エヴァンゲリオン学園
第伍話
違う朝
ピピピピ!
カチャ!
「う、うーん」
アスカはベットから降り背伸びをして、顔を洗い朝食を取る為に台所に向かう。
「ママおはよう」
「おはようアスカ、昨日はごめんなさいね」
「だいじょうぶよ」
「そうよね、ママ達よりシンジ君との方が楽しいわよね」
「もう」
アスカは真っ赤になっていた。
「ふふ、ごめんなさい。さあたべましょう」
二人は椅子に座り朝食をとる。
「パパは?」
「泊まりこみなのよ」
「そう・・」
アスカは暗くなる、両親は忙しくて家族3人で食卓を囲むことが少なかった。
「明日帰ってくるから、ごちそうにしましょう、アスカも手伝ってね」
「うん」
キョウコの声ににこやかに答える。アスカの食も進んだ。
「ごちそうさま!」
アスカは素早く洗面台そして部屋に戻り身支度を整える。最後に鏡にむかい笑みを浮かべる。毎朝幼なじみを迎えに行く時に日課。
「よし!」
「いってきます」
「気をつけてね」
キョウコに見送られ玄関を出てすぐに隣の玄関を開ける。
「おはようございます!!」
「おはようアスカちゃん」
ユイが台所から顔をのぞかせる。廊下を通りシンジの部屋に向かう。
ふすまを開けるとシンジは毎度の事ながら、布団に包まって寝ていた。ベットの下には漫画本が転がっている。
「ZZZZ」
「ZZZZZ」
「・・・シンちゃんまた夜更かししてる」
アスカは呆れて布団を剥ぎ取ろうと掴んだが、昨日の事を思い出し違う方法で起こすことに決めた。
つんつん!
「シンちゃん、朝だよ」
「ZZZZ」
アスカはシンジの頬をつついた。
つんつん!!
「ZZZ・・」
つんつん!!!
「ZZ・・」
つんつん!!!!
アスカのつんつん攻撃は強くなっていった。まだ起きない。
「シンちゃん!!」
ぐりぐり!
アスカはシンジの頬をこぶしを握りぐりぐりした、さすがに目を覚ました。
「シンちゃんおはよう」
アスカは何事も無かったかのようにニッコリ笑う。
「・・・おっおはよう・・・」
シンジは頬の痛みを感じながら、ただ挨拶をするだけだった。
「それじゃあ、まっているから来てね」
「・・うん」
アスカはシンジの部屋を後にした。
「頬が痛いな・・・何か恐ろしい夢みたいだったけど・・・」
頬をさすりながら、夢の事を思い出していた。
「あれ、おじさまは?」
いつもの椅子にゲンドウは居なかった。
「アスカちゃんのパパと一緒に昨日から泊まりこみなのよ」
「そうですか」
ユイからコーヒーを渡され、飲んでいるとシンジがやって来た。
「おはよう!あれ父さんは?」
「泊まりこみなのよ」
「ふーん」
シンジは椅子に座り朝食をとる。今日は時間があるようで、ゆっくり食べている。
モグモグ!
「ごちそうさま!」
それからシンジは用意をして玄関に向かう。
「「いってきます!!」」
「いってらっしゃい」
ユイに見送られ二人はいつもの通学路を歩いた。
そして学校近くの十字路に来た昨日シンジとマナがぶつかった場所、シンジはマナの来る方向を見たが来る気配はなかった。
「どうしたのシンちゃん?」
「いっいや、なんでもないよ」
シンジは慌てふためいたがアスカはわかっていた。
(マナの事が気になるのね・・)
アスカは寂しくなった。
学校につき、下駄箱に向かう。アスカは下駄箱を開けるとラブレターがドサドサと、足元に落ちる。ラブレターを拾い鞄にしまいこみ教室に向かう。
アスカは一応は全てに目を通すのだがすべて断っている。
「まったく飽きもしないね、断っているみたいだけど好きな人でもいるの?」
「え?・・その・・あの・・・」
いきなり言われるものだからアスカは、焦った。
「誰?」
「・・・あの・・しらない」
アスカは赤くなって急いで教室に走った。取り残されたシンジは首を傾げていた。
「誰なんだろう・・」
とことん鈍いシンジであった。
「おはよう、アスカどうしたの?顔が赤いよ」
「何でも無いの、走ってきただけなの」
「ふーん、碇君は?一緒じゃなかったの」
「しっしらないわ」
「へー」
ヒカリは怪しい目で見ていたがアスカはしらんぷりして席に座った。暫くするとシンジがやって来た。
「碇クンおはよう」
「おはよう、委員長」
ドアのところにヒカリがやって来て、シンジに呟いた。
「ねえアスカどうしたの?」
「え?何が」
「アスカと一緒じゃなかったじゃない」
「下駄箱まで一緒ッだったけど、しらないって言われて走り出したんだ」
「ふーん」
ヒカリは何か考えていたが、アスカの行動は大体わかっていたので聞いてみることにした。
「それっていか「ヒカリー!」
後ろにはアスカが立っていて、ヒカリを睨んでいた。
「アッアスカ・・・」
「ヒカリ!余計なことは言わない」
「はい」
ヒカリは首根っこを掴まれその場を退場させられた。
「何だったんだろう?」
シンジは頭をかき、首を傾げた。
「い・か・り・く・ん、おはよう!」
「うわ!」
後ろを向くと両手に鞄を持ったマナが立っていた。
「なに、いきなり驚いて失礼しちゃうわ」
「ごめん、いきなりでビックリしたからおはよう」
「おはよう」 ニコ!
