CHILDREN LIFE

ACT.17

姉妹誕生

 ♪〜〜♪〜〜っと、どうして平日の朝って時間が短いのかしら?ゆっくり準備もできやしないわ。美しくて綺麗で長くてつやのある髪、時間をかけてとかしたいけどできないのよね〜、制服に着替えて勉強の準備をして・・・漢字の宿題はシンジが持っているわね。漢字書くのは難しいのよね〜〜、全て英語なら良いのにまったく日本の教育は遅れているわ。だから古臭い宿題はシンジにやらせておけば良いのよ。

 愛用のヘッドセットを整えて鏡の前でポ〜ズをとって・・・うんバッチリ!アスカ行くわよ。

 部屋から出ると、シンジはまだ朝ご飯の後片付けをしている、遅いわね〜〜まあ男の子は準備が早いから別に良いわね。

 ミサトはリビングで寝そべってTVを見てる、遅く行って良いからってノンビリしすぎよ、たまには掃除でもしなさい!

「ん〜〜アスカ、なんか言ったぁ〜」

「いいえ何も、でも食べた後寝転がると太るわよ」

 そう食べた直後が危ないの、アタシはミサトみたいにならないように心がけているわ。

「だ〜〜いじょうぶ、だ〜〜いじょうぶ、この美しくナイスバデ〜のミサトさんが太るわけないじゃない。むしろやせているのよん」

 ・・・お気楽な保護者ねえ〜〜、今は大丈夫かも知れないけど絶対に2〜3年後には今の倍になっているわよ。

 そういえばファ〜スト、今日から一緒に登校するのね、なんだか変な気分ね。まだ準備ができていないのかしら?

 

CHILDREN LIFE

 

 わくわく、わくわく

 今日から碇クンと一緒に登校うれしい、一人で学校に行っていた時はうれしくなかった、学校で碇クンに会えた時うれしかった。それが登校時からうれしい。

 この制服は碇クンに見せるもの・・・ぽっ

 でも制服より私を見てほしいわ、本当の私を・・・ぽっ

 本当の私・・・碇クンが以前家に来てくれた時の私の姿・・・ぽっ

 そう、あの姿をしていれば良いのね。

 ぬぎぬぎ、ぬぎぬぎ

 くしゅんっ

 ちょっと寒いけど平気、碇クンが見てくれるから・・・ぽっ

「ファ〜スト、遅いわよまだな・・・ア、アンタ!何素っ裸になってんのよ?」

 突然襖が開いて碇クン・・・じゃなくて赤毛SALが残念。

「だれが赤毛SALよ、アンタ死にたいわけ?それよりどうして裸なのよ」

 言ってないのにどうしてわかるの?流石SALね・・・裸、そう私は裸なのね、生まれたままの姿・・・碇クンに見せるため・・・ぽっ

「裸・・・碇クンに見せるの・・・ぽっ」

なっ!何ですって〜〜!?

 大声出して何を驚いているの?五月蝿いわ、SALってどうして五月蝿いのかしら。

「碇クンに見せるからどいて、そこ邪魔なの」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、なに考えているのよ?早く服を着なさい!」

「どうして着なくちゃならないの?碇クンに見せてからで良い?」

「良いわけないじゃないの、ほら早く着なさい」

 あううう、SALが無理やり私に服を着させていく。

「アスカやめて、あん」

「色っぽい声出すんじゃない、まったく遅刻するじゃないのよ」

 遅刻・・・そう遅刻なの・・・別に遅刻しても良いわ碇クンが一緒なら。

「ぐずぐずしないで腕を上げて、ブラが着けられないじゃないの」

「アスカ、おかあさんみたいに五月蝿いのね」

 おかあさん、小言が五月蝿いの、それにお姉さんって呼びなさいって脅かすし。

「アンタが鈍くさいからよ、まったくできの悪い娘を持ったようなものね」

 娘って・・・私は娘なの?

「アスカ」

「何よ?ほらスカ〜トをはいて」

「おかあさんって呼んでいい?」

 ゴンッ!

 アスカ、豪快に床に頭をぶつけたわ、新しいギャク?

