エヴァンゲリオン学園
第拾壱話
衝撃
アスカはきげんが良くなり形だけ午後の授業を受けていた、頭の中はシンジへの弁当の献立の事でいっぱいだった。
(おかずは何にしようかな)
マナもシンジへの弁当の献立を考えていて授業は聞いていなかった。
(喜んでくれて良かったわ)
ヒカリはシンジにどうしてマナから弁当を作ってもらったのか、リポーターのごとく聞きたがっていた。
(ウズウズ・・・早く真相を知りたいわ)
一方シンジは眠気と戦っていた。
(寝ちゃダメだ、寝ちゃダメだ、寝ちゃダメだ、寝ちゃダメだ、寝ちゃ・・・・ぐうぐう)
負けて極楽に旅立った。
そして何事も無く、午後の授業は終わった。シンジが片付けているとマナが挨拶にやってきた。
「シンジ君、バイバイ!」
「今日は一緒に帰らないの?」
「ゴメンネー、ちょっと用事があるんだ」
手を合わせて平謝りをした。
「そうなんだ、仕方ないね」
「じゃあバイバイ!」
「うん、さようなら」
マナは勢いよく教室を出ていった。
「シンジ君、私も帰るね」
「え?アスカも待っていてくれないの」
シンジは驚いた、今日は掃除当番なので少し遅くなるのだがいつもアスカは待っていてくれた。
「うん、ごめんね用事があるの」
「じゃあまたな」
そして教室にはシンジしかいなくなり掃除をしていた。
ガラ
教室の扉が開きヒカリが入ってきた。
「あれ?委員長どうしたの忘れ物」
「委員会だったの」
ヒカリは帰る用意をしながら昼食時の事を思い出していた。
(聞いてみないとね)
「碇君、今日霧島さんからお弁当を渡してもらったんでしょ」
「そうだけど」
「それは碇君が頼んだの?」
「違うよ、マナが突然作ってきてくれたんだ」
「どうして?」
「さっさあ」
シンジは告白されたことを言わなかった。もし言って広まればどうなるか想像できたからだ。もし広まったら、自分の命が無くなる。
「ふーん、アスカがお弁当を作るっていったのに断ったのはどうしてなの?」
「どうして知っているの?」
「いいから答えて!」
ヒカリの迫力にシンジは驚いた。
「夕食を作ってもらうこともあるから別に弁当を作ってもらわなくても食べられるし、それにアスカには起こしてもらっているから、そこまで甘えられないよ」
言い分にヒカリは納得した。
「なるほどね、でもね碇君、別に夜食べられるから要らないって、アスカはね毎日食べてもらいたいのよ」
「え?どうして」
「どうしてって、気づいてないの?」
「は!そうか・・・・アスカは・・・・」
「そうよ」
ヒカリはやっとシンジが気づいたと喜んでいた。
「アスカはそれほど料理が好きなんだね」
ガクッ!
ヒカリは体勢崩し、シンジは腕組みをしてうなづいていた。
「なるほどね、うんうん」
(世界一の鈍感ね、アスカ・・・苦労しそう)
「ま・・まあそれほど料理が好きだから、明日アスカにお弁当を作ってもらったら」
「え・・・それは・・・・・」
シンジは頭をかきながら言いにくそうだ。
「どうしたの?」
「そ・・・その」
「なっなんですってー!!!!」
ヒカリの声が教室に響き渡りガラスを揺らした。
シンジと帰らないで早く帰宅したアスカはスーパーに買い物に来ていた。
「これとこれ・・・あっ安いわね」
買い物カゴをぶら下げ、明日のシンジの弁当のおかずを選んでいた。その顔には絶えず笑顔が輝いていた。
「デザートはこれにして・・・あっ」
缶詰に手を伸ばし取ろうとしたら、横からそれを取ろうとした手に当たった。
「すいません・・・・マナ!」
「あれ、アスカ!」
そこには買い物カゴをぶら下げたマナがいた。
「ここで買っているんだ」
「うん晩御飯と明日のお弁当のおかず、アスカは?」
「私はお弁当のおかずを選んでいるの」
「ふーん、楽しそうね」
「そんなことないわよ」
アスカは誰が見ても楽しそうに見えた。
「マナだって楽しそうじゃない」
「へへ、わかる?シンジ君にお弁当を頼まれて作ってあげるの」
「!」
アスカは衝撃を受けた、何とか冷静に保とうとするが身体の震えが止まらなかった。
「そっそう・・・良かったわね・・・・」
「ええ、腕によりをかけて作らなきゃ」
「・・・・それじゃあ、私いくから・・・・・」
アスカは笑顔を作りレジに向かう。
スーパーの帰り道アスカはおぼつかない足取りで顔を伏せたまま、トボトボと歩いていた。
(私・・・何やっているんだろ・・・・)
(シンちゃん・・・私のを断って・・・・)
(マナに頼んで・・・・)
(・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・)
(作っても要らないか・・・・・・)
(シンちゃん・・・・・)
ポロ
瞳には今までためていが涙が流れ、アスカは思いを振り切るように全力で走り出した。
(グス・・・・うう)