マナスマイル、シンジは赤くなったがマナはそれが可愛く見えた。
「席にいこう」
「うん」
昨日決まった席につく。アスカはもう席についていた。
「アスカおはよう」
「おはよう」
アスカとマナは顔を見合わせて笑っていたが、アスカはシンジには少し怒りの視線があった。
しかしそれにも気づかないシンジであった。
そして時間が立つにつれて生徒がどんどん登校してきた。
キーンコーン!カーンコーン!
ホームルームの時間、ミサトが元気良く教室に入ってきた。
「おはよう、みんな!」
出席をとり今日の伝達事項を伝える。
「それじゃあ授業、頑張るのよ!」
ミサトは教室を出ていった。
1時間目、2時間目と過ぎていった。3〜4時間目は体育である。男子は教室、女子は更衣室で着替えるために移動する。
「よっしゃ!いこうか」
トウジは張り切ってグランドに出た。男子は野球、女子はバレーボールだ。
チームで3バカトリオは一緒になった、まずは先行である。一番、二番はあえなく凡退(名前無し)三番はシンジだ。
「シンジ、たのむでー」
「わかったよ」
トウジが激を飛ばす。シンジはバッターボックスに入り構える。ピッチャーはオーバースローから第1球。
バシ!
「ストライク!」
外角低めが決まる。
「ふうー」
第2球、内角高めのボール球。
ブン!
「ストライク!ツー」
空振り。
「シンジ!よう見て打つんや」
「わかった」
第3球、ピッチャー振りかぶり投げる、シンジはボールをよく見ていた。
「ボール!」
また内角ぎりぎりで外れた。
第4球・・・・
カキン!!
打球はサードベースに当たりレフトに転がる。シンジは全力で二塁まで進んだ。
「シンジようやった!後はまかせろや」
「トウジたのんだ」
トウジは束ねたバットをまわす。そして自信満々でバッターボックスに向かう。
「さあ、こい!」
女子もチームにわかれていたアスカはヒカリやマナと他の3人と組んでいた。3チームできたが、バレーのコートは一面しかなくアスカのチームは座っていた。
「ねえアスカ!バッターは碇君だよ」
ヒカリは男子方を指差した。
「ホントだ」
「打つかな?」
「打つよ」
「へえーアスカ自信があるのね、シンジ君上手なの?」
隣に座っているマナが興味深そうに聞いてきた。アスカは誇らしげに答えた。
「上手だよ」
「ふーん」
アスカ達はシンジの打席を見ていた。
1球目は見送り、2球目は空振りだった。
「あらーシンジ君」
(シンちゃん頑張って)
アスカは無意識に手を組み祈っていた。
3球目見送り、4球目・・・・
「きゃあーやったわー」
マナは立ちあがり叫んだ。アスカにヒカリ、その他の女子は突然でビックリした。
「あ・・・」
マナは恥ずかしく顔を真っ赤にして座った。アスカは二塁のシンジを見て喜んだ。
(よかった)
その次の打席にはトウジが立っている。
「ヒカリ、次はトウジ君よ」
「アスカ、どうして私に言うのよ」
アスカは笑ってヒカリを見た、少し怒ったが結局は観戦した。
カキーン!
「よっしゃあ!」
打球はレフトの頭上を越えてフェンスに当たった、ホームランである。トウジはガッツポーズをしてゆっくりとダイヤモンドを回った。そしてみんなに出迎えられる。
「トウジ、ナイスホームラン!」
「よくやった」
「すごーい!」
ヒカリは座ってはいたものの叫んでしまった。アスカとマナはビックリして、ひっくりかえった。
「ねえアスカ、ヒカリってどういう性格?」
「いつもは真面目だけど、たまに私でもついて行けなくなるの」
ひっくり返りながら二人でひそひそ話していた。ヒカリはダイヤモンドを回っているトウジを見つめていた。
五番はケンスケ。
「打てよー」
「わかった、わかった」
自信たっぷりのケンスケ・・・・・空振り三振。
(俺の出番はーーーー!!!) 魂の叫び
その時、アスカ達はコートに入って対戦していた。
「アスカボールいったわ!」
「うん」
アスカのつんつん攻撃からぐりぐり攻撃へシンジも幸せ?でしょう。
体育ですがサッカーが定番と思いますが、jun16は野球の方が好きなのでこっちにしました別に意味はありませんが途中から野球小説になってしましましたすいません。(m_ _m)
ケンスケですがやはり・・・運命ですね。出番がありません。ケンスケファンはすいません。
女の子が見ていると張り切るものですね。
題名ですが朝のシーンは最初しか出てきません。マナが登場してからの朝ということで、違う朝とつけました。
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第伍話 違う朝