EVA CHANGING
よんじゅうさんわ
けいさんちがい
「痛い、痛いよ〜〜シンちゃ〜〜〜ん」
「綾波、しっかりするんだもうすぐだから」
家へ急ぐシンジ、レイはまだ演技をしており後ろを走っているマナはその姿に呆れていた。
(綾波さん、まだやってるわ)
タッタッタッタ
シンジはレイをおんぶしている為汗が流れ息が切れているが、一刻も早く家に着きたいために走った。
(汗の流れるシンちゃん・・・一生懸命でステキ・・・ぽっ)
そんなシンジの苦労はいざ知らず、レイは頬を赤く染めるのであった。
「ただいまっ、綾波着いたよ」
「うん、ありがとう・・・シンちゃんの・・・シンちゃんのお布団に寝たいの」
「僕の布団だね、わかったよ」
レイが泊まりに来た時の布団があるのだがシンジは息を切らし疲れてきっていたので気が付かなかった。
「綾波さん、どうしてシンジの布団なのよ」
マナの叫び、しかし聞こえる前にシンジはすでに玄関にいなかった。
「もうっ」
頬を膨らませると室内に入っていった。
「おかえり〜早かったわね。ってシンジ何やってんの?」
リビングで雑誌を読んでいたアスカは驚いた。
「綾波が、頭が痛いそうなんだ」
「頭が痛い?悪いの間違いじゃないの」
「私は痛いの〜〜〜、悪いのはアスカ〜〜〜〜」
「なんですって〜〜〜?」
「アスカ、駄目だよ。綾波は怪我人なんだよ」
握りこぶしを作りレイを攻撃しようとするがシンジに阻まれた。
「うっ・・・わ、わかったわよ」
こぶしを収めるアスカ、シンジはレイを自室へ連れて行った。
「あ〜〜〜、遅かった」
「わっ、アンタは!鋼鉄、生きていたの?」
マナの姿にアスカは驚いた、あの事件以来姿を消していたのである。
「アスカ、久しぶりね。ちゃんと生きているわよ」
「てっきり海の藻屑になったと思っていたわ」
「勝手に殺さないでよ、それより綾波さんよ」
「レイがどうしたの?」
「それがね、聞いてよ〜〜〜」
誰も聞いていないのに小声で話すマナ・・・
「なんですって〜〜〜〜〜!!」
「そうなのよ〜〜〜」
顔を真っ赤にして怒るアスカ。
「二人とも静かにしてよ、怪我人がいるんだよ」
部屋から出てきたシンジは二人の五月蝿さに注意をしたが、レイはなんともないので関係ない。
「シンジッ、レイはどうしたのよ?」
「綾波は今眠ったとこだよ」
「「なに〜〜〜!!」」
ユニゾンする二人、シンジの布団で寝るのが羨ましいのだろう。
「僕は薬を買ってくるから綾波を看ててね」
シンジは薬を買う為に走って家を出て行った。
その頃レイは・・・
「ふい〜〜〜シンちゃんのお布団だ〜〜〜幸せ〜〜〜」
シンジの布団の温もりは身体全体で味わっていた。
「このマクラ、いつもシンちゃんが使っている・・・ぽっ」
マクラに顔を埋めるレイ、顔が真っ赤である。
「この毛布、いつもシンちゃんが使っている・・・ぽっ」
布団に包まるレイ、耳が真っ赤である。
「怪我人って良いわね、優しくしてもらえるから。ずっと頭が痛いって事にしておこうっ」
((チッ))
シンジの部屋を覗いていたアスカとマナは心で舌打ちをした。
「レイの奴むかつくわね〜」
「何か良い手はないかしら?」
リビングに戻り作戦会議を始める二人、レイに一泡ふかせたい。
「う〜〜〜ん・・・そうだっ!」
何か閃いたアスカ、自室に戻って何かを取ってきた。
「なにそれ?」
アスカの手のひらには小さい白い袋が乗っていた。
「ふふ、これはね頭痛治しの薬よ」
「薬って、綾波さん嘘なのよ」
「嘘でもいいのよ、アタシ達には頭が痛いって言っているでしょ」
