おかしな二人の続編です。読んでいない方は読まれたほうが一層?楽しめます。

気が合う二人

「zzzzz〜〜〜〜」

「うへへへ〜〜・・・・」

 日曜日の朝、マナはマクラを抱き夢の中、時間は十時を回っていたが関係無い。

「zzzzzz〜〜〜」

 ヨダレを垂らして髪はクシャクシャ、布団はベットの下に落ちパジャマが捲くれお腹が見えている。マナは寝相が悪かった。

 ピ〜〜ンポ〜〜〜〜ン!!

 そんな中、部屋に呼鈴が響いた。

「zzzzzzz〜〜〜」

 だがマナは気づかない。

 ピ〜〜ンポ〜〜〜〜ン!!

「zzzzzzz〜〜〜」

 だがマナは気づかない。

 ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!ピンポン!!

 呼鈴の連打、部屋に木霊する。

「・・・ん〜〜何よ!五月蝿いわね!」

 髪をかきむしると、ムッとしてドスドスと足音を立て玄関に向かう。その間も呼鈴は鳴り響いている。

「誰よ!こんな朝っぱらから!」

 朝ではあるがすでに十時を回っている。

「おはよう」

「あっレイさん、どうしたの?」

 玄関先に立っていたのはレイ、服装は制服ではなく先週買った服を着ていた。

「ういんど〜しょっぴんぐ」

「へ?」

 マナはまだ眠気が取れていないので聞き取れなかった。

「ういんど〜しょっぴんぐに行きましょう」

「へ、は・・はいはいウインドーショッピングね。いいわよ、気に入ったみたいね」

 コクリ

 レイは無言で頷いた。冷静さを装っているが、行きたくてウズウズしている。

「支度するから上がって待っていて」

「ええ」

 二人は部屋に入る。レイはそこで凄まじいものを見た。

「・・・・・・散らかっている」

「うっ痛いわねえ〜一人暮しの部屋はこんなものなのよ」

 脱ぎ捨てられた洋服、散らばっている雑誌類、足の踏み場はわずかしかない。

「・・・私も一人暮しだけど、綺麗」

「ぐっ・・・そ、そんな眼で見ないでよ〜〜」

 レイの紅い瞳にマナはおもわず仰け反る。

「葛城三佐みたい」

「えっ葛城さんがどうかしたの?」

「この部屋、葛城三佐の部屋と同じ」

「そ、そうなんだ・・・・・」

 マナは部屋を見てミサトの部屋を想像した。そして思った『一度見てみたいわ』と

「着替えるからその辺に座っていて」

「・・・・・座るところないわ」

 確かに座るところは無い、レイが今立っているのも散乱した雑誌の上である。

「え、ええと〜じゃあベッドに座っていて」

「ええ」

 そしてマナが素早く着替えている間、レイはボケ〜と座っていた。

「・・・・・・?これは」

 一冊の雑誌が目に入った。

「ふぁっしょん雑誌・・・・・・特集、日常生活のふぁっしょん・・・・・・」

 ゴチャゴチャと書いているが家での生活着である。

 パラパラ・・・

 何気なしに目を通す。天窓から光りが差しこむ明るい部屋に、モデルが生活着で写っている。服装は動きやすい、Tシャツや短パンなどミサトやアスカと同じようなファッションや、ワンピースなどお嬢様的なファションと色々とあった。

「おまたせ〜さあ行きましょうか」

 TシャツにGパンと先週と同じ格好、デートではないのでじゅうぶんであろう。

「これ、が欲しい」

「ん?どれ、これ〜〜?」

 レイが見せたのはアスカがいつも着ているような、短パンにTシャツのページである。

「ええ」

「いいんじゃないかしら、じゃあ出発ね。はいこれ」

 マナは帽子を渡した。

「?何」

「今日は陽射しが強いからね、倒れるといけないでしょ」

「ありがとう」

 渡された帽子はカバリーノランパンテが刺繍されていた。

「良いでしょ〜Ferrariよ、そしてTシャツもね」

 マナは胸を張ってTシャツを見せる。黒のTシャツに銀色でカバリーノランパンテがプリントされていた。

「よかったわね。行きましょ」

「ありゃりゃ、興味無いのね・・・」

 マナは黒い帽子を深くかぶる、レイも真似をして紅い帽子を深くかぶる、一瞬見ただけだと肌の綺麗な男の子と間違えるだろう。

 帽子を深くかぶったのナンパ対策である。マナは街に出かける際にちょくちょくおこなっている。だがそれでも声を掛けられると目で殺す。

 

 

 

