エヴァンゲリオン学園

第弐拾四話

花火大会

「シンちゃん、行こー」 

 午後3時半、アスカは待ちきれなくて碇家の玄関を開けた。皆との約束は4時である。

「いらっしゃい。あらーアスカちゃん、浴衣姿可愛いわよ」

「へへ、ありがとうございます。新調したんです」

 袖を掴み広げて見せ1回転、髪がフンワリとなびく。

「シンジー、アスカちゃんよ」

「アスカ早いよ。約束は4時だろ」

「どうシンちゃん?」

 まだ浴衣に着替えていないシンジは玄関にやって来た。アスカの浴衣姿を見ておもわずドキリした。

「・・・・うん、似合っているよ」

「ふふ、ありがとう」

「シンジ早く着替えてきなさい。アスカちゃん待っている間、お茶でも飲んでいってね」

「はい」

 シンジは着替えるために自室へ、アスカはリビングに通された。

「おおアスカ君、その浴衣お似合いだ」

「ありがとう、おじ様。おじ様もお似合いですよ」

 ゲンドウはあれからずっと浴衣を着て過ごしていた、今も待ち遠しくてウズウズしていたのである。

「流石はアスカ君だ。これの良さがわかるとは、シンジは困った事にこの良さがわからんのだ」

「ふふふ」

 ゲンドウは延々と浴衣の事を話し、アスカもウンザリしながら笑っていた。

「アスカ、お待たせ」

「うん」

 青色の浴衣に着替えて部屋から出てきた。2人は揃って玄関に向かう。

「「いってきます」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午後3時50分、河原にやって来た2人。道沿いに出店が立ち並び、人々の姿はまだ時間が早いせいか少なかったが賑やかであった。

「まだみんな来ていないのかな?」

 シンジは辺りを見まわすが、友人達の姿を見つける事ができなかった。

「あっシンちゃん。あれ」

 アスカは出店の1つをさすと走っていった、綿菓子である。

「甘ーい」

 綿菓子を購入しご満悦である。

「シンちゃんもどう?」

 ひとちぎりするとシンジに手渡した。

「ああ、サンキュー」

「美味しい?」

「ああ、少し歩こうか?」

「うん」

 2人はずらっと出店の並んだ道を歩き出した。

「ほら、金魚すくい!しよー」

「ダメダメ、アスカは何回やっても下手だからな」

「もう!」

 プウっと頬を膨らませ怒るがシンジは笑っていた。

「あっ射的!しよー」

「ダメダメ、全然商品に当たらないじゃないか」

「プウ!」

 

「輪投げだ!しよ!」

「ダメダメ、どこに投げるかわからないからな」

「うー!」

 

「くじ引き、シンちゃんこれする」

「まあいいかな、アスカは昔からくじ運が強いから」

「うん!」

 2人はお金を渡し、くじを引いた。

「何かな?・・・やった3等!」

「流石アスカ、僕は・・・・・チェ、10等か」

「運がなーい」

「うるさい」

 アスカは3等の景品ゲームソフトを貰い、シンジはキーホルダー。2人の運がハッキリとしていた。

「どうしてアスカは運だけは強いんだろう?」

「へへ、シンちゃんとは逆だね」

 シンジは金魚すくいなどは得意であったが、くじ運はなかった。アスカはその逆である。

「いよう、シンジに惣流」

 後ろを振り向くとトウジとケンスケが立っていた。

「やあ。トウジは相変わらず食べているね」

「当然や、ワシの目当ては出店やからな」

 トウジはたこ焼きとヤキソバを持っていた。

「おや惣流、それは?」

「へへ、いいでしょ。当たったの」

「うらやましいな。当てるなんて」

 ケンスケはアスカのソフトを見て羨ましがっていた。1回300円でソフトを当てる、すごい事である。

「アスカは運だけは強いから」

「運だけとはなに?」

「ははごめん。委員長とマナは?」

「さあな、そのうち出会うだろ。歩くか」

 4人は出店を見ながら、2人を探した。この間もアスカとトウジは買い食いは忘れない。

「クレープください。おいし」

「もろこしもらうで。こうばしくて、醤油がようきいとる」

 

「たこ焼きください」

「おっ惣流、いい眼や。ここのタコはでかくて本場なんや」

 

「リンゴ飴ください」

「フランクフルトもらおか」

 

「いか焼きください」

「わいも」

 

「ジュースください」

「うまい!」

 2人の食の食べ歩きは続いた。シンジとケンスケもたまに買うだけであったが2人は目に入れると、すぐに出店に向かった。

「ふう、満足満足」

「わいも感無量や」

「ヤッホーみんな」

 向こうの方から聞きなれた声が聞こえた。マナである、ヒカリと一緒でこちらに走ってきた。

「もう探したんだからね」

「ごめんね。食べてたから」

 アスカは途中で買った飴玉を2人に渡した。

「もう買い食い?」

「だって美味しいんだもん」

「ふーん、私も何か食べようかな」

 マナは辺りを見まわす。先ほど走った来た時は眼につかなかったが美味しいものが沢山ある。

「それじゃあ行きましょうー」

 マナの合図で皆は歩き出した。シンジの両隣にマナとアスカ、トウジの隣にはちゃっかりとヒカリである。ケンスケは・・・・

「どうシンジ君、浴衣似合うかしら?」

 ウインクをし胸元をちょっと開ける、シンジは美しさにドキリした。

「う、うん、に、似合うよ」

「ふふ、ありがとう」

 赤くなるシンジ、だがアスカはおもしろくない。

(もう!マナの色香にだまされて)

(ふふふ、これはポイント高いわね)

(あービックリした。浴衣を着ると皆色っぽいなー、心臓がギッチョンギッチョンいっているよ)

 ちゃっかりヒカリはトウジにアピールしていた。

「す鈴原、似合うかしら?」

「まあ、似合うとる」

「あ、ありがと」

 ヒカリは真っ赤になっていたが、トウジは何もおもわなかった。出店に気を取られていた。

(可愛いって言ってくれた。嬉しい!)

 ちょっと勘違い。

 ケンスケは。

(ふっ、ちくしょう!こうなら写真を撮りまくってやる)

 血の涙を流し、シャッターを押しつづけた。


 今回はLAS色が強すぎたかな?今回はちょっと時間が足りなくてこれだけしか公開することができませんでしたm_ _m

 まあとりあえず全員そろったのでヨシとします(何がだ?)

 こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


第弐拾参話 花火大会、6時間前 第弐拾伍話 花火大会その2

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