劇場版 起動戦士ガンダムZZ?

テイク4

落ちてきたそら ダブリンの午後

Made by暗黒騎士ソード


地球降下から二ヶ月後。

ミサト指揮下のア−ガマは、ヨーロッパの旧南ドイツにあるネルフとの同盟軍事組織『カラバ』の基地に来ていた。

「お疲れ様です葛城艦長」

司令室で、ミサト達を出迎えるカラバ基地司令官。

「お世話になるわ。ところで、地球連邦政府の動向は?」

「情けないものですよ。私も、元々は連邦軍士官なだけに。連邦首都である、ダカールは現在ネオゼーレ軍の占領下にあります。議会は、マヤ・ハマーンの言いなりですよ」

「でも、ネオゼーレ軍の主力はキリマンジャロにあるんでしょう。どうして、首都から離れた地区に」

「キリマンジャロには、発射台がありますからね。もしかすると、地球で手に入れた資源を宇宙に回すのでは」

「けど、アクシズを中心として資源供給基地は多数保有しているのに」

「さあ、小官に聞かれましても。いずれにせよ、ア−ガマ隊も各地でネオゼーレ軍を相手に連戦ですからね。ここで、しっかりと休養と整備・補給をしていくことが重要ですからね」

「そうね。次の指令もまだだし、補給と整備をよろしくね」

「了解!」

こうして、一時の休養を得るア−ガマであった。



一方、地球の実質的な支配者となったネオゼーレ総帥のマヤはダカールにいた。

「あ〜、もう書類整理はめんどう〜〜〜〜〜〜〜!」

執務室で、駄々をこねるマヤ。

「マ、マヤ様!」

あわてる側近。

「冗談よ。それより、ネルフとカラバの動向は」

「はっ。各地の、我が軍駐留部隊に攻撃を仕掛けております」

「そう。全軍への影響は」

「被害はそれほどでもなく、影響はたいしてありません。しかし、煩わしいことにかわりはありません」

「確かにね。でも、問題はないわ。連中には、せいぜい各地の我が軍と戦ってもらいましょう。ところで、例の計画はどうなっているの」

「はっ。既に、日向中佐率いる艦隊が作戦行動に移っております」

「うんうん。いいわよ。くれぐれも、連邦艦隊に察知されないように。ネルフにもね」

「はい。ところで、行方不明のレイですが」

「戦死したんでしょう」

「それが、ヨーロッパ方面軍の報告ではキュベレイらしき機体を見かけたと……」

「ふ〜ん。ま、いいわ。現段階では、地球連邦軍の正規兵力のほうが問題よ。議会圧力はどうなっているの?」

「はい。既に、ジャブローからダブリンに主戦力と司令部機能の移転は済ませてあります。あとは、ラサ地区の部隊移転が完了すれば計画はほぼ完璧です」

「よろしい。では、ダカールの部隊をエジンバラに移動させて」

「我が主力軍をですか?それでは、ダカールは奪取されます」

「いいのいいの。本命の作戦を隠すためよ」

「なるほど。では、ダカール駐留部隊は一部を置いてエジンバラに後退させます」

そして、ネオゼーレ軍も新たなる作戦を実行するべく行動を開始した。



「葛城艦長、司令部からの入電です」

整備を終え、新たなる任務に向けて出発しようとしていたア−ガマ隊に連絡が入った。

「司令部から?何かしら?」

指令書を受け取るミサト。

「ええと……なになに……ダカールのネオゼーレ軍がエジンバラに向けて進軍中につきその後背を襲撃せよ」

「あの……ア−ガマ隊だけでしょうか?」

唖然とする整備主任。

「どうもそうみたいね。地球に降下している、他の部隊は再編成中だし。しゃあないか。整備主任、早急に補給と整備の再確認をお願い」

「了解しました。それと、基地司令官から言づてです。基地守備隊所属のMSを2機そちらに回すとのことです。ア−ガマ直衛に使用してくれと」

「いいの。ここだって、MSがたいないんじゃ」

「こちらは大丈夫です。それより、発進準備はいつでも出来ます」

「よし、それではダカールに向けて発進!」

そして、白い戦艦は空に舞いダカールに向けて発進した。



一方ダカールでは、ネオゼーレ軍の駐留部隊は一部を除き撤退を完了していた。

「相田大尉、第186MS大隊の撤退が完了しました。第96歩兵大隊も発進準備が完了してます」

と、ネオゼーレ兵。

「そうか。うむ、御苦労である」

尊大に返事するケンスケ。

「しかし、せっかく地球連邦の首都を制圧したのになぜ撤退を……」

「さあ。それより、残存の部隊はいつ撤退許可がおりるのでしょうか。現状の戦力では、ネルフもしくは地球連邦軍の地上軍に攻撃されれば防ぎ切れませんよ」

「わかっている。だが、我々は栄光あるネオゼーレ軍の兵士だ。勝利は常に我らと共にある!」

「はあ……」

不安そうな兵士。

「大尉殿。偵察隊より入電。ア−ガマを確認したとのことです」

「にゃ、にゃにいいいい!ア−ガマだと……」

「た、大尉……どうしますか?」

「ほ、本部に連絡だ。撤退の許可を伺え」

「は、はい……」

あわてて、ネオゼーレ軍本部と連絡をつける通信兵。

だが、そうこうしているうちにア−ガマが視認できる距離までやってきた。

ひぃいいいいいいい!き、きたああああああ〜!

