”幹部”の役割

 去年の忘れ物についてちょっと。

 実は、去年の末、政策提案@プロジェクトAのプレゼンテーションで知事に言えなかった「僕にやらせてください」ということをメールで知事に訴えた。(詳細はこちら

 そして、その回答が知事から送られてきた。

今回、あなたの着眼点として、薬草採取体験と薬膳食、温泉、さらには、”がん”の早期発見・早期治療を行うためのPET診断装置の活用による”健康”をキーワードとした政策は、既に一部、観光客誘致に向けた事業化を進めています。・・・。また、”踊り”をキーワードとした体験型のプログラムの構築についても、各地域の特性を活かしたものを 既に進めていますが、・・・。」

 要約すると、「あなたが提案した内容は既にやっています」とのことだった。

 関係課に何度も足を運んで、その意見を聞きながら”足りないもの”を企画書に載せて「僕にやらせてください」と言ったのに、なぜ「既にやっている」という回答になるのはわからない。
 回答を頂いた喜びの中で、なんだか議会答弁のような内容にちょっと驚いた。

 もしかすると、僕らの企画書の内容が、「”一”から始めるのではなく、既存事業を活用した方法を採っていた」ので、知事がその企画書を担当部署に協議させたところ、担当部署から「既に○○といった取り組みをやっております」と いう回答があったのではないだろうか?

 話は少し変わるが、以前、知り合いの職員と以下のような会話をしたことがある。
「おまえは知事を尊敬しているようだが、僕が知事が嫌いだ」
「なぜ?」
「以前”用地交渉”を担当していたとき、もう少しで交渉が成立しかけたのに、知事が”もう用地買収は終了した”と発表したので、相手が怒ってしまい、結果、その交渉が台無しになってしまった。彼は現場の事なんて考えずに、”世間受け”することだけ 考えている」
「ちょっと待て。知事が誰にも聞かずに”もう用地買収は終了した”なんて言うはず無いだろ。悪いのは、知事に”もう用地買収は終了しました”と報告した幹部ではないか?」
「・・・・・」

 トップが、職員のとりまとめ役である”幹部”の意見を信じないようになると、自治体のような大きな組織は機能しなくなる が、その”幹部”が、保身のために「事実と異なったこと」をトップに報告してしまうと、トップと職員との距離が離れてしまい、その下で働く職員は「やる気」を著しく低下させてしまう。

 だからこそ、組織に果たす”幹部”の役割は非常に大きいものがある。

 それなのに、それに気付かずに、「上に気に入られる(または怒られない)ことだけを考えている」幹部が非常に多い。

 また、その原因の1つとして、「人事課出身」の”幹部”が比較的多いことも何か関係があるような気がするのは僕の思い違いであろうか?

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