劇場版 起動戦士ガンダムZZ?
テイク3
宇宙(そら)の追撃戦
Made by 暗黒騎士ソード
ラビアンローズと合流を果たしたアーガマは、補給と修理を受けていた。
「やれやれ、ようやく補給と修理が受けられるわ。シャングリラでは、まともな修理さえできなったからねえ」
と、ラビアンローズのロボットアームで修理されるアーガマを見つめるミサト。
「葛城艦長、補給物資の目録です」
そこへ、ネルフ軍補給兵が目録をもってきた。
「ごくろーさん。どれどれ……MS2機とそれらの武装一式。当座の武器弾薬および食料に燃料・医薬品。それから、交渉時に使うことを許可した金塊ね。あり、パイロットは?」
「それが、各方面より補充要請がきていまして……アーガマ隊には兵を回せないとのことで……」
「ちょ、ちょっと待ってよ。こっちには、パイロットは一人しかいないのよ。機体があっても、パイロットなしじゃ仕事はできないわ」
「そ、それはこちらも承知しています。ですが、補給部もやりくりが大変でして」
「しゃあないわね。いいわ、パイロットは自前で探すわ」
とりあえず、アーガマのMSデッキに戻るミサト。 そこでは、トウジとヒカリが整備主任の手伝いをしていた。
「あらあら、手伝わせて悪いわね」
「あっ、ミサトさん」
と、ヒカリ。
「あとで、この補給艦にある食堂でなんか食べさせてあげるわ。アーガマの食事は、保存食が中心だからね」
「有り難うございます。ところで、これって新しいMSですよね」
新たに搬入されたMSを見るヒカリ。
「ええ、こっちのはRX―178ガンダムMk2。あの有名なRX―78―2の後継機よ。で、もうひとつの金色のMSがMSA―100百式。Zガンダムのプロトタイプってやつよ」
「そうなんですか。なんか、ガンダムが勢ぞろいですね」
「そうね。でも、パイロットがいないのよ。まさか、全部をアスカに任せるわけにはいかないし」
「アスカは、ZZガンダムのパイロットですからね」
「そうね……そうだ、ねえヒカリちゃんはMS操縦できる」
「わ、私ですか?一応は、出来ますけど……戦闘なんかとても……」
「大丈夫。操縦できれば問題ないわ。もしかして、鈴原君も?」
「はい、できますけど……」
「おっしゃ、とりあえずパイロット確保。あとは、Zガンダムの修理さえ終われば」
承諾も得ず、勝手に決めるミサト。 そこへ、整備兵がやってきた。
「葛城艦長、MSの修理が完了しました。それと、補給物資の搬入およびア−ガマの修理もできる範囲ですがやっておきました」
「そう、ありがとう。じゃあ、明日にも出撃できるわね。ところで、ネルフ本部からの指令は?」
「さあ、自分は整備兵ですから……」
苦笑する整備兵。 そこへ、『ラビアンローズ』のオペレーターが指令書をもってやってきた。
「葛城艦長、ネルフ本部より指令です。『明後日、ネオゼーレ地球降下艦隊の背後を突き地球降下を阻止せよ』以上です」
「しょ、正気なの本部は!」
余りの内容に呆れるミサト。
「じ、自分に言われましても……」
「ったく……司令部は……。いいわ、整備兵!」
「はっ!」
「至急、エンジン周辺および重要部の装甲板修復を急いで。それと、実弾系兵器の補充も」
「きついですけど、やれるだけやります」
「頼むわ」
「ああ、それからZガンダムですけど……」
「そういや、Zガンダムのパイロットがいないわね。どうしよう……」
「司令部は、碇少尉をその任に当てるとのことです」
と、オペレーター。
「そうなの。助かるわ熟練兵は少しでも欲しいから」
「ただ、ラビアンローズの艦長はあんまりイイ顔はしませんでしたね。熟練兵が引っこ抜かれましたから」
「でしょうね……各方面とも、大変だから」
「それじゃあ、各員に出撃準備を」
「了解しました」
こうして、ネオゼーレ艦隊の地球降下阻止作戦が実行されることとなった。 一方、ネオゼーレ艦隊は地球の衛星軌道上に10万キロ前まで来ていた。
「はぁ〜い、オペレーターさん。周辺宙域の状態はどうなっているの?」
と、ハイテンションなマヤ。
「はっ、周辺に敵影なし。いたって平穏であります」
「よしよし。それじゃあ、全艦隊にメッセージを出すわ」
「はい、準備は万端です」
「はーい、みなさ〜〜〜ん。こちらは、ネオゼーレ軍の総帥マヤよ〜」
