Xmas
〜MANA〜
「シンジ、見て綺麗なツリー」
「うん」
夜のクリスマス、シンジとマナは巨大なクリスマスツリーを見上げていた。
「さあ行こうか」
「うん」
二人は手を繋ぐと予約してあるレストランに向かう。
「美味しい」
「ここは第3新東京で一番美味しいんだよ。予約に半年はかかるんだ」
「凄いわね」
豪華な料理に舌鼓を打つ二人、シンジはポケットからそっと小さな箱をテーブルの上に置いた。
「シンジこれは?」
「開けてみて」
「うん」
マナはかけられているリボンをほどくと、ふたを開けた。
「シンジ!これって・・・」
「指輪だよ。マナ僕と結婚してほしい」
「シンジ・・・・・嬉しい」
シンジの言葉に涙があふれるマナ、最高のクリスマス。
「・・・・・・・はっ!夢か〜」
朝の陽射しが部屋に差しこむ。マナは頭をかくと残念そうにため息をついた。
「はあ〜〜〜・・・今日はクリスマス。私には関係ないかあ・・・・」
ガックリと布団に頭を埋め、また眠りにつく・・・・・・
「寝れないわ。起きよっと」
サッと布団を剥ぐと起き、顔を洗うために洗面台に向かった。
それからご飯を食べ何もする事が無いのでTVを見る。
「・・・・・・・・」
TVはクリスマスの話題で持ちきり、ボーとしながら頬杖をつき見ていた。
「はあ〜一人身は悲しい日ね。彼氏が欲しいな〜」
一人身の悲しさが一番出る日クリスマス。マナは一人の男の子を思い浮かべていた。
「シンジ・・・どうしてるかな?」
シンジの笑顔、あの事件を思い浮かべまたため息。
「はあ〜・・・ケーキでも買ってこよ」
TVを消し、財布の中身を確認し外出用に着替え様とした時・・・・
ピーンポーン!
チャイムが鳴った。
「は〜い、どちら・・・シンジ!」
「こんにちはマナ」
ドアの前に立っていたのはシンジであった。
「どうしたの?シンジ」
「実はね、ケーキを作ってきたんだ」
照れくさそうに包みに入った箱をマナに見せた。
「うそ〜?本当に嬉しい!上がって上がって」
「うん、お邪魔します」
断る理由はない、シンジは上がった。そこでマナはおもわず『はっ!』なった。
(し、しまった!お部屋が散らかっている〜〜)
一人暮しは気兼ねする事が無いので家事などはいいかげんになってくる。マナもその一人である。
「シンジ、待っ・・・・・」
シンジを呼びとめようとするが・・・・・
「す、凄いね・・・・」
「遅かった・・・・」
部屋の凄さに驚くシンジ、マナを顔を赤らめ下を向いてしまった。
「と、とにかく片付けようか」
「う、うん」
「ふう、綺麗になったね」
「ありがとうシンジ」
二人で協力して掃除、だが家事のエキスパートシンジの働きが8割、マナの働きが2割である。テーブルを持ってくるとケーキを置いた。
「うわ〜美味しそう、いただきま〜〜す」
ケーキにフォークを入れる瞬間、マナの手が止った。
「マナどうしたの?」
「その前に、シンジ!メリークリスマス!」
マナはニッコリと微笑んだ。
「うん、マナ!メリークリスマス!」
シンジもそれに答え笑い、二人でケーキを食べる。
「シンジ〜美味しい!」
「良かった、甘さ控えめだから太る心配はないよ」
「むう〜レディーに太るなんて言葉は禁句よ。私は太らないけどね」
「はは、ごめんごめん」
「ふふ」(夢のようにはいかなかったけど、これも良いかな)
二人だけの小さなクリスマスだが、マナは満足であった。
Xmas、マナ編です。そのまま最後までマナの夢で終わろうと思いましたが、それではマナが可哀想なので小さなクリスマスにしました。
ほのぼのとしたクリスマスいかがでしたか?
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION Xmas〜MANA〜