情けなく、うろたえるケンスケ。

「こ、こうなれば全軍でもってア−ガマを叩く!ゆくぞ、ガザ隊!」

『おおっ!』

士気を鼓舞するケンスケ。

一方、ア−ガマもダカールに駐留するネオゼーレ軍に気付いた。

「艦長。ダカール市内にガザ小隊を確認。数、三機。ほかに、旧型のMSが数機あります」

「よし、全MSをもって敵を叩く!支援のアウドムラ隊にも入電。一気にダカールを解放するわよ」

出撃命令を出すミサト。

「出撃ね。さて、地上でのZZガンダムの運用は始めてね」

『はぁ〜い、アスカちゃ〜ん』

いきなり、間延びした声がスピーカーから流れてきた。

「な、ななっ!?」

『レイちゃんも出撃しま〜す!』

「あ、あんたねえ……戦争に行くのよ。もっと、しゃきっとしなさい!」

『ほ〜い』

ノー天気なレイ。

「ったく……わかっているのかしら……。アスカ・ラングレー、ZZガンダムいきま〜す」

ア−ガマから勢いよく射出されるアスカのZZガンダム。

「レイちゃん、いきま〜す」

出撃時までノー天気なレイ。

つづけて、Zガンダム、百式、ガンダムMk2も出撃した。

「アスカ、議事堂付近は僕達が制圧する。市街地はZZガンダムとキュベレイで頼む」

「いいわ。相棒がこんなノー天気娘なのが不安だけど」

「ぶ〜。レイちゃん、ノー天気じゃないもん!」

プンプン怒るレイ。

「ははっ、そうだねレイちゃん。じゃ、後は任せたよ。いくよ、みんな」

「おう、いくで!」

「気をつけてねアスカ」

「そっちこそね」

ZZガンダムの前を横切る三機のMS。

「さてと。敵の追撃があるかもしれないわ。ここで食い止めるわよ」

「うぃ!レイちゃんがんばる!」

そこへ、ケンスケ麾下のガザC隊がやってきた。

「あ、あれはZZガンダム!や、ヤバい……どうする」

「た、隊長……。あれは、ネルフの新型MS……。ど、どうします……」

「ど、どうするもこうするも、本部の指令はネルフによる首都奪還を阻止せよだ!こうなれば、戦うしかない!全機、攻撃開始だ」

「りょ、了解!」

士気を鼓舞するケンスケ。

突撃だあああああああああ!」

ビームカノンを撃ちまくりながら、特攻を仕掛けるケンスケ麾下のガザC隊。

しかし、めくら撃ちのため一発もあたない。

「うっさいわよザコMS!」

ダブルビームライフルで一掃するアスカ。

「ひぃいいいいいいいい〜。ぜ、全滅したああああ〜」

「さてと、あとはあの隊長機だけね」

「や、ヤバい……ガンダムがこっち見ている……。そ、そうだ部隊が全滅したからここは一時退却だ!」

あっけなく逃げ出すケンスケ。

こうして、連邦首都ダカールはネルフ軍によって奪還された。

「意外と早く終わったわね」

戦闘処理を艦長室で取り仕切るミサトがそう呟いた。

「そうですね。ダカールの議員達も協力的ですし」

同意する副長。

「まあ、連中の協力はいろいろと裏があるのでしょうけどね。それより、本部からの通達は?」

「そろそろかと。あ、きました。あれ『カラバ』からですよ」

「『カラバ』から?なして?」

「さあ。通信繋ぎます」

『こ、こちらカラバ北欧軍司令部!緊急事態だ。ア−ガマ、このメッセージを受けとっとたら至急、ほ、北欧軍司令部まで来てくれ。くりかえす……』

切迫した声で話すカラバ士官。

「な、何よこれ……。メッセージ通信?」

「えらく、緊迫してますねえ」

背景が分からないので、いまいち緊張感がない副長。

「ともかく、北欧軍司令部に向かうしかないわね。なんか、切迫した状況のようだし」

「そうですね。では、支援部隊にここを任せて我々は北欧軍司令部に向かいましょう」

こうして、息つく間もなく北欧に向かうア−ガマであった。



「ふははははははは、マヤ様の作戦は完璧だ!」

と、完全にイッタ目で叫んでいるのは第2話あたりで出番がなくなっていた日向マコトである。

「日向少佐。コロニー02、最終落下地点に到達しました。落下まで20分を切りました」

「そうか。周辺に敵部隊は?」

「現在、索敵中……。突入ポイント付近に、ネルフ宇宙艦隊を発見。数、サラミス級3。MS部隊を発進させてきました」

「ほお、どうやらネルフもバカではないようだな。よし、一気にケリをつける!全部隊発進!」

ガザ部隊を発進させるマコト。

「なんとしても、ア−ガマが到着するまで現宙域よりコロニーを進めさせるな!」

部下を叱咤激励するネルフ艦隊司令。

「ほお、以外と動きがいいな。ネルフにも、ア−ガマ以外に使える人材がいるようだな。しかし!その戦力では我々を食い止めることは不可能だ!」

そして、マコトの言ったとおりわずかな時間でネルフ艦隊はその戦力の大半が消滅し敗走することとなった。


一方、ようやく北欧軍司令部に辿り着いたア−ガマ。

「おお、来てくれましたか。実は、グラナダからの情報でネオゼーレがコロニーをダブリンに投下することが判明したのです」

「な、なんですって!」

開口一番、とてつもない情報を得るミサト。

「現在、ダブリン住民の避難のため本基地の部隊が向かっていますが数が少ないのでア−ガマにも支援をお願いしたいのです」

「了解したわ。早速、ダブリンに向けて出撃するわ。聞いたねみんな。これより、ダブリンに向けて出発よ」

『え〜!』

不満をあげるアスカ、ヒカリ、トウジの三人。

「はいはい、文句を言わない。それに、コロニーが落ちてくるのよ。なんとしても避難を間に合わせるのよ」

「避難を間に合わせるって言ったて……どうするんですか?」

と、ヒカリ。

「既に、民間人を救助するための輸送機が発進しているわ。それを護衛するのが私達の任務。おそらく、ネオゼーレ軍の妨害があるわ。それを食い止めるのが私達の任務」

「はぁ〜、やっぱりネルフに来たのは間違いね。けど、やるしかないか。艦長、私はデッキに控えているわ。ZZガンダムの整備を手伝っているわ。シンジ、手伝って。終わったら、Zガンダムの整備を手伝うから」

