Xmas

〜ASUKA〜

「今日はクリスマス〜」

 アスカは自室でカレンダーを見、机に置いてある綺麗にラッピングされたプレゼントを手に取った。

「奮発しちゃったけどいいわ♪〜」

 誰に渡すプレゼントであろうか?

「まあいいかっアイツはもっと奮発しているんだから」

 プレゼントを机に置くと壁の方を見つめた。その先の部屋は・・・・・

 

 

「ふう〜高い買い物になっちゃたな」

 シンジも綺麗にラッピングされたプレゼントを手に取っていた。

「これで今月の小遣いはパ〜か」

 12月は後残りわずかだが、それでも小遣いが無くなるのは悲しい・・・・普通なら悲しいのだがシンジの顔はむしろにこやかであった。

「アスカが喜ぶならいいかな」

 プレゼントを机に置くと壁の方を見つめた。

 

 

 夕方になる頃、街はイルミネーションが点灯し賑わってきてくる。楽しい事が好きなアスカはその様子をTVで見ている。

(はあ〜綺麗・・・行きたいな)

 ため息をつくが本心ではない。意識は台所に集中していた。

(頑張っているわね。シンジ)

 台所では一生懸命にシンジがクリスマス料理を作っていた。無論アスカは手伝わない。

(今日はミサトはいないし、二人だけか・・・あっペンペンがいたわね)

 もう一匹の同居人を横目で見ながら、またため息をついた。今度は本心のようである。

(二人だけで迎えられるクリスマスはいつになるのかな)

 

 

 外が暗くなっていくに比例し台所から香る良い匂い。アスカとペンペンはクンクンと鼻を鳴らした。

「良い匂い〜涎が出そうだわ」

「クエクエ」

 花も恥らうお年頃だが食欲には勝てない。無意識のうちに足が台所へ向かう。

「シンジ〜まだなの?」

「まだだよ。もうちょっと待ってて」

「えっ〜?まだ〜!お腹空いた〜〜」

「クエクエ〜〜〜」

 駄々をこねるアスカとペンペン、シンジは母親の様に呆れると騒ぎを静めるために小さなチキンを渡した。

「はい、今はこれで我慢するんだよ」

 熱々のチキン、一人と一匹は顔が明るくなると喜んで受け取った。

「良かったわねペンペン」

「クエクエ〜」

 一人と一匹は満面の笑みを浮かべリビングへ戻っていった。シンジは一人と一匹の背中を見るとまた料理に戻った。

 

 

 そして十分後・・・・・

「シンジ〜〜〜〜お腹空いた〜〜」

「クエクエ〜〜〜」

 またやって来た。空腹の時、少し物を入れるとまた欲しくなる。

「はあ〜〜〜」

 シンジは頭を抱えた。

「チキンちょうだい」

「クワクワ」

「もうすぐできるから我慢して」

「イヤイヤ!お腹空いた〜」

「クエクエ〜クワワ〜〜」

「・・・・・・・」

 まるで子供の様に駄々をこねるアスカとペンペン。

「ダメだよ」

「いや〜〜〜食べたいの!」

「クエクエ〜〜クワワワ!」

 収集が付かない。このままでは料理の時間が長引いてしまう。シンジは諦めて、またチキンを渡した。

「はいこれで最後だよ」

「うん!」

「クエ!」

 満足しながら戻っていく、一人と一匹。また数分すればまたやって来るだろうと思いシンジは料理のスピードを速めた。

 

 

 そして十分後・・・・

「シンジ〜〜お腹ペコペコ」

「クエクエ〜〜クワワ」

 案の定やって来た。

「ちょうど良かった。今完成したから運んでよ」

 来る事が100%わかっていたシンジ、丁度のタイミングに完成させたのだ。

「やり〜〜♪ペンペン運ぶわよ」

「クエ〜♪」

 アスカとペンペンは阿吽の呼吸で手際良く運ぶ、シンジはその間に台所を手際欲片付け食器などを運んだ。

 

「「メリ〜クリスマス〜!!」」

 クラッカーを盛大に鳴らし、シンジの作った美味しい料理にアスカとペンペンは満足しながら食べていく。

「もぐもぐもぐ!美味し〜」

「クワクワ〜」

 よほどお腹が空いていたのであろう、テーブルの上の料理は見る見るうちに無くなっていく。

「もぐもぐ、もぐもぐ」

「クエクエ、クワクワ」

「アスカ、ペンペン料理は逃げないからゆっくり食べなよ」

「だって美味しいんだもん」

「クエクワ」

 シンジが一口食べるのに対して一人と一匹は三口食べていく。

 

 

「ふう〜ご馳走様〜」

「クワ〜クエクエ〜」

 満足そうにお腹をさすってお茶を飲む姿が、作ったシンジには嬉しかった。

「アスカ」

「なに?」

「はいこれ、クリスマスプレゼントだよ」

 テーブルの下に隠していたプレゼントをサッとテーブルの上に置いた。

「うわ〜何々?開けるわよ」

 ガサゴソ

 中身はわかっている。十二月に入ってからずっと『欲しい!欲しい!』と言っていたからだ。しかしそれでも嬉しい。

「綺麗〜」

 中身は天使の姿がついているネックレス。

「欲しかったのありがと〜」

「気に入ってもらえて嬉しいよ」

 高い買い物で残り数日は小遣い無しであるがアスカの喜び様を見たら、そんな事は一気に吹き飛んだ。

「これは私からよ」

 素早く部屋に戻りプレゼントを持ってくる。

「ア、アスカがプレゼント?僕に?」

「なによ〜文句ある?」

 シンジは信じられなかった。アスカがプレゼントを買っていたのを。

「い、いいえ」

「よろしい。開けてみなさい」

「うん」

 ガサゴソ

 中身は何であろう?期待を膨らませて開けてみた。

「新型のヘッドフォンステレオだ〜」

「どう?嬉しいでしょ感謝しなさい」

「うん嬉しいよアスカ」

 アスカにとって高い買い物であったが、日頃の感謝を込めてのプレゼント。いやそれ以上の感情であろうか。

「シンジ!次はケ〜キよ」

「ええっ?もう食べるの?」

 ケーキも当然用意してある。だが今ご馳走を食べたのでシンジはお腹がいっぱいだ。

「当然よ!ケ〜キは入る場所が違うのよ」

「クエクエ」

「はいはい」

 こうして楽しいXmasは夜遅くまで続いたのであった。


 Xmas、アスカ編です。アスカがへっぽこになりましたがLASですね(多分…^^;)

 二人だけの(ペンペンもいますけど。ミサトは仕事)楽しいXmas、原作ではこんな楽しい事はありませんでしたからね。幸せかな。

 ちなみにX'masではありませんよ〜'を付けるのは間違いです。注意しましょうね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


Xmas〜REI〜 Xmas〜MANA〜

NEON GENESIS: EVANGELION Xmas〜ASUKA〜