「それはそうだけど意味がないでしょう」
頭が痛くなければ薬を飲んでも意味がない、薬が勿体無いだけである。
「意味があるのよ、なんたってこれはリツコ特製の薬なのよ」
「リツコさんの?」
マナは驚いた、MADとして知られているリツコの薬、飲むのに勇気がいるからである。
「そうよ、前に頭が痛い時貰ったんだけどこんな時の為にとっておいたのよ」
「とっておいたって、恐くて飲めなかっただけでしょう」
「そ、そうとも言うわね」
否定をしないアスカ、確かにMADの薬は恐い飲んで治るとは限らない、逆に悪化する可能性もあるからである。
「ふふふふ、本当にこれが効くかレイが実験体よ」
「そうね、これで効いたら綾波さん、儲けものだわ」
効くはずが無い、レイは嘘をついている。二人は水は早速部屋に向かった。
「レイ〜〜〜調子はどう?」
「ううっまだ頭痛いの〜〜」
「綾波さん、ごめんなさい。私が悪かったわ」
「マナちゃん、大丈夫だから」
妙に優しいアスカとマナ、すでにばれているのにまだ頭をおさえ演技をするレイ。
「レイ、この薬を飲めば頭痛なんて一発で治るわよ」
「えっ?あ・・・その」
慌てるレイ、痛くないのに薬は要らない。
「そうよ〜一発で治っちゃうわよ、なんたってリツコさん特製品だからね」
「!!!」
一瞬で顔が青ざめるレイ、死が刻々と迫ってくる。
「あ、なんだか治っちゃったみたい〜〜〜薬は要らない〜〜」
立ち上がると腕を上下に伸ばし、治ったことをアピールするが二人には通用しない。
「そんなのは関係ない、マナおさえてて」
「わかったわ」
「きゃっマナちゃん何するの?」
レイの背後に回りこむとすかさず押さえ締めするマナ、戦自の特訓が生きている。
「綾波さん、これは罰よ。大人しく天国へ行ってちょうだい」
「ふっふっふっふ、レ〜〜〜イ行くわ〜〜〜〜よ」
不気味に笑うアスカ、SALの顔である。
「い、いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
レイの絶叫が家中に木霊した。
「ただいま〜〜〜」
絶叫から十分後シンジが薬を買って帰ってきた。
「綾波の様子はどう?」
「レイならぐっすり寝ているから起こさないほうが良いわよ」
「そうよ、起こしたら綾波さんに悪いわよ」
「そうなんだ、薬は起きてからでいいね」
「「ええ」」
ユニゾンする二人、口元は歪んでいた。
「レイ、アンタの死は無駄にしないわ、安らかに眠ってちょうだい」
「ふっふっふっふ、アタシを騙した罰よ。あ〜〜〜スッキリした」
「レイがいなくなったから次回からはアタシが主役よ」
「えっ?今まで主役じゃなかったのですって?な〜〜〜に言ってんのよ、今までも主役よ。これからは大主役なのよ」
「当然、シンジとアタシの・・・ぽっ」
「マナはどうなるかですって?あんなに知らないわよ、アタシの下僕よ、下僕」
「それじゃあ次のシナリオで忙しいからじゃあね〜〜」
レイちゃん、嘘の代償ですね。でも代償がリツコさんの薬はきついですね。
シンジ君の布団に喜ぶレイちゃん、でもアスカちゃんとマナちゃんはご立腹。何かいい方法はないかと作戦会議・・・MADの薬とは恐ろしい方法ですね(^^;)
リツコさんの薬・・・飲んだレイちゃんは・・・次は四人目?(笑)
こんな連載小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
よんじゅうにわ じょゆうレイちゃん よんじゅうよんわ ふくしゅうしゃ
EVA CHANGING よんじゅうさんわ けいさんちがい