「了解したよ」

そういって、一緒にMSデッキに向かうシンジとアスカ。

「あらあら、ずいぶんと仲良しね」

「ほんと。シャングリラじゃ、言い寄ってくる男はみんな病院送りにしていたのに」

「えっ、そうなの?」

ヒカリの発言に驚くミサト。

「ええ。実は、アスカってあんまり家庭に恵まれていないのよね。詳しいことは、私達も分からないけど……。特に、男性には敵愾心ってものがあったわね」

「ふーん。そうなんだ」

「あっ、私もMSデッキに行きますね。自分の機体を整備しないと」

そう言って、MSデッキにおりるヒカリ。

「やれやれ、みんな青春しているわね」

苦笑するミサトであった。

そして、ア−ガマ隊はダブリンに到着した。


既に、カラバの輸送機が避難する人々を誘導しておりそれほど大きな混乱はなかった。

「ありゃ、以外と冷静ね。ま、パニックになっているよりはましか」

「いや、そうでもないですよ。ネオゼーレ軍の部隊がこちらに来てます。どうやら、脱出を妨害するようです」

「ああ、やっぱり」

「カラバより入電。避難完了まで敵部隊を引き付けてくれとのことです」

「へいへい。各MS、発進準備はいい」

『ZZガンダム、いつでもいけるわよ!』

『Zガンダム、発進よし』

『ガンダムMk2、発進できます』

『百式、いつでもオッケーや!』

『レイちゃん、いきま〜〜〜す』

約一名だけ、状況を理解しているのかさっぱり不明である。

「よし、各機発進。輸送機に敵を近付けないでよ」

『了解!』

ア−ガマから発進するアスカ達。

「ジム3は、本艦の直衛に。各機、敵が現れたら任意に迎撃せよ」

「艦長、11時の方向から大形輸送機を確認。ガルダ級です。MSの発進を確認!」

「来たわね。ガンダムMk2と百式は輸送機の護衛に回って。ZZガンダムとZガンダムは迎撃に。キュベレイは、両機を援護して」

『は〜い。レイちゃん、援護しま〜す』

「大丈夫かしら……」

心底不安なミサト。

「おおっ、あれはア−ガマではないか。諸君、今度こそア−ガマを沈めるぞ!ダカールでは、戦力不足のためできなかったが、今回は違う。ガザCのみとはいえ、こちらは20機を超える!一気に叩くぞ」

