新MS外伝 起動戦士Zガンダム?

テイク4

シンデレラ・レイ 後編

Made by 暗黒騎士ソード

「ふふふふふふ、ホンコンシティの撮影シーン」

と、怪しい表情のレイ。

気のせいか、レイを見た通行人は極力レイを見ないようにしている。

「碇君とのキスシーンがある場面」

どうやら、よからぬ妄想をいだいているようである。

「碇君、待っていて。いま、あなたのところにいくから」

スキップしながら、シンジの元に向かうレイであった。



「ったく、どうして僕が買い物をしなきゃいけないんだよ」

と、ぶつぶつ文句をいっているシンジ。

手には、近くのコンビニで買ったのか買い物袋を持っていた。

「ねえ、ちょっと道を教えてくれない」

その時、誰かに声をかけられるシンジ。

「はい?って、綾波?」

「綾波?だれのこと?私の名前は、レイ・アヤナミよ」

(どこが違うんだよ)

心の中でそう突っ込むシンジ。

「それより、道を聞きたいんだけど」

「いや、僕は地元の人じゃないから」

「そう、そうなの。じゃあ、私には何もないわ」

「は、はあ?」

展開が理解できないシンジ。

「それより、今はお時間があるかしら」

「はあ、少しなら」

「それじゃあデートしましょう」

「へっ、な、何言っているんだよ綾波……って、わあああああ?」

そのまま、レイによってどこかに連れ去られるシンジであった。

でもって、何故かビルの屋上。

「あ、あの〜どうしてここに」

「次のシーンはここだから」

「はっ?」

「というわけで、キスしてもいい」

「ええっ?」

驚くシンジ。

「大丈夫よ。だれでも最初は始めてだから」

「い、いや、そうじゃなくて……」

シンジに迫るレイ。

しかし……。

ゴン!

とつぜん、レイの後頭部をパイプ椅子が襲ってきた。

「のほろびぼぼぼぼぼぼぼぼ〜〜〜〜〜!?」

ビルの屋上を転げ回るレイ。

「ファースト……何をしているのかしら」

いつの間にか、アスカが屋上に来ていた。

「あ、あれ、アスカ?どうしてここに……。出番はまだのはずじゃあ……」

背中に、冷や汗をためながらそう話すレイ。

「ふっふっふっふっふ、あんたがこのシーンからでてくることは台本で読んでいたわ。まさか、原作どうりの展開をしようってわけじゃないでしょうね」

「ぎ、ぎくううううううううううう。ま、ままままままままままま、まさか、そ、そんなわけないでしょう」

目が完全に泳いでいるレイ。

「ほほ〜。でも、シンジに言い寄っていたわね」

「ささささささささささ、さぁあああああってえええええええええええええ。ななななななななななななななななななななな、なんのことでしょうか?」

必死になって誤魔化すレイ。

「い、碇君……わ、私達は別に何もしてないよね」

「ご免よ綾波。アスカに嘘はつけないよ」

「い、碇君!?」

「レイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

地を這うような声で話し掛けるアスカ。

「覚悟はできているんでしょうね。人のダンナに手を出すなんて」

「ア、アスカ、は、話し合いましょう……」

「ふっ、残念だけどその必要性はないわ。覚悟ファースト」

ひぎゃあああああああああああ!?

こうして、ホンコンにレイの悲鳴がこだました。


「何をしているんだあああああああああああ〜!アヤナミ少尉は!」

と、スードリのブリッジで喚き散らすマコト。

「捜索班からの連絡はまだか?」

「は、はい、まだであります」

マコトの態度に癖々するスードリクルー。

「た、ただいま戻りました……」

そこへ、へろへろになったレイが戻ってきた。

「何処にいっていた!アヤナミ少尉!」

「い、いろいろありまして」

ちょっとぼろぼろのレイ。

「ま、いいとしよう」

「隊長」

「どうした?」

「はっ、捜索班からの連絡でロストしていたアウドムラを見つけたと連絡がありました」

「よろしい!では、これより我が隊はアウドムラに攻撃を仕掛ける」

命令を下すマコト。

「隊長、先鋒は自分にやらせて下さい」

と、レイ。

「おおっ、やってくれるか」

「はい。お任せ下さい」

「よし。それでは、サイコガンダムを先鋒に全機攻撃を開始せよ。くくくくくくくく、シンジ君にアスカちゃん、今度こそ終わりだ!」

怪しく目を輝かすマコトであった。



ビービービー!