と、おおよそ緊張感のかけらもないマヤ。
『お〜、マヤさま〜!』
こっちもねえな……。
「これから、地球に降下する作戦をおこないま〜す。大気摩擦は熱いけど、がんばってね〜」
スマイルで兵士に演説するマヤ。
『わ〜、マヤさま〜!』
「じゃ、地球の平和を獲得するためにいくわよ〜!」
こうして、ピンク色に統一されたネオゼーレ軍地球降下艦隊が大気圏突入を開始し始めた。
「葛城艦長、ネオゼーレ軍を捕捉。距離、20万キロ」
と、オペレーターの報告に緊張感が増すブリッジクルー。
「よし、総員!第一級戦闘配備。主砲、メガ粒子砲スタンバイ!MSパイロットはフライトデッキに」
「了解!総員、第一級戦闘配備。くりかえす、第一級戦闘配備」
復唱するオペレーター。
「ところで、僚艦の動きは?」
「ダメです。2隻のサラミスがこちらに向かっていますが、間に合いそうにありません」
「ちぃ、仕方ないわね!MS部隊は、本艦の砲撃後に発進。目標はただ一つ!敵旗艦よ」
「艦長。射程圏内に入りました!」
「よし!撃てぇ!」
一斉砲撃を開始するアーガマ。
「ま、マヤ様!後方より、砲撃です!」
「アーガマね!後衛部隊は反転して迎撃よ。残りは予定通りに」
「はっ!」
即座に後衛部隊が反転し、迎撃体制を整えた。
「敵後続部隊反転!砲撃体制を整えつつあり」
「ええい!一番先頭のを狙って!頭を叩くわ」
命令を下すミサト。 即座に、メガ粒子砲が先頭に陣取っている巡洋艦を火だるまに変えた。
「敵巡洋艦撃破。後続来ます!」
「MS部隊発進。突入口があいている今がチャンスよ」
MSの発進を命じるミサト。
「さあて……新型ガンダムを試す時ね」
と、コックピットでやる気満々のアスカ。
『敵を舐めちゃダメだよ惣流さん』
なだめるシンジ。
「ちょっと、私の腕を信じてないの?」
『そうじゃないけど。油断は禁物だよ』
「まあ、私のことを気づかってくれているから良しとしますか。それより、惣流さんなんて呼び方はよして。他人行儀は止めて」
『じゃあどう呼べば……』
「アスカでいいわ。それより、先に出るわよ。もたもたしていると、獲物がなくなるわよ」
そういって、ZZガンダムのバーニアを全開にして出撃するアスカ。 続けて、シンジの乗るZガンダムにヒカリの乗るガンダムMK2さらにトウジの乗る百式が出撃した。
これに対し、ネオゼーレ軍も迎撃部隊を発進させた。
「はあ、またガザで出撃かよ……」
ぼやくケンスケ。
「おい、相田二等兵!無駄口を叩くな!貴様には、ニュータイプ機の護衛任務があるだろう!」
上官である軍曹に怒られるケンスケ。
「は、はい!ところで、そのニュータイプ機は?」
「あそこにあるだろう」
そこには、黒を基本とした重みのあるMSがあった。
「あれは……」
「ニュータイプ専用機、キュベレイMk2だ。マヤ様のキュベレイを改修したやつらしい」
「そうなんですか。本気なのですねマヤ様は」
「当然だ。それより貴様は、ニュータイプのための囮だ。派手に立ち回れよ」
「ううっ…俺って一体…」
哀れなケンスケ。
「ところで、そのニュータイプパイロットは?」
「まもなく来るはず……お、来たぞ」
「るんるんるん、きょうも元気なレイちゃんで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜す」
おおよそ、出撃前のパイロットとは思えなくぐらいハイなレイがやってきた。
「あ、あの、あなたは?」
「ぶ〜!見てわかんないの。ニュータイプパイロットのレイ・アヤナミよ!」
と、頬を膨らませて話すレイ。
「ぐ、軍曹殿。じ、自分はこの人を守ればいいのですか?」
「た、多分……」
自信をなくす軍曹。
「ねえねえ、軍曹さん。レイちゃんのMSは?」
「あ、ああ、こ、これです」
と、キュベレイMK2を指差す軍曹。
「ああ、これね。マヤちゃんが言っていたのは。よーし、レイちゃん地球の為にがんばるぞ〜」
テンションの高いレイ。
「と、とにかく出撃ですね」
額に汗を浮かべつつ、ガザCに乗り込み出撃するケンスケであった。
「でやああああああああああああああああ!」
「ぐぎゃああああああああ!ばかなあああああああ!?」
掛け声とともに、ハイパービームサーベルでネオゼーレ軍のガザCを切り裂くアスカ。