と、輸送機のデッキで部下に激励を下すケンスケ。

「では、第一中隊は俺様に続け!第二中隊は、側面より回り込み輸送機を撃破しろ」

「了解しました。では、第二中隊、出撃します」

輸送機から発進するガザC隊。

「よし、我が隊も出撃するぞ。機長、戦闘終了後に回収してくれよ」

『了解した。検討を祈る』

「ああ。(さて、このへんで戦果をあげないと俺の立場がない)相田ケンスケ、ガザC発進する!」

ガルダから発進するケンスケ。

『編隊長。正面にネルフのMSです。あ、あれは、ガンダムタイプ……』

「うろたえるな!全部隊で一気にせん滅する!全機かかれ!」

『了解!』

ビームカノンを構えるガザC隊。

「シンジ、ネオゼーレよ」

「わかっている。数は30機ほどか。レイちゃん、援護を頼む」

「了解。行くわよ〜!」

ファンネルで、ガザCの動きをとめるレイ。

「のわあああああ?」

「ひょえええええ?」

あっさりとうろたえるネオゼーレ兵。

「いただき!」

ダブルビームライフルで、動きの鈍ったガザCを攻撃するアスカ。

シンジも、ビームライフルで的確にガサCを撃破していった。

「ええい!相手はたった3機だぞ!後方に回り込んで、包囲殲滅しろ!」

「りょ、了解!」

背後に回ろうとするガザC。

だが、背後を取ろうすればレイがビームカノンやファンネルで攻撃してくるため、苦戦の様相を見せてきた。

「だ、ダメです。あのキュベレイが邪魔をして……」

「く、くそう……このままでは……」

焦るケンスケ。

「くぅ、さすがに数が多いわね。10倍の戦力差はきついわね」

温度調整機能がついているノーマルスーツなかで汗をかくアスカ。

「確かに……。艦長、避難はまだ済んでいないんですか?」

ア−ガマに連絡を取るシンジ。

『まもなく完了するわ。それと、コロニー落下が残念なことに阻止を失敗したわ。輸送機の離陸と同時に現空域から離脱するわ』

「了解。アスカ、君が先に離脱してくれ。殿は僕が引き受ける」

「わかったわ。レイ、援護をお願い」

「は〜い。いっけ〜、ファンネル〜」

ファンネルで威嚇攻撃をするレイ。

「た、隊長。敵が退却していきます」

「なにっ、退却だと?むう、これは罠だな。各機、追撃はするな。このままダブリンを制圧する」

『了解』

「ガルダ、聞こえるか?これより、ダブリンを制圧する。陸戦隊の降下準備を開始しろ」

『バカ…………より、い……で……帰……ろ……』

「はっ、聞こえないぞ。ミノフスキー粒子の影響か。ま、いいや。当初の計画どおり制圧を開始する。ふふふふ、戦果をあげることができたぜ」

なぜか誇らしげになるケンスケ。

「隊長。Zガンダムも後退していきます。どうしますか?」

「ほっておけ。それより、ダブリンの重要地区を制圧……。あれ、通信がつながらないぞ。おい、どうした」

「た、隊長!」

すぐ近くにいるガザCパイロットが悲鳴を上げた。

「はっ、どうした?」

「こ、コロニーが落ちてきてます!」

「にゃ、にゃンだとおう!て、撤収を急げ!」

「だ、ダメです!あと、一分で接触します!」

「う、うな阿呆なあああああああああ!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

巨大なコロニーが、地響を響かせながら落ちてきた。

「ち、ちくしょ〜〜〜〜〜〜。俺の出番っていつもこれじゃねえかあああ!」

そして、コロニーは地上に激突しケンスケ達を巻き込んで爆発四散した。

「こ、コロニーが……」

唖然とした表情で、かつてダブリンがあった場所を眺めるアスカ。

「こ、こんな……こんなことして何になるのよ!」