一方、アウドムラでは敵襲を知らせる警報がなっていた。

「敵なのシンジ」

「どうもそうらしい。ハイザックが数機に未確認MSが1機」

「未確認?」

「うん……いや、MSじゃない。なんて大きさだ。こいつは、MAだ。しかも、飛んでいる?」

「MAで飛行可能ですって。メタスじゃあるまいし」

「でも、レーダーには単独飛行のシグナルが出ているよ」

「渚は?」

「まだもどってないよ」

「仕方ないわね。アウドムラを一旦、後方に下げましょう」

「それしかないね。アスカは、アウドムラを頼む。僕は時間稼ぎをする」

「気をつけるのよシンジ。なんか、凄くイヤな波動を感じるわ」

「うん……僕も感じているよ。それにこの波動は……」

そこまで言って、口籠るシンジ。

「とにかく、アウドムラは任せたよ」

そういって、ガンダムMK2で出撃するシンジ。

すでに、上空では数機のハイザックがアウドムラに攻撃を仕掛けようとしていた。

「させるか!」

ビームライフルで攻撃するシンジ。

「うわあああ!?」

「ぎゃああ!?」

2機のハイザックが、シンジの攻撃をうけ火球になり消滅した。

「くそっ……。相変わらずいい動きだ」

舌を巻くマコト。

「お任せ下さい日向隊長」

そこへ、サイコガンダムに乗ったレイがやってきた。

「いくわよ碇君」

変型し、MS形態でシンジを迎え撃つレイ。

「あれは……MRX−009サイコガンダム?まさか、あれに綾波が乗っているのか?」

「碇君、これは運命(さだめ)なの。でも、悲しまないでね」

そういって、ビーム砲で攻撃するレイ。

「あ、綾波、どうして攻撃するんだ」

「人形が私に話かける?そう、あれは敵なのね」

ふたたび、ビーム砲で攻撃するレイ。

「どうして戦うんだよ綾波!」

「今、私とあなたは敵だからよ。けど、それは絆だから」

「わけわかんないよ綾波。けど、それしかないなら!」

ビームライフルで攻撃するシンジ。しかし、ビームは命中するものの直前で拡散した。

「こ、これは……」

「無駄よ碇君。このサイコガンダムには、I・フィールドが張り巡らされているのよ」

「くそっ。それなら!」

今度は、ハイパーバズーカで攻撃するシンジ。さすがに、直撃はかなわいとみたかシールドで防御するレイ。だが、シールドの装甲が厚いためたいしたダメージにはなっていないようである。

「さすがはサイコガンダムだな。どうする……」

サイコガンダムを攻めきれないシンジ。

「シンジ君、苦戦しているようだね」

そこへ、物資調達にいっていたカヲルが百式でやってきた。

「カヲル君!」

「やつは、磁界を張り巡らしている。ここは一旦引くよ」

「でも、アウドムラも攻撃を受けているし」

「なら、君はサイコガンダムを食い止めてくれ。アウドムラの援護は僕がやる」

「了解!気をつけてねカヲル君」

カヲルを横目で見ながら、サイコガンダムに退治するシンジ。

「百式……この波動は、フィフスね。けど、それだけじゃ、このサイコガンダムには勝てないわよ」

サイコガンダムの巨体をフルに生かし、シンジにプレッシャーをかけるレイ。

「くそっ……なんてプレッシャーだ……」

「碇君、ガンダムMK2ではサイコガンダムに勝つことは不可能よ。降伏しなさい」

「そうはいかない。僕はもう、逃げだすことはやめたんだ!」

ビームライフルとバーズカを投げ、レイとの間合を一気につめるシンジ。

うおおおおおおおおおおおおおおおおお!

