MS13−T

「あ〜〜〜もうっファーストむかつく〜〜〜」

 アスカは自室のベッドに寝そべり枕を殴っていた、レイに負けてから数日経つが思い出しただけで怒りが込み上げてくる。

「アタシに似合うMSは無いかしら〜〜?」

 毎日リツコからかりたMS大図鑑に目を通しているが気に入ったMSが見つからない。

「はあ〜〜〜無いわねえ・・・気晴らしに散歩に行こうっと」

 大図鑑を閉じるとベッドから飛び降りマンションから出た。



「ん〜〜いい天気だわ」

 雲ひとつない青空、アスカは背伸びをし深呼吸をした、今までの怒りが消えていこうとしていたが・・・

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「な、なに?・・・あっ!

 異様な音と同時に周囲が暗くなった、空を見上げてみると・・・

ファースト!!

 そこにはデントロビウムで飛んでいるレイの姿があった。

「あらアスカ、小さいわね」

「そこから見れば小さいわよ、むかつくわね」

 怒るアスカに対して口元を歪め笑うレイ、敵なしである。

「今日はMSスーツは装着してないのね、どうしたの?」

「アンタに壊されたんでしょうが、うき〜〜〜むかつく」

「あらそうだった?」

「む〜〜〜こんの〜〜〜」

 アスカは近くに転がっていた空き缶をレイに向かって投げたが・・・

 ゴンッ

ふぎゃ!

 届く筈が無い、空き缶はそのまま落ちてアスカの顔面に直撃した。

「イタタタタタ」

「クスクスクス無様ね、勝負はいつでも受けてあげるわよ、私が当然勝つけどね」

 レイは勝ち誇ったように捨て台詞を残すとその場を去っていった。

「くっ・・・ファースト!こら〜〜まて〜〜〜!!

 大声を張り上げて追いかけるが追いつける筈が無い、しかしそれでも追い続けた。

「まて〜〜!」

 ずっと空を飛んでいるレイを見続けて走っている為前方が危ない。

 ドンッ!

「きゃっ」

「いった〜〜」

 案の定曲がり角でぶつかった、尻餅をつくアスカはお尻をさすって前を見た。

「あっマヤ、ちょっと危ないじゃないのよ、ちゃんと前見てるの?」

「あっごめんなさい」

 前を見ていないのはアスカの方である。マヤは迫力に押されて謝ってしまった。

「まったく見えなくなっちゃったわ」

「何が見えないの?」

「別に、思い出すとむかつくから言わない。それよりそれは何?」

 アスカはマヤが持っている箱が気になった。

「これ?プラモデルよ、先輩に勧められてガンダムのプラモデルを買おうと思ったの、でもどんなのが良いかわからなくて店員さんに聞いたらこれを勧めてくれたの」

「へ〜〜マヤがプラモねえ〜〜!!!

 マヤが見せたプラモデルの箱にアスカは目を見開いた。

「そ、それよそれ!そうよそれなのよ!」

「えっ?」

「ふっふっふっふこれならファーストに勝てるわ、そうと決まればこうしちゃいられないわ」

「あ、アスカ」

 アスカは高速で走っていった。残されたマヤは後姿に唖然とするばかりであった。






「リツコッ!」

「あらアスカ、何か用?」

「大有りよ、アタシにMSスーツを作ってちょうだい」

「良いわよ、それでMSは何かしら?」

「耳を貸して」

 研究室にはリツコとアスカの二人だけなのだが用心して小声になってしまう。

「次のは・・・・・・・・よ」

「・・・・・・・・ねえ、良いわよ。でも少し時間をくれないかしら、特種なMSスーツになるからすぐにはできないわ」

「良いわよ待つわ、でも早くしてね」

 交渉成立、アスカに笑みが浮かんだ。

「ふっふっふっふ、ファーストこれでアンタなんか目じゃないわ!お〜〜ほっほっほっほ

 勝利を確信したアスカ、レイのデントロビウムに対抗できるMSスーツとは・・・


 アスカちゃんMSスーツが決まっていませんでしたがマヤさんの買ったプラモを見た瞬間・・・機体は何だったのでしょうか。

 アスカちゃんが気に入った機体とは?余裕のレイちゃん、二人の対決は如何に?

 リツコさんが作るのに時間がかかるので続きます。


 どなたかCGを描いてくれると嬉しいですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


MS13−U

NEON GENESIS: EVANGELION MS13−T