「な、何言ってんのよ。アタシはおかあさんって歳じゃないわよ」

「そうなの?」

「そうよ、おかあさんはリツコやミサトに言えば良いのよ、アタシはね〜〜」

 

CHILDREN LIFE

 

 まったく〜何言うのかしら、おもいっきり床に頭をぶつけたじゃないのよ、あいたたた。アタシがおかあさん?ばっかじゃないの?

 でも・・・ファ〜ストって何かと手間がかかるから本当に子供みたい、って子供なのよね。

「アスカどうしたの?」

 おかあさんか〜〜〜ママ・・・ママは・・・

「アスカ、スカ〜トはいたわ」

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・

「ファ〜スト、おかあさんは年齢的に無理だからお姉さんって呼んでも良いわよ」

 ママにはなれなくてもお姉さんにはなれるわよね。

「お姉さん?」

「そうよ、今からアタシの事をお姉さんって呼んで良いわよ、優秀な姉を持って幸せね」

「そうなの?アスカ優秀なの?」

 むっ、何よ首を傾げてアタシは天才美少女なのよ。

「優秀よ、そしてアンタはできの悪い妹よ」

 はあ〜〜できの悪い妹を持つと苦労するわ。

「私はできが悪いの?」

「そんなに悪くは無いけど、しいて言えば天然ね」

 そう天然、世間で言うところの萌え〜ってやつね。

「天然?そう私は天然なのね」

「そうよ、でも可愛いから大丈夫よ」

 ファ〜スト、同性のアタシから見ても可愛いし、絶対にもてるわ。

「可愛いの?」

「そうよ、アタシは美人、アンタは可愛い、最強の姉妹ね」

 ふふふふ、エヴァのパイロットだしその気になれば世界征服できるわ。

「アスカ、恐ろしい事考えちゃダメよ」

 おおう、どうして考えている事がわかるのかしら?

「世界征服なんてしないわよ、安心しなさい」

「そう良かったわ、じゃあサヨナラ」

 サヨナラってどこいくのよ?

「お決まりなの」

「はあ?」

「私の名台詞、一日一回言うのが目標なの」

 ・・・な、なんて低落な目標なの。

「はいはいわかりました、ほら次は上着を着なさい」

 そうそう、ファ〜ストはまだ上着を着ていなかったのよね、今はまだブラ一枚、シンジが見たら転倒するわよ。

「うん」

「そうそう、自分で着るのよ」

「アスカ、お姉さんじゃなくておかあさんみたい」

 うっ、確かにおかあさんみたいだわ。アスカおかあさんになっちゃう。

「だ〜か〜ら〜おかあさんじゃなくてお姉さんなの!アスカお姉さんって呼んでみなさい」

 

CHILDREN LIFE

 

 ・・・言わなくちゃいけないの?じゃあ言うわ

「アスカおかあさん」

 ゴンッ!

 アスカお約束ね、今度は柱に頭をぶつけたわ。

「あのね〜〜〜ファ〜スト、お姉さんって呼びなさいよ」

「じゃあ私のこともレイって呼んで」

 私は綾波レイ・・・でも近々碇レイになるの・・・ぽっ

「そうね、アタシも名前で呼ばないといけないわね。レイ学校に行くわよ」

 アスカが私の名前を呼んでくれた、嬉しい。

「うん、アスカ・・・アスカお姉さん」

「よしっ」

 アスカお姉さん、ニッコリ微笑んでいるよっぽど嬉しいのね。



「アスカ〜〜〜綾波〜〜〜行くよ〜〜〜」

 襖の向こうから碇クンの声が、そう学校、学校なのね。

「レイ行くわよ」

「うん」

 今日から新しい登校、アスカがお姉さん、新しい絆なのね。


 レイちゃんの仕度が遅いとアスカちゃん行ってみれば・・・レイちゃん素っ裸(笑)アスカちゃん驚きですね。

 アスカちゃんお姉さん宣言、ミサトさんを抜いて葛城二姉妹ですね(ミサトさんに姉は無理がありますからね^^;)

 新しい絆を手に入れたレイちゃん、嬉しいですね。

 こんな連載短編小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


ACT.16 朝食 ACT.18 ミサト、おかあさんになる?

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