「くっ、これで6機目……。ったく、やってらんないわ」
ネオゼーレ軍のMS部隊の多さに、呆れはてるアスカ。
「この、新型め!」
一瞬の隙をつき、ガザCが背後からビームサーベルで斬りかかってきた。
「し、しまった!?」
「させるか」
だが、その背後にはZガンダムがいた。
「ば、バカな……い、いつの……」
皆まで言い終える前に、ビームサーベルで真っ二つにされるガザC。
「大丈夫アスカ」
「感謝するわ。けど、数が多すぎるわ。このままじゃ、接近は無理よ」
「仕方ない。火力が減少するけど、アスカのZZガンダムだけで艦隊に攻撃を仕掛けてくれ。MS部隊は、僕とMK2に百式が引き受ける」
「わかったわ。ヒカリ、鈴原任せたわよ」
『任せてアスカ』
『ま、きばりや。死ぬやないで』
「ええ、そっちこそ!」
そういって、バーニアを吹かし一気にネオゼーレ艦隊との距離をつめるアスカ。
「ぬお、あのMSは……日向さんがやられたあのMSでは?」
「日向って、あのつかえないネオゼーレ軍の士官だったあの日向」
と、レイ。
「いや、あの、一応元自分の上官でして……その、そういった表現は……」
「でも、マヤちゃん言っていたよ。『所詮、日向は脇役』だって」
「ううっ、日向隊長…じ、自分はここで反論するべきでありますか?」
「さ、いくわよ。悪者、ネルフ軍をこのレイちゃんがやっつけるわよ〜!」
元気いっぱいのレイである。
「はあ、不安だよ……」
対照的に、不安いっぱいのケンスケ。
「さあて、レイちゃんはあの白いMSと遊んでくるわ。あんたは、適当に他の敵とたたかっていて」
「へっ?で、でも、このガザCではガンダムタイプのMSとやり合うには力不足では……」
「そんなのしらない。とにかく、遊んでいる最中に攻撃されたくないからどうにかしてよね。じゃ、レイちゃんいきま〜す」
ケンスケをほっぽって、そのままZZガンダムに向かうレイ。
「あれは……データにない機体?」
と、アスカ。
「あははははははは、見つけたぞ〜!悪者MS!」
「わ、悪者!?」
「ここであったが百年目!レイちゃんが成敗してやるううううう!」
と、意味のないポーズをするレイ。
「さあ、いざ尋常に勝負」
そう言って、ビームサーベルを構えるレイのキュベレイMK2。
「な、なんかよくわからないけどやるしかないようね。いくわよ、ゼーレの新型!」
アスカのZZガンダムも、ハイパービームサーベルを構えた。
「でやああああああ!一刀両断!」
大振りに、ビームサーベルを振るうレイのキュベレイMK2。 だが、モーションがデカイためあっさりと避けられた。
「甘い!そこよ」
逆に、ZZガンダムにケリを入れられた。
「わああああああ!?」
「しばらく、そこでひとりで遊んでなさい。こっちは忙しいのよ」
そう言って、キュベレイMK2をほったらかしにしネオゼーレ艦隊に接近するアスカ。
「はわあああああああ、あの新型ガンダムがきたあああああああああ!」
カタカタと、コックピットで震えるケンスケ。 情けないものである。
「ひゅ、日向隊長。じ、自分は、戦うであります!」
決意を決め、アスカの乗るZZガンダムに攻撃を仕掛けるケンスケ。
「うおおおおおおおおおおおお!ゆくぞおおおおおおおお、新型ガンダムぅうううううううううううううううううううううううううう!」
まさに、特攻の様相を見せるケンスケ。
「うっさい、雑魚MS!」
『ズバッ!』
だが、あっさりと切り伏せられた。
「やっぱ、俺ってこうなのかあああああ!?」
そして、宇宙の深淵に落ちていくケンスケ。
「ったく、うっとうしいのよ。それより、目標は?」
モニターで、ネオゼーレ軍の旗艦を探すアスカ。
「いた!あそこね!」
一気に加速をかけ、旗艦に接近するアスカ。
「マ、マヤ様!敵のMSが……」
「慌てないの。対空砲火で迎撃。それと、出撃しているMS部隊は宇宙に残る部隊に回収させて」
「了解」
砲撃をするネオゼーレ艦隊。
「くっ!これじゃあ接近できない……」
激しい対空砲火にさらされるアスカのZZガンダム。
「マヤ様。大気圏突入時間です」
「よし。各艦は、バリュードを展開。このまま、突入する」
そして、光の軌跡を描きつつ地球に降下していくネオゼーレ艦隊。
「葛城艦長。ネオゼーレ艦隊が……」