 街に着いた二人。レイとしては早速買いに行きたいのだろうが、マナはお腹をさすっていた。

「お腹空いたわね〜何も食べてないし、あそこで食べていきましょう」

「私、お腹空いていない」

「そう言わないで、美味しいから行きましょう」

「あっ・・・・・」

 レイは手を引かれ無理やり連れて行かれた。ファーストフードに。

 レジの前に立つ二人、マナはメニューを見て注文する。レイは初めてなのでキョロキョロするばかりである。

「レイさんは何にする?」

「私?・・・・・ごめんなさい、私こんな時にどんな顔をしたらいいかわからない」

「じゃあ、Aセットでいいわね」

 マナはテキパキと注文する。レイは悲しかった。

(言ってくれないね)

 

 席につくとマナは豪快にハンバーガを頬張る。

「美味しい、美味しい、?レイさん食べないの」

 レイはジッと自分の前にあるAセットを見つめている。

「・・・どうやって食べるの?」

「食べ方ね。まあ人それぞれあるけど、私の様にしたらどうかしら」

「わかったわ」

 そして同じように豪快にハンバーガを頬張る。

「どう?」

「美味しい」

「ふふ、でしょう!でも食べ過ぎはいけないのよ」

「どうして?」

「ふとるから」

 ファーストフードは高カロリー、美味しいからと言って毎日の様に食べるとふとってしまう。

「そう、危険な食べ物なのね」

「危険って事はないけど、たまに食べるのはいいわね」

 マナは熱々で塩が効いたポテトを食べながらアドバイスをする。

「わかったわ」

 

 

 

「さあて行きましょうか」

 すでに食べ終わっていたが、マナが一人で喋り捲り、店に入ってからすでに2時間が経過していた。レイは早く行きたくてウズウズしていたが、なかなか『行きましょう』と切り出せずにいたのである。

「ええ」

 レイの瞳が輝いた。ようやく目的の品を買えるからである。

 二人は目的の店を目指して歩いた。マナがありそうな店をしっていたのでレイが付いていくという形になる。

 着いた店は服や雑貨なの日常生活品を多く取り扱っている、二人は服のコーナーに向かった。

「沢山あるわね〜目移りしちゃうわ」

「選ぶ・・・・・・どれがいいかしら?」

「レイさんは、どんなのがいいかしら?白系?」

 マナのイメージでは白が頭に浮かんだ。そして掛けてあるTシャツを手に取る。

「これはどうかしら?」

 正面にサルのプリントがしてある。

「サルはいや」

 一言

「そ、そうね。見ているとあの人を思い浮かべちゃうわ」

「ええ」

 二人の言いたい事はわかる。

「じゃあこれなんてどう?」

 取ったのは紺色のTシャツに胸にNYと入っている。

「NYって何?誰かの名前?」

「違うわよ。ニューヨークヤンキース、アメリカの野球チームよ」

「そうなの」

「ええ、強いんだから。紺色も似合うわよ」

 レイの体にTシャツを合わせる。白い肌と紺色アクセントがはっきりとしていて良いようだ。

「じゃあこれにするわ」

「私が選んだので良いの?自分でも選んでみたら」

「そうね・・・・・・」

 レイは一回りして選んでいく。

「・・・・・気に入ったものがないわ。これでいい」

「そう、次は短パンね」

 

 

「・・・・・って良いものがないわね〜〜」

「そうね」

 二人は選んでいくが(実際はマナが選ぶ)良いものが見つからない。

「これで良いかな?」

 最初に見つけた短パン、Tシャツと同じ紺色で左にNYとプリントされた短パン。

「良いと思うわ」

「そうね。お揃いだし、着たらレイさんヤンキースファンね。となると帽子も揃えたいわね」

 帽子を持ってくると、かぶっていた帽子をとりNYの帽子をかぶせた。

「うん、うん、良いわよ。似合っているわ」

「ありがとう」

 レイは少し照れるとレジに向かった。

 

 

 

 夕方、二人はお喋りをしながら(マナが一方的に喋る)帰る。

「いい買い物したわね」

「ええ、今日はありがとう。帽子返すわ」

「あら、もうここまで歩いてきたのね。あげるわよ」

「いいの?」

 レイは驚いた。しかしマナは笑っている。

「いいの、帽子姿がとってもカッコ良かったから、一つじゃ物足りないでしょ、それじゃあバイバイ」

 にこやかに笑いながら手を大きく振りながら歩いていく。

「さよなら」

「違〜〜〜う!」

 レイの挨拶にプウっと頬を膨らませると、走って戻ってきて腕を掴む。

「こうやって手を振ってバイバ〜イよ、はい!」

「こ、こう?バイバ〜イ」

「そうよ。バイバ〜イ」

 マナの大きな振りは恥ずかしくてできなかったが、小さく手を振り二人はわかれた。


 かわゆかっこいいレイちゃん(かわいいかっこいいレイちゃんの訳)でていましたでしょうか?

 マナの帽子とTシャツのFerrariとレイが買ったNYは別に意味がありません。jun16がファンなだけでだしただけです。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION 気が合う二人