マックホルツ彗星(C/2004 Q2)を
星空撮影架台を使って撮影してもらいました。

(2004.12.9)
 その夜、私の撮影機材は「ヒノサワカメラHB120T」+「高橋製作所P−2z」の組み合わせでした。実は同伴の方がデジタル一眼レフカメラ「Nikon D70」を持参してきていたのです。赤道儀を持っていないので、今までは広角ズームレンズを使って固定撮影で撮影されていた「H高さん」。もちろんガイド撮影の経験はありません。

D70なら、私と同じマウントでNikonのレンズが使えますから、ちょっと望遠の85mmのレンズをお貸しして「星空撮影架台」で初ガイド撮影(しかも手動ガイド撮影!)していただくことにしました。


  (私はと言うと、自分の赤道儀で、のうのうと自動ガイドで楽をしました。。。。(^^)←この、ひんしゅく者!)


  # この星空撮影架台の設計・製作時の想定使用レンズは「50mm標準レンズ」です。
  # デジタル一眼レフカメラは35mm版と比較して、約1.6倍の焦点距離となり、
  # 85mmレンズは135mm相当の中望遠レンズに相当します。
  # これは、星空撮影架台としては、非常に厳しい精度を要求されます。



「ten.さん、あのアルミ板のヤツですか?ほんとに写るんですか?」と不安げなH高さんを横目にチャカチャカと組み上げられる「星空撮影架台『Ten-10改』」。

 もちろん、いつもどおりに「てきとー」にセッティングされかけたのですが、私本人が使うのではないことに気付き、方位磁針を使って偏角補正したりと、いつもよりも微妙に慎重なセッティングをしました。ふと、彼の不安げな視線に気付いた私は。。。。

 「ああ。きっと大丈夫よ。デジタル一眼ですから結果がすぐ分かるし、ガイドミスしていたらもう一回取り直せばいいんですよ。リサイズすりゃあ判らなくなるし。まずは経験!やってみなはれ。(爆)」

 おそるおそる撮影を始めたH高さん、結果は4分後(露出2分+ノイズリダクション2分)に出ました。「おぉ〜〜〜!」。。。。。。。成功でしっ。(^^)

  マックホルツ彗星(C/2004 Q4) 2004.12.9撮影  撮影者:日高晋介さん

           

  ニコンD70(ISO800設定)+85mm f1.4(絞りF2.0)+星空撮影架台+2分露出


ついでにと言いましょうか、オリオン座中心部も撮影していました。

           

  ニコンD70(ISO800設定)+85mm f1.4(絞りF2.0)+星空撮影架台+2分露出

いかがでしょう?星空撮影架台の、カメラ三脚や雲台などの全体的な強度不足などで、拡大するとガイドミスもありますが、たった2分でこの画像が得られるというのはデジタル一眼レフカメラの性能のお陰でしょう。

初めてガイド撮影をしたH高さん。撮影のポイントをまとめておきますね。

  1.この架台は設計上、せいぜい50mmレンズどまりです。
  2.明るいレンズを使用し、露出時間を極力短くする。
  3.カメラの感度設定をなるべく高くしておく。(今回はISO800)
  4.微動ハンドルを極力連続的に回すこと。(フィルムは間欠的でも可)
  5.極端な角度の方向はバランスが崩れるので避けること。(真南が良い方向ですね。)


ここで、画像を強拡大してみましょう。(かなりの強拡大です。ご注意を。)


        


 はい。こんな感じですね。

 これは、この撮影架台を全く初めて使用しての結果ですから、この程度の画像が得られればバッチリだと思います。架台(三脚)のタワみの事も説明せず、架台に手を掛けていた事もブレの原因と判っていただいたし、ちょっと雑にダイヤルを回すとガイドミスをおこす事を理解してもらえました。

 ご本人には説明しましたが、この手のクラスの簡易赤道儀は「ブレ・たわみ」との戦いです。本来なら小さなガイド鏡を取り付けて、ガイド星が風やダイヤルの動きで踊る様子や、極軸のセッティング誤差による赤緯修正などを見てもらいたかったのですが、時間がなかったので割愛しました。(つくづく残念)

 もちろん、今回得られた画像は、リサイズして通常のサイズで眺める分には全く支障ありませんし、使用するレンズを、85mmレンズ(135mm相当)ではなく35mm(50mm相当)で撮影すれば、「架台をサッとセッティングして、さっと撮れるデジ一眼」となり、機動性の溢れる赤道儀だと改めて思いました。

(私はいつも、双眼鏡(20×77)のケースに隠しています。メーカー製の赤道儀が無いときの緊急架台です。^^;)


 この組み合わせ(撮影架台+デジ一眼)は、本当にお気軽でいいです。

(いいなあ。。。。デジ一眼。。欲しくなってきました。)
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