「なっ、この波動は……!?」

「綾波、ご免!」

ビームサーベルで、レイの乗るサイコガンダムを斬るシンジ。シンジの気迫に押され身動きが出来ないレイ。そして、脚部を切り落とされそのまま前のめりに倒れた。

「し、しまった脚部が……。こうなれば、変型して」

MA形態に変型しようとするレイ。しかし、MAに変型することはできなかった。

「くっ、今のダメージで変型機構にも影響がでたのね。けど、武装はまだ生きているわ」

なんとか立ち上がりシンジの乗るガンダムMK2に向けて、拡散メガ粒子砲で攻撃するレイ。あわてて、シンジもシールドで防御した。だが、今の攻撃でシールドは完全に変形し役に立たなくなった。

「な、なんて火力だ……」

サイコガンダムの火力に圧倒されるシンジ。

「次で終わりよシンジ君!」

再び、拡散メガ粒子砲で攻撃しようとするレイ。

「そうはいくか!」

左手にビームサーベルを握り、サイコガンダムに突撃をするシンジ。

「な、なんのつもりなの碇君!?」

シンジの行動が理解できないレイ。そして、次の瞬間、シンジは信じられない行動をとった。ビームサーベルを持つ左腕を、サイコガンダムの拡散メガ粒子砲発射口に突き刺したのである。

「な、なにっ……」

はっきりいって、これは予想していなかったレイ。というより、予想できる方がおかしい。そして、当然のことながら拡散メガ粒子砲は暴発した。

きゃあああああああああ……!?

衝撃で、コックピットのシートに叩き付けられ気絶するレイ。だが、それはシンジも同じであった。ガンダムMK2の左腕は爆発で吹っ飛び、破片が頭部を傷つけていた。

しかし、衝撃のほうはそれほどでもなくシンジ自身はたいしたダメージを受けていなかった。

「よし、なんとかサイコガンダムを押さえることができたぞ。アスカは大丈夫かな」

ドダイを稼動させ、アウドムラの援護に向かうシンジであった。


「くそ、落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ〜〜〜〜〜〜〜!」

と、半狂乱になりながら大型ビームライフルで攻撃しているのはマコトである。

「無駄なことを。そんな直情的な攻撃じゃ、僕は倒せないよ」

ドダイを巧みに扱い、マコトの攻撃をかわすカヲル。

「お、おのれええええええええ〜!なら、ハイザック隊。やつの動きをとめろ」

『了解!』

8機のハイザックが、一斉にカヲルの乗る百式に攻撃を仕掛けた。

「ふっ、無駄なことを」

間合を取りながら、先頭のハイザックをビームライフルで撃つカヲル。

チュドーン

あっさりビームで撃ち抜かれるハイザック。

「怯むな。一気にたたみかけろ」

部下を叱咤激励するマコト。

しかし。

チュドドドドドドド!

「のわ〜!?」

「ひえぇぇぇぇぇぇ!?」

今度は、アスカが操縦するアウドムラからのミサイル攻撃を受けた。

「私を忘れてもらっちゃこまるわよ」

満面の笑みを浮かべるアスカ。この攻撃で、ハイザック隊の士気は完全に萎え攻撃も散発的なものになった。

「ええい、何をしているか」

いらだつマコト。

チュドーン!

