EVA CHANGING
さんじゅうきゅうわ
しょうげきもくげき
「ひま〜〜」
休日の昼、レイは自宅のベッドで仰向けになり叫んでいた。
「何もする事がな〜〜〜い!」
ネルフでのテストも無く先ほどまで寝ており遅い朝食を取ったばかり、予定は何も入っていない。
「ふあぁ〜、面白い事は無いかなあ〜」
TVのチャンネルを切り替えたり雑誌を読んだりするがこれといって面白いものは無く、ただベッドに寝転がるだけである。
「こういう時は・・・シンちゃんちに遊びに行くのが1番ね、そうと決まれば早速準備〜♪」
ベッドから跳ね起きるとまだ着替えていなかった水色のパジャマを豪快に投げ捨て、椅子にかけておいたGパンと白のTシャツを着ると洗面台に向かう。
「身だしなみ、身だしなみ〜〜」
鏡の前でブラシでサッサと髪を整えるとニッコリと微笑んで笑顔を作り気合を入れる。
「よしっ!このビュ〜チフルなレイちゃんスマイルでシンちゃんをゲットするわよ!」
そして意気揚揚と家を出て行きシンジ宅へ向かう。
「ふんふんふんふ〜〜〜んっと♪」
第九を鼻歌で唄いながらスキップ、水色の髪とGパンに入れていないTシャツの裾が揺れ可愛さ倍増である。
「シンちゃんちに着いたらまずは抱き着いて・・・」
モワモワ〜〜とレイの頭に広がる妄想、レイワ〜ルド発生である。
「シンちゃん、遊びに来たよ〜」
「うわっイキナリ抱き着いてビックリするじゃないか」
「ふふふ、ごめんね。でも会いたかったんだもん」
「そう、なら仕方が無いね」
「うんっ!」
「さああがって」
「おじゃましま〜〜す」
「おっと、ちょっと待って」
「?どうしたの」
「今からここは綾波の家になるんだからお邪魔しますって言わなくて良いんだよ」
「えっ、それって・・・」
「そう、一緒に住めるんだ」
「本当?」
「うん、それも綾波レイじゃなくて碇レイでね」
「碇で?」
「綾波、いいやレイ、僕と結婚してください」
「シンちゃん、嬉しい」
「レイ」
「シンちゃん」
「な〜〜〜んて事になっちゃたりして〜〜もうシンちゃんたら〜〜!」
ドンドンドンドンッ!
顔を真っ赤にしながら電柱に叩く、端から見れば危ないのだが人通りは無く一安心である。
「私はいつでもOKよ!こうなったら早く行かないとシンちゃん待っててね〜〜」
現実と勘違いが始まってきた、興奮して息が荒くなってくる。
「あっ、その前に市役所に婚姻届を貰いに行かないと、その場でサインしてもらうのが良いわね」
遊びに行くはずが何故か結婚になっている。
「んじゃ市役所にGO〜」
目的地をシンジ宅から市役所へ変更、目的があると歩くのが早くなりどんどんと進んで行く。
「あっあれは」
歩いていると前方に見覚えのある後姿を発見した。レイはその後姿におもわず顔が緩んだ。
「シンちゃんだ〜〜〜!」
数十メ〜トル先を歩いていたのはシンジであった、ス〜パ〜の袋を下げている、どうやら買物帰りであるようだ。
「ようし、こっそり近づいて脅かしちゃえ」
ニヤリと口元を歪めると気配を消して足音を立てないようにつま先で歩き、ゆっくりとシンジへ近づいていく。
(ふふ、どうやって脅かそうかな?)
ゲンドウばりのニヤリで脅かす方法を考える。
(単純だけど大声出してびっくりさせちゃえ)
方法が決まり歩きからダッシュへ切り替える。
(ふふふふふふ)
ビックリしたシンジの顔を想像し声を殺して笑うが・・・
「うわっ!!」
(シンちゃん!あ、あれは?)
近づく前にシンジは驚きの声を上げた、そしてレイが見たものは・・・?
「シンちゃんが、シンちゃんが」
「な、シンジがどうしたのよ?」
「シンちゃんがシンちゃんがぁ〜〜」
「だからシンジがどうしたのよ?一体何を見たの?」
「ええとね、シンちゃんがね・・・」
「シンジが?」
「実は・・・」
「実は?」
「まだわかんな〜〜〜いっ」
「はあ〜?わかんないって、アンタ見たんでしょ」
「台本にはここまでしか書いていなかったの、続きは次回ね」
「台本って、まったく良いところで続くわね。次回が待ち遠しいわ」
「私も待ち遠しいの、まだ台本貰っていないからどうなるかわからないの」
「ふ〜〜ん、アンタにもわからないのね。シンジは一体どうなるのかしら?」
「でもわかっている事が一つあるの」
「何?」
「それは、私とシンちゃんがラヴラヴになること!」
「ケッ!寝ぼけてんじゃないわよ」
「ちゃんと起きているよ」
「それは絶対に無いと思うから、じゃあアタシは帰るわ」
「絶対無いって、アスカ酷い」
暇な休日、レイちゃんはシンジ君に会いに行きましたが、何故か途中で婚姻届を取りに市役所に(笑)
その途中シンジ君を発見しましたけど・・・レイちゃんは何を見たのでしょうか?
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
さんじゅうはちわ ちょこっとらぶ よじゅうわ かのじょのなは
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