エヴァンゲリオン学園

第拾参話

ライバル誕生

 アスカとシンジのすれ違いも無くなり、昼休みを迎えていた。

「天気がいいから屋上で食べましょう」

 ヒカリが委員長らしく提案する。屋上の人が迷惑にならない隅の方で輪になって座った。

「シンジ君、はい」

「あっありがとう」

 マナはシンジの右に座り弁当を渡した、アスカは左に座りその様子をこぶしを作り我慢しながら見ていた。

(く・・・我慢我慢、明日は私が作るんだから)

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

「うらやましいの、センセは弁当を作ってもらえてホンマうらやましいわ」

 トウジはパンを頬張り照れているシンジを見た。

「へへ、ありがとう鈴原君。明日も作ってあげるんだ」

「マッマナ」

 微笑んでシンジを見るが困っていた。アスカは意を決して2人の間に割り込んだ。

「マナ、明日は私が作るから必要ないわ」

 マナは驚くとスローモーションで地面に伏し、顔を両手で覆い泣き出した。

「ヒドイ、ヒドイわ!シンジ君、私がいながら・・・・」

「マッマナ、泣かないでよ」

「エグエグ・・・エーン」

 突然の事で誰一人対応できなかった。

 ガバ

「へへー、うっそ!」

 顔を上げると泣いていない笑顔でシンジに返した。

「はあ、びっくりさせないでよ」

「ごめんね」

 シンジはため息をつきマナは舌を出した。

「アスカ、明日のお弁当は譲るわ。私だけが作っていたら、卑怯だものね」

「?・・ええ」

 アスカは最後の言葉が意味がわからなかったが、これで確実に作れるので嬉しかった。

「ええのーセンセだけ、ワシも食べてみたいの」

「ああ本当に」

 トウジとケンスケは食べ終え、愚痴をこぼしていたがマナがつっこむ。

「あれ鈴原君なら洞木さんがいるじゃない」

「なんでイインチョや」

「そっそうよ、霧島さん」

 トウジはおもいっきり首を振り、ヒカリは真っ赤になり否定した。

「あれー?だって仲がよさそうだから」

「どう見たらよさそうに見えるんや」

「・・・・」

 マナの攻撃にトウジは反撃しているがヒカリは真っ赤で俯いていたが、ふと声を上げる。

「別に・・・作ってきてもいいわよ」

「へ?・・・」

「何時もお父さんやお姉ちゃんの分を作っているから、沢山作りすぎて困っているの残飯処理でいいなら・・・」

 これでもかと思うくらい顔が赤い、トウジは頭をかきながら、渋々了解した。

「しゃしゃあない、イインチョが困っているなら残飯処理ぐらい任せ」

「本当?」

 ヒカリの顔があかるくなる。

「あっああ、いつでももってこいや」

 こうしてトウジの弁当はヒカリが作る事となり、昼休みは過ぎた。

 だがケンスケには誰一人として作るのを名乗り出る者がいなかった。

どうしてだー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 眠くなる五時間目の授業中、アスカの端末に1通のメールが届いた。それを開けて見るとマナからだった。

[アスカ、シンジ君にお弁当を作る事なんだけどこれからは交互に作らない?そうすれば対等に勝負できるわ]

(勝負?なんだろう)

 マナを横目で見ると意味がわからずメールを送り返した。

[マナ、交互に作るのはいいけど勝負って何?]

 マナはメールを見ると呆れて送り返した。

(気づいていないのかしら)

[勝負ってシンジ君のことよ、どちらがハートを奪えるか]

・・・これってまさか)

 驚いてマナを見るとキーを打っている、また届いた。

[私もシンジ君が好きなの、あなたとはライバルよ]

 アスカは急いで送り返す。

[ライバルって私はただの幼なじみなだけよ]

[じゃあ、シンジ君にアタックかけようかな]

 マナの積極的なメールにアスカは戸惑っていた。

(・・・私ってシンちゃんのなんだろう?幼なじみ?友達?・・・・違う)

(・・・マナがお弁当を渡したとき、私は悲しんだ・・・)

(・・・シンちゃんのお弁当を作れると決まったとき嬉しかった・・・)

(・・・私はシンちゃんが・・・・)

 決心して送り返した。

[マナ、私達はライバルよ]

 そこで授業を終える鐘がなり、アスカとマナは互いに顔を見合わせた。


 ようやくお弁当のトラブルも無くなり、おまけにトウジにはヒカリがまあこれはお約束ですね。ケンスケもお約束。

 やっと暗い話しが終わりました。アスカファンに酷な内容だったと思いますが、ご勘弁を(m_ _m)

 次からは楽しいお話しにしたいと思います(jun16の不甲斐ない執筆力で)

 こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


第拾弐話 悲しみの朝 第拾四話 テスト襲来

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