エヴァンゲリオン学園

第弐拾壱話

夏の始まり

 蝉が鳴き始め、じっとしているだけで汗が出てくる。今日は1学期の終業式、明日から夏休みである。式も終わりホームルームの時間、みんなは楽しくてワイワイしていた。

「みんな静かに、連絡事項は言ったとおりよ。宿題は最後にやればいいから、バンバン遊んじゃいなさい!はめ外していいけどくれぐれも中学生らしくね」

 教壇でミサトは教師らしくない言葉を発するとホームルームは終わり教室を後にした。

「帰ったらビール、ビール!」

 ミサトはスキップをしながら職員室に戻っていった。生徒達は終わっても帰らずに仲間内で遊びや旅行の話しに花を咲かせていた。

「トウジやシンジは明日、用事かなんかあるかい?」

 3バカはトウジの机のまわりに集まり雑談していた。

「なんも無い」

「僕もないよ」

「それは良かった。プールに行かないか?」

「プールか泳いだら気持ちええな。いくで」

「僕もいいよ」

 2人に断る理由はない1秒でOKした。ケンスケは眼鏡を上げると無気味な笑いをする。

「ふふふ、ありがとう実は新しいカメラを手に入れたんだ。極薄の防水タイプ、水にはもってこいだ。ぜひテストをしたかったんだ。1人で行くのもなんだからな」

「「・・・・」」

 不純な誘いに2人は呆れていたが、楽しむ事に変わりない楽しみにしていた。

「じゃあ明日10時に公園に集合な」

 ケンスケはてきぱきと予定を言っていくなか、マナ達がやってきた。

「楽しそうね。何の話し?」

「明日プールに行くんだよ」

「プール?私も行きたい」

 マナは両手を上げると嬉しそうにはしゃいだ。

「ん、いいんじゃないかな。ケンスケ?」

 シンジは発案者のケンスケに許可をえようと問い掛ける。その刹那にも満たない間、ケンスケは素早く頭脳を回転させた。

(な、なんと霧島が来るのか!くくく、これは小遣い倍増だな。!惣流や委員長も誘えば倍倍ゲームじゃないか。トウジやシンジも行くから、絶対に来るな)

「いいよ。断る理由はないから、惣流や委員長もいこうよ」

「え、私達もアスカどうする?」

「私は・・・・」

 ヒカリは誘われてウキウキしていたがアスカは顔に影を落とし、あまり乗り気ではない。

「アスカ泳げないからな」

「シンジ君!」

 シンジに言われると顔が真っ赤になった。

「アスカ泳げないの?」

「うっうん・・・」

 マナはビックリ驚いた。体育では運動神経は良く、足の速さや球技など女子の中では飛びぬけていた。

「そうかだから、水泳は見学していたのね」

「・・・・」

 アスカは水泳の授業は何かと理由をつけて見学していた。

「行こうよ、私が教えてあげる」

「で、でも」

「デモも、ストライキもない!このイルカといわれている私が教えてあげるから絶対に泳げるわよ」

 胸を張りたたく。マナは水泳が得意で授業では水泳部より速く勧誘が来たほどであった。

「行きましょうよ。それじゃあいつまでたっても泳げないわよ」

 小学校時代の水泳の授業を知っているヒカリも、このままではイケナイと思い薦めた。

「う、うんわかった」

「それじゃあ全員参加だな。10時に公園に集合だから遅れないように」

 ケンスケは全員の参加が決まると、教卓上の時計を指差し時間厳守を念押しした。

「そうなると水着が必要ね。アスカ、洞木さん買いに行かない?」

「私、前のがあるから」

「私も別に」

 2人は買わなくても水着を持っていたので、要らなかったがマナは指を左右に振ると諭すように話し始める。

「もう、水着はねその年限りの物なのよ!本当は1回限りだけどそんなにお金がないから、悔しいけど一夏一着なの!わかった?」

「「はっはい」」

 マナの迫力に圧倒し、なんとなく理解しうなずく。

「よろしい」

 そしてみんなは教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駅前の噴水広場、アスカとヒカリはマナを待っていた。

「霧島さん、遅いね」

「うん」

 すると、道路の向かい側から2人を呼ぶ声が聞こえた。

「アスカ、洞木さん!」

 2人は声をする方を見ると、マナが息を切らして信号を渡って来た。

「はあはあ、ごめん。遅れちゃって」

 肩で息をすると両手を合わせペロっと舌をだした。

「ふふ、遅刻よ」

「イッター」

 アスカは額に軽くデコピンをすると、3人は切符を買いデパートに向かった。

「わあ可愛い」

 ひんやりとクーラーの効いた店内、3人は飾ってある水着を見ながら、ワイワイ騒いでいた。

「ねえ、これなんかどう!」

 マナはきわどいビキニを身体にあて、身体をひねらせる。

「・・・ちょっとね」

「霧島さん、私達は中学生なのよ。それなりの水着を買わないといけないわ」

「かたーい、ほら似合うじゃない」

 マナはヒカリに水着をあてると、ウンウンとうなずくがヒカリは真っ赤である。

「ちょちょっと霧島さん」

「これなら鈴原君もイチコロね」

「な、どうして鈴原がでてくるの!」

 ヒカリは水着を取り上げると元の場所に戻し、おとなしそうな水着を物色し始めた。

「アスカはどう思う?似合っていたでしょ」

「は、はは」

 アスカはどう返事をすればよいかわからなかった。ヒカリは聞かない振りをして黙々と選んでいた。

(私に似合うのかな?)

「これどうかな?」

 アスカは気に入ったのを身体に当てると2人に意見を聞いた。

「可愛らしいわよ」

「うーん、色っぽさに欠けるわね。こっちがいいわよ」

「・・・」

 マナは切れ込みが凄い水着を差し出し、アスカに当てる。

「マナが着てみれば」

「そうしようかな。これでシンジ君もメロメロね」

「ダッダメよ。中学生らしい水着を選ばないと」

 アスカはシンジの名が出ると焦り、マナにそこらへんに掛けてあった水着をあてた。

「こっこれがいいわよ」

「これってスクール水着よ」

「あ、そうだったね。あは、あははは」

「言われなくてもちゃんとした水着を買うから、心配しないで」

 それから3人は1時間以上も水着選びに没頭し、自分にあったものを買いデパート内の喫茶店に入り、パフェを食べていた。

「それにしても意外よね。アスカが泳げないなんて」

「マッマナ、声が大きいわよ!」

「ごめんごめん」

 マナはクリームを口に運ぶと、至高の笑顔を作り出す。

「どうして泳げないの?」

「どうしてっていわれても・・・・」

「洞木さんは知っているの?」

 矛先をヒカリにかえると理由を聞き出した。

「私も知らないわ。アスカ言わないから」

「ねえ、どうしてなの?」

 マナは好奇心で聞き出そうとするが、アスカは無視して黙々と食べていた。

「どうして?」

「知らない」

 マナは仕方ないと聞くのをやめたが、ある人物を思い出していた。

(シンジ君に聞いてみよっと)


 夏突入!学園ものに水着は付き物?ですね。というわけで海ではなくプール、まだ夏休みの序盤はこんなものでしょう。

 色々と描きたいので、みなさんは首を長くして待っていてください。(描けるかわからないけど)

 こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


第弐拾話 ゲンドウ、笑う 第弐拾弐話 頑張れ!アスカ

エヴァンゲリオン学園:第弐拾壱話 夏の始まり