釣行記 4−1ページ
グレトルを使って釣りをされてる方に、その実践的効果について、今回、
特に他の釣りとの比較という事を中心に書いてもらいました。
聞くと釣行はほとんどグレトルを使う仲間どうしで行くので、他との比較は難しい
ということでした。一緒に行かない理由として、他の釣りとの差が出過ぎるので、
気の毒だということでした。そういう中であえて書いてもらいました。
特に分りにくいと思える方言、スラングは書き換えさせてもらいました。
原稿ありがとうございました。
長崎市 H, T,(50歳) H,14年12月
私がグレトルと出会ったのは10年程前のある釣行がきっかけです。
1月の下旬頃だったと思います。この日の釣行については、一ヶ月前に同じ会社の
友人U君より誘いが有り「今度、会社と取引先の仲間10人程で、よく釣れるところへ
行くから」ということでした。
行き先をハッキリ知ったのは一週間前になってからです。
平戸江ノ島。車で1時間半、船で1時間。私にとっては遠い所という感じでした。
遠出の場合ほとんどが船の予約をかなり前にしなければならないため、
その日の天候など前もって分るはずもなく、少しぐらいの悪天候でも予約入れたから
行くというのが普通で、それで朝早い、寝る間がない、私としては余り行きたくない
というのが本音でした。
しかし、よく釣れる所というのが誘惑的でもあり、期待半分、不安半分でした。
ところが前日の天気予報は快晴、波の高さ1,5m、こうなると釣れる期待一気に100%。
初めての所で、名前も分らない瀬にU君と着いたのが、夜も明けた7時過ぎ。
マキエを作って(沖アミとアミを半々それに集魚剤、付け餌は沖アミ生)、
仕掛けを作って、釣り始めると、潮の流れが速いことに気づきました。
U君に、えらく流れが速いね、と聞くと、大潮の初日か2日目という返事でした。
どこを釣ったら良いのかたずねると、自分も初めての瀬なので分らんよ
という答えでした。
それでも潮の流れはますます速くなる一方で、リールを開放にして糸を出さないと、
たちまちウキが潮に呑み込まれてしまい、まったく釣りにならない状態で、
(当時は2人とも本流を流して釣るという技術を持ち合わせていなかった。)
「よく釣れる」という期待がまさに音を立てて崩れ、期待0の状態になりました。
少し早い昼飯にして、それまでの釣果手のひらに尻尾付いたぐらいが間違って1尾、
U君も同じく1尾+ベラ。
今日はこのままかね? グレトルでもダメかね? 他の皆も同じだろうかね?
U君いわく「ここは回りに瀬が多いんで潮が特に早いんやろう、他の瀬は
良いかもしれんね、ここ初めてやけんよう分らんかった。」
U君とは釣果を聞くと、魚の大きさでもなく、枚数でもなく、総重量で何Kg釣れたと
答える人で、とにかく量を多く釣ることに拘る人で、別名漁師。
そのU君の奇声がすっかり意気消沈した私の耳に飛び込んできたので、
駆けつけてみると、針切れした仕掛けを手に、茫然と立ち尽くすU君。
消し込みを流れの影響と勘違いして、合わせを入れる間もなく、そのままのされて、
一瞬で終わりとの言い訳。
私も気を取り直してやってはみるが相変わらずの状態。
しばらくして又U君の声に行ってみると、良型のクロを手にニコニコ顔、ここ釣れるよ、というや否や又良型をぶり揚げ。
潮が下がった為いつの間にか出来た、唯一潮が流れていない場所。
どう見ても釣れそうでない所。「釣れる時間はチョットしかないよ、早く釣らんと
釣れんようになるよ」というU君の言葉に、仕掛けを入れてみるが餌だけなくなって
ウキにアタリが来ない。
タナもU君に合わせてみるがそれでもダメ。その間もU君は700gクラスを次々に
ぶり上げ。・・・・・そのうち、たまりかねたU君、私の仕掛けにグレトルの餌を
付けてくれました。
するとたちまちウキが消し込み、合わせを入れると竿に乗ってきました。
ハリスは何号かと聞くので、2号と答えるとそのままぶり揚げろとの指示。
私がグレトルで初めて釣ったクロ780g。当時の私にとってこのサイズは良型です。
それも立て続けに3尾。
この日グレトルで釣りをしたのは私とU君だけ。この日の釣果、U君8,5Kg
他のメンバー半分がボーズ、半分が2〜3尾サイズは大体同じ。
思えばこの日を期に、私もグレトルのお世話になる羽目になりました。
今振り返ってみれば、この日まで、釣れた記憶は10回に1度あれば良い方で、
確率10%以下。
この日を境によほど悪条件でない限り、ほとんど手ぶらで帰ることも
なくなりました。確率90%以上。
グレトル釣法は何故なのか今でもよく理解できないのですが、よく釣れるというより
簡単に釣れます。
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