エヴァンゲリオン学園
第弐拾六話
the END of 夏休み
「アスカ、一生のお願い!」
今日は珍しくシンジがアスカの家に来ていた。アスカの部屋シンジが両手を合わせてお願いしていた。
「ダメ!」
「そこを何とか」
アスカはイスに座ってシンジの拝む姿を見て呆れていた。
「もう、いつもいつも宿題をためるんだから」
今日は8月31日、楽しい夏休みは今日で終わり、シンジは宿題をやっていなかった。
「だからこうして頼んでいるんだ。お願いアスカ様!宿題を見せてください」
手を合わせることから土下座に変わる。
「少しはやったの?」
「少しはね」
アスカは呆れながら、机に乗っている宿題のプリントを手に取った。シンジはその瞬間顔が明るくなる。
「ありがとうアスカ」
サッと手を伸ばすが叩かれる。
ペシッ!
「いったー、何するんだよ?」
「ダメよ、教えてあげるから。ちゃんと自分でしないと身につかないよ」
「えー?いいよ宿題なんて提出するだけなんだから」
「ダメ!教えてあげるから早くプリントを持ってきなさい!」
「は、はい」
アスカの迫力におもわず背筋を伸ばし自宅に戻っていくシンジ、ブツブツ呟いた。
「どうしてアスカに命令されなくちゃいけないんだ?」
そう言いながらキチンとプリントを持って戻ってきた。アスカはうんうんと笑顔になっていた。
「それじゃあ始めましょうか」
ミニテーブルを出しシンジは仕方なくプリントを広げる。
「えーシンちゃん、全然やってないじゃない」
「少しはやってるよ。ほら」
シンジはプリントを1枚見せるが半分にも満たない。アスカは頭を抱えてため息をついた。
「・・・これはやった内に入らないの」
「そうかな?」
「そうなの。はい鉛筆を持って、まずは数学からね」
アスカは数学のプリントをシンジの前に置いた全然やっていない。
「始めは自分の力で解いてね。それでわからなかったら教えてあげる」
「全部わからない」
ガクッ!
「・・・」
テーブルにうつ伏すアスカ、もはや呆れを通り越して声も出ない。
「もうっ!こうなったら厳しくいくわよ。最初はこの問題」
シンジの家庭教師になり、厳しく指導していく。シンジは迫力に圧倒され素直に聞いていく。
「ねえアスカ、そろそろ休憩しようよ」
「ダメ!あと1枚終わってから」
やり始めてからすでに2時間経っていた。シンジは疲れてきて集中力が無くなってきている。
「ケチ」
「シンちゃんが悪いんでしょ!」
「は、はい」
教えてもらっている立場、文句も言えずに渋々プリントに書きこんでいった。
「終わりね、休憩にしましょう」
「ふうー」
シンジは疲れて仰向けになった、教えてもらったので半分はできあがった。アスカは飲み物をいれるために台所に向かう。
「ねえシンちゃん、どうして宿題を今までためてたの?する時間はあったでしょう?」
アスカは運んできた、ジュースを1口飲むと聞いてみた。
「早くしてもねえ、それに後からするのが僕のポリシーなんだ」
「・・・・・それで結局は私を頼るんだから。来年は自分でやってよね」
「来年はバッチリ」
「・・・・」
シンジはガッツポーズで答えるが、毎年同じ事の繰り返しなのでアスカは期待していなかった。
「アスカ、今年も泳げるようにならなかったね」
「な、何よいきなり」
「運動神経が良いのに泳げない、謎なんだよな」
「人には得意不得意があるの」
「これだけで学会に発表できるだろうな」
「もう!休憩はおしまい。準備して」
アスカはムッとして休憩を早めに切り上げた。シンジは不服だったが今は従う事しかできない。
「わかりました」
その後シンジはなんとか宿題を完成させる事ができた。
夏休み編はおしまい(そんなに進んでいないですね)
今回はあっさりとしましたが、次回からは・・・・考えていません(^^;)
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第弐拾六話 the END of 夏休み