歯をくいしばりこぼれ出る涙を我慢した。自宅に戻るとそのまま自室に直行し、ベットにうつ伏せになり顔を枕に埋めた。
(ううグスグス・・・・うううううええええーーーん・・・・)
まだキョウコ達は帰ってきてなかったが、なるべく声が漏れないようにして枕には涙で濡れた。
「・・アスカ・・・アスカ」
「・・・・え?」
アスカは呼び声に気がつき起きた。泣きつかれて眠ってたようだ。明るい部屋にはキョウコが立っていた。光を眩しがり赤くなった瞳に手をかざした。
「ママ」
「ご飯よそれより眼が赤いわよ、どうしたの?」
「なんでもない・・・」
顔を見せないように制服を着替え、洗面台に行き顔を洗った。
「・・・・・ひどい顔」
ジャブジャブ
顔を入念に洗い台所に行くと、キョウコが配膳をしており、椅子にはアスカの父が座ってビールを飲んでいた。
「パパ、お帰りなさい・・・」
「おお、ただいま、それよりアスカ何か元気無いなどうしたんだ?」
「そんな事無いよ、ほら!」
ガッツポーズを作り、笑って見せた。
「そうか、ご飯をたべよう」
「うん」
「「「いただきます」」」
その日は久しぶりの一家団欒で食卓を囲んだ、いつもなら楽しい食事だがアスカはずっとスーパーの事を思い浮かべていた。
「アスカ、さっきシンジ君が来たわよ。寝ていたから断ったけど、後で行ってみなさい」
「・・・うん」
キョウコの言葉に箸が止まり俯く。
「相変わらずシンジ君とは仲がよさそうだな」
「パッパパそんなこと、ないわよ」
普段なら顔を赤くして照れるのだが、今日の事があり顔をそむけおもいっきり否定した。
「ハッハッハ!隠さんでもいい、なあキョウコ」
「ええ、ユイから毎日聞かされてますよ」
「・・・・ごちそうさま」
アスカは食事もそこそこに部屋に戻った。
「アスカは照れ屋さんだな」
「ええ、あなた」
「そろそろ、ゲンドウと孫の話をしているんだよ」
「まあ、気が早いのね」
「シンジ君が息子になっても構わんがな」
「そうですね」
「ハッハッハ!」
「ふふふふ」
お気楽な夫婦。
(・・・お風呂入ろっと)
湯船につかりながら天井を見つめていた。
(・・・・・)
頭に浮かぶことはマナがシンジに弁当を渡した場面とスーパーでのやり取りだけだった。
(グスグス・・・・・)
アスカの涙は枯れることは無かった。
タオルを頭に巻き喉を潤すために、台所に向かった。そこにはキョウコが洗い物をしていた。
「アスカ、シンジ君がさっき来たわよ。行ってみなさい」
「・・・うん、髪を乾かしてから・・・・」
「早くしなさいよ」
「・・・うん」
部屋に戻り、鏡に向かい髪を乾かす。
(・・・シンちゃん何かな?・・・行きたくないな)
アスカは迷いに迷ったが、結局は行かないで寝てしまった。シンジは3度目と会いに来たが、会うことができなかった。その顔は寂しげに見えた。
ヒカリがシンジに聞いた内容は・・・わかりますね(笑)
うーんまたアスカを泣かせてしまった。アスカファンはごめんね、それではアスカちゃんに一言貰いましょう、どうぞ!
「こんにちは、アスカです。エヴァンゲリオン学園を読んで下さっている方々ありがとうございます」
「今回も泣いてしまいましたが、頑張りますので皆さん応援のメールをどんどん出してくださいね」
「私の性格が違いますが、こんな私でも気に入ってくれている方々がいるので、とても嬉しいです。ちなみにEVA CHANGINGにでてくる私と私は別人です。同じ眼で見ないでくださいね」
「それとマナには負けられません!」
「ちょっと待ったあ!」
「あれマナ?どうしたの」
「どうしたって、こんにちはマナでーす。負けられませんってどういうことよ?」
「だってマナ、ずるいんだもん」
「ずるいってこれはjun16さんが設定でこんな性格になっているのよ。本当は優しくて、可愛くて、性格良くて、頭が良いマナちゃんよ!」
「・・・・・・」
「なぜ、黙っているのよ」
「呆れていたの」
「アスカだっておもいっきり性格が違うじゃない!短編小説とここでは天地の差があるわよ、どうしてあの意地悪くて、ケンカ好きの設定じゃないのよ」
「ひどい・・・・それはjun16さんのコンセプトがとにかく[アスカを可愛く描く]って言っていたの」
「何なのよそれ、まあ本当の私の姿はスペシャル記念番組でわかるから読んでない人は読んでね!ちなみに記念番組はアクセスカウンターのよい区切りで公開しています。よし宣伝はOKね」
「それではこの辺で、これからの連載は続きます、またお会いしましょう」
「また見てねー」
このメンバーで楽しいことも描いてみたいですけど、この波乱が終わるまで無理ですね。それまで暖かく見守ってください。
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第拾壱話 衝撃