エヴァンゲリオン学園
第七話
波乱!幕開け
マナは楽しい朝をすごしていた。エプロンを着け台所にたっていて調理をしている。
そしてテーブルには二つの弁当箱、一つはいつものマナが使用している小さいピンクの弁当箱、もう一つはそれより大きい真新しい青い弁当箱である。
調理を終えておかずを丁寧に盛り付けしていく。
「♪♪♪♪〜」
鼻歌を歌いながら手際よく進めていく。特に青い弁当箱の盛り付けはマナ自身の弁当の盛り付けより豪華になっていた。
「ふふ、驚くわよね」
盛り付けも終わり、完成を確認する。気に入らないと直し確認、何回も繰り返す。
「よし!完璧」
マナは弁当を見て、完成の高さに納得する。
「さあてご飯!ご飯!」
アスカはいつもより早く起きた。眠い目をこすりながら洗面台に行き、眠気を飛ばす。そして台所に向かう。キョウコが朝食を作っていた。
「ママ、おはよう」
「あらアスカ、早いのね」
「へへ、お弁当は私が作るわ」
キョウコは驚きはしたが、すぐににこやかにアスカを見た。
「珍しいわね、明日は雪かしら」
「違うわよ、友達は自分で作ってきてるから私も作るだけなの」
「そう、じゃあ頑張ってね」
「うん!」
キョウコが朝食を作っている隣でアスカは準備をした。卵をときフライパンを温め、油をひく。冷凍物に手を加え形つくる。
「♪〜♪」
調理を終えたおかずは皿にのせられ、盛り付けを待った。キョウコは一つをヒョイッと口に入れ味を確かめる。
「あっママ!」
モグモグ
「うん、美味しいわよ。流石にシンジ君にいつも作っているだけあるわね、喜ぶわよ」
「どうしてそこでシンちゃんがでてくるの!」
アスカは手を止めて怒ったがキョウコは微笑んでいた。
「シンジ君のお弁当なんでしょ」
「ちっ違うわよ!私のお弁当よ!」
真っ赤になって否定する。
「シンジ君もユイに作ってもらうよりアスカに作ってもらうほうが喜ぶわよ」
「シンちゃんパンだよ」
「あら?そうなの、ユイは作らないのかしら」
「パンにして余ったお金を貯めているみたい」
「ふふ、シンジ君らしいわ、ほしいものがあるのね。アスカが作ってやればシンジ君も喜んで早くお金貯まるわよ」
「ダメよ、シンちゃんが得するじゃない。甘やかしたらダメ!」
アスカはどうしても真っ赤になってしまう。
「はいはい」
キョウコは朝食を配膳し始めた。アスカはできた料理を盛り付けしながら、さっき言われたことを考えていた。
(作ってみようかな・・・・・・)
そして身支度を整えたアスカは登校の準備をして日課のシンジを起こしに行った。
「おはようございます!」
玄関を開けて、元気がいい挨拶。ユイがいつものように顔をのぞかせる。
「おはようアスカちゃん」
ふすまを開けると、シンジはまだ寝ていた。床にはまた漫画本が置かれていた。徹夜したのだ。
「ZZZZZZZ」
「・・・・シンちゃんたら」
アスカはため息をつき呆れた、いつも夜更かししないように注意して言っているのだが、シンジは全然聞かない。むしろひどくなってきている。
しかしアスカはこの状況を楽しんでいた。今日はどうやって起こそうかと、いつも考えていた。
「どうやって起こそうかな」
アスカはベットの前で腕を組み考えた。
!
おもいついたらしく、アスカはシンジの顔に近づいた。
アスカは真っ赤になり心臓が高鳴りしている、シンジは眠っていて気づかない、シンジの耳に手を添え顔にあと数センチ、アスカは目を閉じた、そして。
「シンちゃん!起きろー!」
今日は耳元で叫んで起こした。当然シンジは一発で起きた。
ガバ!