その時、1機のハイザックが背後からビームライフルで撃ち抜かれた。

「な、何ッ?」

背後の敵をみるマコト。そこには、ドダイに乗ったガンダムMK2が高速で接近してきた。

「むっ、MK2だと?サイコガンダムはどうした」

と、スードリのオペレーターに聞くマコト。

「パイロットは気絶。無力化してます」

「ええい、つかえんやつだ。しかし、MK2はダメージを受けているな。よし、全機MK2攻撃を集中しろ。相手は、手負いだ」

『了解!』

手負いとわかると、何故かやる気をだすハイザック隊のパイロット。

「いくぞ〜、ガンダム〜〜〜〜〜!」

パイロットの一人が、シンジとの間合いを一気につめてきた。

「数で押せば勝てると思うなよ!」

シンジもビームライフルで応戦した。瞬く間に、2機のハイザックが火球にかわった。

「な、何をしている。ええい、スードリ。ガンダムの動きをとめろ」

「そうはさせないよ」

そこへ、カヲルの百式がスードリの背後をとった。

「き、金色のMS?」

と、スードリのパイロット。

「悪いけど、ここで沈んでもらうよ」

「し、しまった。きゅ、急速回避!」

しかし、無情にも百式から放たれたビームがスードリのコックピットを撃ち抜いた。黒煙を上げ、ゆっくりとホンコンの海に沈んでいくスードリ。

「くそ、母艦がやられたか。だが、怯むな!」

再び、部下を叱咤激励するマコト。だが、母艦を沈められた上に味方の半数が撃ち落とされた現状では効果はなかった。

「これまでか……しかし、俺は諦めん。いくぞ、ガンダム!」

シンジの乗るガンダムMK2に特攻を仕掛けるマコト。

「来るか?」

うおおおおおおおおおおおおお!

大型ビームライフルで攻撃するマコト。それを巧みにかわすシンジ。

「やるなシンジ君。さすがはガンダムのパイロットだ。しかし、今のMK2では俺に勝てんぞ」

「やってみなきゃわからないよ日向さん」

ビームライフルで攻撃するシンジ。

「無駄だ!」

日向の言うとおり、シンジのビームは命中するもののたいしたダメージにはなっていなかった。

「どうだ、アッシマーの耐ビームコーティングは。小型のビーム兵器は私には通用しないぞ」

「くっ……」

「とどめだシンジ君!」

「なんの。これならどうだ」

そういって、ビームライフルを投げ付けるシンジ。

「な、なにっ!?」

さすがにおどろくマコト。

「だが、そんな物がぶつかったぐらいで」

「なら、これならどうだ!」

ヘッドバルカンでビームライフルを撃つシンジ。バルカンが命中し、ライフルのエネルギー弾倉が爆発した。

「ぐわっ?」

爆風でダメージを受けるマコト。

「だ、だが、この程度でアッシマーが……うん、どこだシンジ君」

爆風でシンジを見失うマコト。

「ここですよ日向さん」

いつの間にか、シンジはマコトの背後に回っていた。

「し、しまった」

「いくら耐ビームコーティングされていても、ビームサーベルなら!」

ザク!

アッシマーをまっ二つにするシンジ。

「ば、バカな……ア、アッシマーが……この、アッシマーがやられるなんて……。う、うわああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!」

チュドーン

そして、アッシマーは爆発した。

「た、隊長がやられた……」

「ば、化け物か、あのガンダムは!?」

「た、退却だ。退却。ニューギニアまで、撤退だ!」

マコトがやられたため、撤退を始める残存のハイザック。

「やれやれ、満身創痍だねシンジ君」

「そうだね。それより、アスカは!?」

「私なら無事よ。それより、あんたはどうなの」

「僕は大丈夫だよ。それより、ガンダムの損傷が酷いよ。左腕が完全にやられたからね」

「とにかく、この状態ではニューギニア攻略は不可能だな。少し遠回りになるけど、シンガポールから宇宙に上がろう。そこで、アーガマと合流だ」

そういって、ホンコンシティを後にする三人であった。




テイク5に続く……



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あとがき
ども、コロニーがいつオーストラリアのブリスベンに落ちてくるか愉しみにしている暗黒騎士ソードです。
ようやっと、折り返し地点でしょうかねえ。
ま、今回の話の展開はLRSの人には少しきついかも。
しかし、次回はいよいよ『彼』が帰ってきます。
もちろん、皆様の期待は裏切りませんよ。
では、また会う日まで。


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜

 フォウ・ムラサメ役に完全に演じているレイちゃん、原作通りにシンジ君とキッスを・・・ぽっ!と、いきたいところでしたがアスカちゃんの邪魔が入りましたね。

 キッスができない悲しみ?のまま出撃、シンジ君と運命の対戦、そして・・・

 満身創痍のガンダムMK2、シンジ君達は無事アーガマと合流できるのでしょうか。

 次回は彼が復活ですね、どんな登場をしてくるのでしょうか(笑)

 やっぱりレイちゃんはフォウ役が似合うと感想を送りましょうね。
 
 とっても素敵なSSをくださった
暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


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