開くと同時にシンジの姿が見えた。

 ガバッ!

「うわっ!」

「シンジ!こんにちは〜」

 マナは不意打ちしてシンジに抱きつく。

「マッマナ!」

「途中で綾波さんと会ったから来ちゃった」

「そ、そう。それより離れてよ・・・」

 離れる様子が無い。マナの後ろで赤い瞳が光っていた。

(碇クンに、碇クンに・・・・敵、アナタは敵ね)

 レイの瞳が輝きを増していく。

(攻撃目標確認・・・距離・・・)

「シンジ!」

「離れてよ〜」

(・・・殲滅)

 レイが行動しようとしたその時。

 ボカッ!

マナ!アンタ何してんのよ!

 リビングからやって来たアスカがマナを殲滅、レイは行動を中止した。

「わっマナ!大丈夫?」

「うきゅ〜〜」

 シンジの腕の中でマナは目を回していた。

「おじゃまします。行きましょ碇クン」

「なっ綾波?」

 レイは靴を脱ぐとシンジの襟を掴んでリビングに引きずっていった。そして玄関には気絶したマナが残された。

「ファ〜スト、アンタって意外と力があるのね」

「これ」

 レイはシンジを離すとテーブルに買い物袋を置いた。

「あ、ありがとう」

 シンジは礼を言いながら玄関をチラチラと盗み見る。

「ダメ碇クン。あの人は敵」

「敵?」

 コクン

「そう碇クンを取ろうとする悪い人」

「間違っちゃいないわね」

「は、はは・・・」

 アスカは賛同した。シンジは半笑い。

「もう、痛いじゃないの」

 もう復活したマナは殴られた頭を押さえて登場。

「あったりまえよ、どうしてくるのよ!アンタなんて呼んでないわよ」

「えっアスカ、電話してなかったの?」

「あっ!」

 アスカは自分の言った事にシマッタと顔をしながら手で口をおさえた。

「シンジ、どういう事?」

「マナにはアスカが電話をするからって言っていたのに、かかってこなかったの?」

「うん」

 二人のやりとりにまずいと思いコソコソと足音を立てずに、逃げ出そうとするアスカだが。

「「アスカ!」」

 ビクッ!

 背筋を伸ばし固まった。

「アスカ、マナに電話してなかったの?」

「そ、そういえばそうだったわね。忘れていたわ」

 半笑いしながら、戻り座った。三人はジト目でアスカを見ていた。

「アスカ、私をのけ者にするきだったのね」

「ち、違うわよ。本当に忘れていたのよ。ファーストにあって良かったね」

「本当かしら」

「は、ははは・・・」

 マナのジト目は容赦無くアスカを見つめており、アスカは額から汗が流れていた。

「じゃあ、僕はこれから作るから皆はゆっくりしていてよ」

「私手伝う!」

 マナが手を上げた。

「私も」

 レイも手を上げた。

「待ちなさいよ!アンタ達は座っていなさい。私が手伝うのよ!」

 黙っていないアスカはテーブルに片足の乗せ天高く指を突き上げた。

「どうしてよ!」

「アスカずるい」

 すぐに二人の反撃が始まる。

「私は練習しているのよ。そして台所は私のモノよ。当然作る権利があるわ」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

 三人は思った、明らかにウソだということを。

「駄目よ駄目!そんなの理由にならないわ、私が手伝うのよ。ねシンジ」

「私、碇クン」

「私よ当然!」

 三人にずずっと寄られ困り果てるシンジ。

「で、できれば、僕一人で作りたい・・・・」

 今日作るのは少し難しいので教えながらより、自分で手際良くしたほうがいいと思っていた。

「何言っているのよ。バカシンジ!私がいるでしょ」

「シンジ、私は役に立つわよ」

「碇クン」

 壁際に詰め寄られたシンジ。性格からして一人に選べない、もし選んだとしても後の二人から報復が待っているかもしれない。全員選んだとしても料理する台所が狭すぎる。誰も選ばなかったとしても命が危ない。

(ど、どうしよう・・・に、逃げよう・・・)

 決意を固め動こうとした時三人の後ろから声がした。

「私が手伝うわ」

「「「「え?」」」」

 声がした方を向くとそこにはミサトが立っていた。

「シンジ君が選び辛そうだから、私が手伝うわ」

「「「「絶対駄目!」」」」

 四人揃って同然の答え。結局はシンジ一人で作る事となった。

 

 

 リビングに残された四人はそれぞれ仕事をおこなっていた。ミサトはビール、アスカとマナはTVゲーム、レイはペンペンを抱えてTVゲームを見ていた。

「ぷは〜生きかえるわ」

「で〜い!アスカストライク」

「甘い!マナバースト」

「気持ちいい?」

「クエ!」

 台所ではシンジがリビングの声を聞きながら、手際良く料理をおこなっていた。

「うん、新鮮な食材だ、腕がなるな」

 料理人の目になり材料を次々に変化させていく。

 そして皆のお腹が空いた頃には料理はできテーブルに並んだ。

「おまたせ、さあどうぞ」

 皆はシンジの手料理に舌鼓を打った。


 レイ、マナを敵とみなしましたね(^^)ここに登場したミサト以外、三人は全員敵同士ですね。

 でもレイとマナ二人を一緒に登場させて行動を共にする、描いていて楽しいです。

 食事のシーンはでてきませんが、考えていたのは〜打ったまでて一応レイ、マナ編?はおしまいです。

 またちょくちょく描きたいと思います。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION みんなで