「すくなくとも、ネオゼーレの軍事力を誇示できるね」

冷静に状況を分析するシンジ。

「シンジ!」

「怒るのは分かる。でも、現実を冷静に見つめることも必要だよ」

「それは……そうだけど」

「僕だって。内心、穏やかじゃない」

「……」

「それより、次の戦いに備えよう。また、敵の攻撃があるかもしれない」

「そうね。輸送機を安全圏まで離脱させないと」

『ウィーン!ウィーン!ウィーン!』

「な、何ッ!?」

『シンジ君、アスカ。本艦の前方に未確認のMAを捕捉したわ。緊急発進よ』

「了解。メカニック、Zガンダム緊急発進だ」

「無理ですよ。前の戦いから酷使して、整備が必要ですよ。関節部はオーバーホールが必要ですよ」

「シンジ、私がでるわ。ZZガンダムは、まだいけるわ」

そう言って、ZZガンダムに乗り込むアスカ。

「済まないアスカ」

アスカを見送るシンジ。

「アスカ、いきま〜す」

ア−ガマから出撃するアスカのZZガンダム。

「艦長、未確認のMAは識別できたの?」

『できたわ。驚いたことに、あれはサイコガンダムMk2よ。気をつけて。Iフィールドがあるから、ビームライフルは効かないわよ』

「了解したわ。なら、ビームサーベルでブッた斬る!」

ビームサーベルを構えるZZガンダム。

「ふふふふふ、お前がZZガンダムのパイロットか……」

「えっ、こ、この声は……」

声の主に聞き覚えがあるアスカ。

「どうしたのZZガンダム。気配が乱れているわよ」

「ま、まさか……こ、この声は……レイ!?」

「レイ?誰の事?私は、レイツー!ネオゼーレ軍のニュータイプパイロットよ。覚悟しなさい!」

そう言って、メガ粒子砲で攻撃するサイコガンダムMk2。

「くっ、どうして敵からレイの声が……」

「アスカお姉ちゃん!そいつは、私のクローン!私じゃないわ」

そこへ、キュベレイMk2でレイがやってきた。

「レイ!」

「気をつけて。あいつは……あいつは私。けど、私と違って敵意の固まりよ!」

「わかっているわ。この気配……普通じゃないわ」

メガ粒子をかわしつつ、隙を伺うアスカ。

「ははははははは!しょせんは、ネルフのMS。私の敵ではないな。死ね〜!」

メガ粒子法を撃ちまくるレイツー。

「くぅ。マトモなのこいつは!いくらコロニーの落ちた場所だからってこんなにやたらめったら撃っていいわけないでしょう」

牽制も兼ねて、ダブルビームライフルで攻撃するアスカ。

だが、Iフィールドに弾かれ虚しく粒子をまき散らすだけであった。

「くっ、ダメか……」

「それなら。いけ、ファンネル!」

ファンネルで、至近距離から攻撃するレイ。

しかし、命中したもののわずかなダメージしか与えられなかった。

「無駄だ!このサイコガンダムMk2に、小型のファンネル程度の火器が通用するか」

「このぉ〜、それなら〜!」

バーニアを吹かし、接近戦に持ち込もうとするアスカ。

「来たな!くらえ、拡散メガ粒子砲!」

「し、しまった!」

「させない!アスカお姉ちゃん!」

ZZガンダムと、サイコガンダムMk2の間に割り込むレイのキュベレイMk2。

「なっ!?」

驚くレイツー。

「しょ、正気か貴様!」

「私は正気よ!それより、あなたこそどうしてこんなことするの?あなたが私なら分かるはず。こんなこと、無意味よ!」

「う、うるさい!私は、ネオゼーレの為にだけに存在する!ふっ、まずは裏切り者から始末してやる!」

「レイ!離れなさい!ダメージを受けたキュベレイでは無理よ」

「で、でもお姉ちゃん……」

「ふはははは。なら、二人まとめてあの世に送ってあげる!死ね!」