上半身を起こし周りを見まわす。横にはアスカが微笑んでいた。
「シンちゃんおっはよう!」
「・・・・・おはよう・・・」
アスカは目覚めを確認すると台所に戻った。シンジはボサボサの頭をかき、キンキンする耳を触って頭をひねった。
「どんな夢だったのかな・・・・・」
ボケっとしていた。
二人は並んで登校、幼稚園時から続いている、幼稚園時は手をつないでいたが小学校1年のときにクラスメートから冷やかされてそれ以降はだた並ぶだけだった。
「ねえシンちゃん」
「ん?何」
「今日もパンなの」
「そうだけど」
シンジはアスカを見た。
「お金貯めているのよね」
「別にいいだろ」
シンジは邪険に払う。
「貸してあげようか?」
「アスカから貸りるなんてできないよ」
「そう・・・・・」
アスカはうつむいたが、内心は嬉しかった。私を大事に思っていると感じた。
「パンでお腹ふくれるの?」
「まあまあかな」
「作ってあげようか?」
「え?」
アスカは赤くなりながら、おもいきって言った。シンジはアスカを見て驚いている。
「べっ別にいいよ」
シンジは照れながら急ぎ足になった。アスカはその場に立ちのこされた。
「あ!待ってよ、もう」
短いなあm_mすいません。
別に波乱の幕開けでもありませんね。
七話冒頭にマナは二つのお弁当を作っています、それを意中の人に渡して・・・・それから波乱が始まるわけです。(波乱と言うかわからないけどjun16の執筆力しだいです)
皆さんの予想通り?にアスカVSマナのエヴァ鋼鉄の対決になります。(爆)
「勝負よマナ!」
「私に勝てるかしら」
エヴァ弐号(アスカ搭乗)と参号(マナ搭乗)は互いに睨みあう。動かない、いや動けないのだ。二人の力はほぼ五分、一瞬の隙が命取りになる。
時間だけが過ぎていく、エントリープラグ内の二人はレバーを握り締めている。相手の出方を伺う。
アスカは耐え切れずに勝負にでた。参号に向かって走り、間合いに入ると顔に右ストレートを出す。
ガシ!
「うっ」
「アスカ!甘いわよ」
マナは寸前で受け止める。そして同じく顔に右ストレートを打つ。
ガツ!
しかしアスカも寸前で止める。
「どうしたの、マナ」
「フン」
互いに右コブシを左手に掴まれた状態で、押し合う。
「「クッ!」」
ザザザ。
押し合いで地面に足がめり込む、アスカは素早く左足を曲げ重心を左足に移す、そして右足で胴を蹴る。
「もらった!」
ドカ!
「うっ!」
苦しみ、唸り声を上げるマナ、アスカは休まず攻撃を続ける。
ドコ!ドカ!
蹴りの連発、参号は膝をついた。
「終わりよマナ!」
弐号のコブシが右頬を狙う。
「調子に乗ってるんじゃないわよ!」
サ!
マナは足払いをした、弐号は体勢を崩しあお向けになる。
「はあー」
参号をジャンプさせそのまま、弐号にニードロップ。
グシャ!
「うぐっ」
アスカは顔をゆがめ苦しみに絶える。マナは攻撃を休めない。
「さっきの威勢はどうしたの」
「はあ・・はあ・・・」
アスカは攻撃を逃れ、互いに距離を取る、また膠着状態が続く。二人とも息が上がり苦しんでいた。
((そろそろ勝負をつけないと・・・・))
身体は限界にきていた、互いに次の勝負が最後になる、確信していた。隙をうかがう。
雲で隠れていた太陽が顔を覗かせ参号の目に入る。
「う、眩しい!」
「今だ!」
弐号は走り出し、参号を狙う。一瞬、参号は遅れたが弐号に向かって走り出す。
「遅いわ!」
弐号は右ストレートをだす。参号も同じく右ストレート、クロスカウンターだ。
互いに打つ、相打ちか?それとも?その時、叫びながら走ってくる人がいた。
「二人ともやめてーーー!」
アスカ、マナは聞き覚えのある声のした方を見た。
「シンちゃん!」
「シンジ君!」
ドゴーーーー!!
シンジに気を取られていた二人は相打ちになり、その場に倒れる。
弐号、参号は動かなくなった。
「アスカーー!!マナーー!!」
シンジは二機の元にたどりついた。動く気配はない。
「どうして、こんなことを・・・」
シンジはその場にたたずんだ。
次回予告
決着がついた二機のエヴァ!アスカ、マナの生死は?
「うそだろ、目をあけてくれよ、いつものように笑ってくれよ」
病院、シンジの目の前には担ぎ込まれた愛する人。
「うっううわーー!!どうして、どうしてなんだ!!」
シンジの瞳から涙が流れ、ベットに寝かされている、愛する人の顔にそっと触れる。
「・・・・・」
その唇は開かない、瞳は閉じている。
シンジに話すことができない唇、そしてこの世界を、シンジを二度と見ることができない瞳。
「僕はもう・・・・」
ショックを受けたシンジはみんなの前から姿を消す。
エヴァに乗るパイロットはいない。
そして・・・・・
エヴァンゲリオン学園:第八話 この瞳閉じた世界
こうご期待!
いきなりの展開!次回が見逃せませんね。はたしてシンジはどうなるのか?アスカとマナは?
こんな連載小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
エヴァンゲリオン学園:第七話 波乱!幕開け