「くっ……なんてことなの……」
「艦長。司令部より入電。『ア−ガマハ、コノママ追撃サレタシ』とのことです」
「やれやれ。やっかいなことになりそうね」
苦笑するミサト。
「ったく……しゃあないわね。MS部隊を回収して、本艦は地球に降下する」
「了解。うん!?艦長、救難信号です」
「救難信号?」
「はい。しかも、我が軍のものではありません」
「通信は繋がる」
「不鮮明でありますが……」
とりあえず、コンタクトを取るオペレーター。
『わあああ……けて……。…体が燃え……よ〜』
「お、女の子?」
「のようですね……」
惚けた会話をする両名。
『こちらアスカ。ア−ガマ、聞こえますか』
「こちらア−ガマ。感度良好。どうしたの?」
『ゼーレのMSが1機、地球の引力に引かれているわ。このままじゃ、燃え尽きるわ。一応、人道に基づいて救助して』
「こっちからじゃ無理よ。アスカ、あなたのMSは大気圏にも突入できるわ。キャッチしたあと、あなたが下になってバリュードを展開して」
『了解したわ』
そう言って、バーニアを吹かし落下しているMSに近付くアスカのZZガンダム。
「聞こえる、ゼーレのMSパイロット」
『わあああ、たすけてえええええ〜。バリュードが開かないよ〜』
「いま、救助してあげるわ。なんとか、落下速度を落として」
『やってるけど、スラスターが機能しないよ〜』
「ちぃ……。仕方ないわね。ちょっと、荒っぽいけど……いくわよ」
そういって、回り込み無理やりキャッチするアスカ。
『わああああ!?』
「静かにしなさい。ええと……バリュードはこれね。バリュード展開」
バリュードを展開するアスカ。
「ふう、外気温が低下しているわね」
『わあああああああああ〜ん。助けてくれてありがとう〜』
「ったく、情けないわね。で、あんたの名前は?」
『名前?レイ。レイ、アヤナミよ』
「そう。とにかく、大気圏を突破したらア−ガマに回収してもらうわよ」
『はーい』
脳天気に答えるレイ。
「ったく……とうとう、地球にまできちゃったわ」
と、今後の事を考えると頭が痛くなるアスカであった。
(続く)
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
あとがき
ども、おそらく2年ぶりの投稿となります暗黒騎士ソードです。
まずは……お待たせしてすみません〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。(涙)
いや、いろいろあった上にネタに悩んでいまして。
けど、まあ宇宙世紀も始まり(始まってません)来年こそはジオンが宣戦布告してくるかもしれませんね。 って、またわけのわかんないこと言ってますけど。 次回から地上戦ですけど、今度は待たせないようにします。
では、また会う日まで。
暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
ミサト艦長の強引でパイロットに決まったヒカリちゃんトウジ君は大丈夫なんでしょうね(^^;)
敵はネオゼーレ軍、総帥はなんとマヤちゃん!マヤちゃんが総帥で大丈夫なんでしょうかね、ちょっと心配です。
アスカちゃんの駆る新型MS、ZZガンダム。にシンジ君のZガンダム。ガンダムチームですね、これならネオゼーレは敵ではないでしょうね。でも相手は・・・なんとレイちゃん、キュべレイに乗ってアスカちゃん達と対決ですね。
ケンスケは・・・(^^;)
レイちゃんは大気圏突入できませんでしたけどアスカちゃんに助けてもらえて良かったですね。アスカちゃんは命の恩人ですから心トキメクでしょう(笑)
マヤちゃんは偉いんだね!と感想を送りましょうね。
とっても素敵なSSをくださった暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。
暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』」
皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!
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