再び、拡散メガ粒子砲で攻撃しようとするレイツー。

「させない!」

ビームサーベルを抜き、拡散メガ粒子砲の発射口に突き刺すレイ。

「ば、バカな……。そんなことすればあなただってタダでは済まないわ!」

「覚悟の上よ。あなたは、ここで私と一緒に死ぬのよ!」

「や、止めろ……。は、離れろ」

両腕を使い、レイの乗るキュベレイMk2を放そうとするサイコガンダムMk2。

だが、パワーでまさるはずのサイコガンダムをもってしてもビクともしなかった。

「あなたは、存在しちゃいけない。その作られた敵意は、人を不幸にする……。だから、ここで滅びるのよ」

「や、止めろ〜」

「私よ!死ね〜〜〜〜〜〜〜〜!」

チュドーン!

キュベレイが光輝き、次の瞬間、サイコガンダムMk2を巻き込み爆発四散した。

「レ、レイ……」

呆然とその光景を見つめるアスカ。

「う、うそ……でしょう……。あ、あなたが死ぬわけは……。ア−ガマ、ミサト聞こえる。レ、レイは脱出したわよね」

震える声で、ミサトに問いかけるアスカ。

「アスカ……残念だけど、脱出装置の起動は確認してないわ。それに、脱出できても……あの爆発では……」

「な、何言っているのよミサト。レイは、こんなところで死ぬ人間じゃないわ」

現実を受け入れることができないアスカ。

「く、くそっ……。不覚をとったわ……」

「こ、この感覚……レイツーなの?」

上を見上げるアスカ。

そこには、頭部だけになっているサイコガンダムMk2があった。

「今日のところは……このへんで引き上げる……。だが、次は必ずあなたの命を頂く……」

「ま、待ちなさい!」

だが、突然あらわれたガザCに回収され追尾不能となった。

「く、くそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

コックピットのなかで、一人叫び声をあげるアスカ。

それは、彼女にとって屈辱と悲しみの混じった叫びであった。



(ラストテイクに続く)



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
あとがき
ども、またまたお久しぶりの暗黒騎士ソードです。
なんか、ペース的に一年ごとになりつつあります。
確か、前回もペースをあげると宣言しておきながらこのザマです。
さて、次回はいよいよ最終回です。
舞台はもちろん宇宙。
ネルフとネオゼーレ、どちらに勝利の女神は微笑むのか。
そして、影の主人公であるケンスケは目立つことができるのか。
こう御期待!


 暗黒騎士ソードさんからSSを頂きました(^▽^)ありがとうございます〜
 
 連戦が続くシンジ君達、カラバでのつかの間の休息ですね。そして次の指令はダカールへ行く事。

 ダカールではケンスケが居ましたね。でもよわっちい(^^)

 そしてミサトさんに緊急な知らせが!コロニー落としですね。これは残念ながら阻止できませんでしたね。

 新たなMAの出現、それに乗っていたのはレイちゃん、レイツーですね。レイちゃんとレイツーの対決はレイちゃんの道連れによって終りましたがレイちゃんが・・・

 レイちゃんは生きているよね!と感想を送りましょうね。
 
 とっても素敵なSSをくださった
暗黒騎士ソードさんに皆さん感想を送りましょう。

 暗黒騎士ソードさんのHPはこちら!「反乱軍総司令部『イルナーダ』

 皆さんの感想が作者の力になります!一言でもよいから感想を書きましょう!!


 テイク3 宇宙の追撃戦 ラストテイク 戦士、再び!

投稿:劇場版 起動戦士ガンダムZZ? テイク4 落ちてきたそら ダブリンの午後