エヴァンゲリオン学園
第拾八話
決戦まであと・・・
「シンジ君、今日も頑張ろうね」
「・・・・うん・・・・・」
朝、教室シンジは席に座ってマナの言葉に反応が遅れるほど眠たかった。すでに頭が左右にふらつき、まぶたが閉じそうである。
試験まであと3日、学校が終わった後アスカとマナが勉強を教えてくれているのだが美少女2人、健全な中学生が集中できるわけが無く頭に入らない。
マナが帰った後はアスカ1人なので、半分集中できるがそれでは成績が危ない、結果徹夜で寝不足になる。
「それにしてもシンジ君のお父さんって、もの凄いわね」
「・・・・・・うん」
昨日マナは初めてゲンドウに合った。その時シンジとゲンドウの顔を見まわして、『本当に親子なの?』と疑問に感じたのであるが、ユイを見て納得した。
ゲンドウは『イレギュラーだ、修正は困難になる、委員会の仕業か、ふっシンジやるな』と独り言を呟いて、シンジ、アスカ、マナを震えさせた。ユイだけはいつもどうりに微笑んでいた。
「びっくりしたわ、やくざさんかと思っちゃった」
「マナ、おじさまに失礼よ」
「ごめんごめん、アスカだってそう思うでしょ?」
「私は昔から知っているから何とも思わないけど」
アスカは幼い頃、初めてゲンドウに会った事を思い出しが別に驚いた事は無かった。
「本当に?」
「うん」
しかし会う前に両親2人が1年前からゲンドウの写真を見せ慣れさせた事をアスカは忘れていた。初めて見た時はわんわんと泣いていたのである。
「アスカ」
「なにパパ?」
「この写真を見てみなさい」
「これ?」
「ああ」
「はーい・・・・・・うっうっうううううわあああああああああん!!!パパ、こわーい」
「そうか・・・すまなかったなアスカ」
「びええええええ!!」
「すまん耐えてくれアスカ、1年後にこの男に会うことになるんだ」
「いやああああ!うわああああん」
「アスカ、耐えるのよ」
「マッママ、ひっくひく、助けてー」
「アスカ、頑張るのよ。これから長い付き合いになるの」
「怪獣こわいよー」
(ふう・・・・ここまでヒドイなんて・・・)
(そうですね)
(まったく碇の奴、アスカを恐がらせる顔をしおって)
(あなた顔で判断してはいけませんよ。ゲンドウさんは優しい方なんですから)
(ああわかっているよ)
(アスカが碇に慣れないことにはシンジ君に会っても進展しないからな)
(?何ですかあなた、それは)
(むっなっなんでもない)
「ひっくひっく・・・・」
キーンコーンカーンコーン!
1時間目の授業が始まった。ミサトの話しは楽しいのだが、今のシンジは眠る方を取るほど眠たかった。
グウグウ・・・・・
シンジはミサトの話しが子守唄代わりになり眠ってしまった。
ユサユサ・・ユサユサ・・・ユサユサ・・・・・
「「シンジ君、シンジ君」」
ユサユサ・・・・・ユサユサ・・・・
アスカとマナは左右隣から体を揺らし起こしていたが、そんな気配は無い。
ユサユサ・・・・・
「ZZZZ・・・・」
コツコツコツ・・・・ピタ。
ごつーーん!!
「イッターーーアスカ!今日の起こしかたはヒドイな!・・あれ?」
頭をさすりながら寝ぼけざまに怒るが、シンジの目の前にはミサトが微笑んで立っていた。
「へえーシンちゃんって毎日アスカに起こしてもらっているの?仲がいいわねえ、でも今は授業中よ。今眠ったら明日早く起きて、起こしてもらえないから我慢してね」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
ミサトのからかいにシンジとアスカは下を向きおもいっきりに真っ赤になった。その2人をマナはうらやましくおもっていた。
(そうなの・・・)
その後授業は進むかとおもわれたが、ミサトがすんなり進めるわけが無くシンジとアスカのからかいに時間は費やされ、2人は下向き真っ赤かが続いた。
「もうシンジ君!寝ぼけないでよ」
「ごめん」
休み時間アスカは頬を膨らませて怒った。シンジはすまなそうに両手を合わせていた。
「アスカ碇君も反省しているから、その辺で勘弁したら」
「うん」
ヒカリによりシンジはようやくお小言から抜け出せ安堵の息を吹いた。
「碇君が居眠りなんて珍しいわね、どうしたの?」
「遅くまで勉強しているんだよ」
「なんやシンジ!そんな事してんのか?」
「試験は3日後なのよ、鈴原こそ勉強してるの?」
「そんなもん、しよらへん」
胸を張って言い切るトウジにヒカリは呆れてこけそうになった。
「大丈夫なの?」
「前日にやれば、バッチシや!ちまちまする勉強なんてワシの趣味や無い」
「はあー・・・点数悪いんでしょ」
「人間点数だけやないんや、社会に出ても必要あらへんがな。シンジ、やるだけ無駄や」
シンジの肩をポンとたたき笑っていたが逆にヒカリは怒っていた。
「すーずーはーらー・・・・だから成績悪いのよ!」
「なんやと、イインチョに関係ないやろ?」
「・・・・・・関係あるのよ」
「はあ?なんやて」
「なんでも無いわよ?」
ヒカリは赤くなりながら将来の事を考えていた。
(いい会社に入ってもらわないと、いけないのよ。それから・・・)
夢見る少女ヒカリ、人生設計がすでにできていた。
「どうしてシンジはイキナリ勉強しだしたんだ?」
成績の下を争うケンスケが不思議そうに聞いてきた。
「それが15位以内に入らないと、来月の小遣い無しなんだ」
「それは苦しいな、大丈夫なのか?」
「まあまあかな」
「大丈夫!私とアスカで教えているから」
「「なにぃ!?」」
マナがエッヘンと胸を張って言うと、トウジとケンスケは仲良くユニゾンしてシンジに掴みかかった。
「われは惣流だけじゃ飽き足らずに、霧島にも教えをこうとんのか?」
「シンジ!お前ーうらやましいぞ」
「ぐえええぇぇぇ・・・死ぬ・・・」
「「死んでしまえ!!」」
トウジとケンスケの怒りにシンジは大丈夫なのでしょうか?
最後の文字の大きさがシンジに対する怒りとうらやましさです。
アスカの昔のことを少し入れてみましたが、どうでしたか?写真でも怖いゲンドウ、この出来事は外伝で描いてみようと思っています。ご期待ください。
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第拾八話 決戦まであと・・・