CHILDREN LIFE
ACT.21
静まらない教室
あ〜〜あ、教室中ガラスの破片が・・・これで何回目かしら?ヒカリの勘違いにも困ったものだわ。
一時間目の授業まだあと少し、そうそう漢字の宿題があったわ、ふふちゃぁんとやってきたから問題なし!
「シンジ〜プリントちょうだい」
「あ〜うん」
漢字なんて日本人が使うものは日本人がやれば良いからシンジにやらせたのよね。書き取りなんて古臭い方式、アタシには必要ないわ、シンジにお似合いよ。
「はい」
「サンキュ〜」
流石シンジちゃんとやってきてるわね、それはそうよやってこなかったら、月にかわってピンタよ。どれどれ〜〜〜あ〜〜〜〜!!!
「シンジ〜〜〜何よこれ〜〜〜!」
プリントを開いてみたら驚いたわ。
「何が?」
「何がじゃないわよ、やってないじゃない」
そうプリントは真っ白、な〜〜〜んにも書かれてないわ。
「ええ?そんなはずはないよ。ちゃんと昨日やったんだから」
「ウソおっしゃい、ほら!」
アタシはプリントをシンジの顔面に押し付けたわ、まったくやらせんるんじゃなかったわ。
「うわっぷ、何するんだよ〜〜どれどれ、本当だ、何も書かれてないや」
「何がやったよ寝ぼけていたんじゃないの?」
「おかしいなあ〜〜確かにやったはずなのに・・・」
シンジ頭をかいて首を傾げているわ、若いのにボケが始まったのかしら?これはお仕置きが必要ね。
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あれ〜〜〜?確かにやったはずなのに消えている?これはどうしてだろう?誰かの陰謀かな策略?謎だ。
「アスカこれは問題だよ」
「何がよ!」
「確かに僕はやったんだ、でも消えている」
そう消えている、これは問題だ。
「消えているってやってなかったんでしょうが!」
そうかな、確かに自分のと一緒にやったんだけど・・・僕のはどうかな?プリントを見てみようっと。
あれ?自分のはちゃんとやってるや、これは不思議だ。
「何が不思議よ、アンタ自分のだけがやってアタシのはわざとやらなかったんでしょ」
「そんな事無いよ」
「お黙り!」
ひっ!アスカが手を振り上げた、ピンタが来るよ〜〜こ、殺される〜〜〜
「シンジ、覚悟はいいわね?」
「い、いやだ・・・」
逃げよう、逃げるんだ〜〜〜
「待って」
えっ綾波?
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碇クンが殺されちゃうわ、そんな事はさせない。碇クンは私が守るもの。
「何よレイ、どきなさい」
私は今碇クンを守っている、そう体を張って・・・ぽっ
「宿題は自分でやらなくちゃダメなの」
「漢字なんてものアタシには必要ないのよ、だからシンジにやらせているのよ」
そうなの?
「必要ないって、これ読める?」
私は黒板に字を書いたわ、みんな注目している、当然碇クンも。
「うっ・・・そ、そんな漢字あるの?」
額に汗を浮かべて困っているわ、わからないのかしら?
「綾波さん凄いわね、檸檬が書けるなんて」
ヒカリさん凄い、レモンが読めたわ流石委員長、それに比べアスカお姉さんは・・・
「なんでそれがレモンて読めるのよ〜〜〜どう見たってレモンって読めないわよ」
「それはアナタがへっぽこだからよ」
「むき〜〜〜レイのくせに生意気よ〜〜!」
へんな言い訳言われても困るわ。でも安心して。
「私も宿題やってきてないわ、姉妹そろって廊下に立ちましょう」
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え?今綾波さんの口から「姉妹」と言う単語が、姉妹って姉妹よねえ。
「いやよ、レイ一人で立ちなさい。シンジッ!アンタのプリント貰うわよ」
「うわっダメだよ」
「アスカお姉さん、一緒に立ちましょう、バケツ持って・・・」
「いや〜〜〜〜立ちたくなあい!」
今度は「お姉さん」アスカのことをお姉さんって呼んだわ、二人って姉妹だったの?
「ねえ綾波さん」
「何?」
「今アスカのことお姉さんって呼んだわよね」
「ええ」
聞き間違いじゃないわね。
「あなた達姉妹なの?」
「そうなの」
し、知らなかったわ。二人が姉妹だったなんて・・・ふ、不覚、委員長としてクラスみんなの事を把握していたつもりだったのに・・・まさか二人が姉妹だったなんて、私とした事が・・・まだまだ委員長として未熟ね。
・・・でも姉妹なのに苗字が違うのは何故かしら?それに今までお姉さんとか名前で呼んでいなかったのに・・・
・・・はっ!そうねそうだわ、今まで何らかの事情で二人は生き別れに、それが運命に導かれエヴァのパイロットになって、そして偶然二人が姉妹であった事に気づいた。な、なんて数奇な運命なのかしら!
「アスカ!綾波さん!」
がしっ!
私は二人の手を握って・・・ううっ涙がでてきたわ。
「なっどうしたのヒカリ?涙が流して?」
「?涙・・・悲しい時に流れるもの・・・嬉しい時に流れるもの・・・どっちなの?」
「今まで辛かったわね、これからは姉妹仲良くね」
そう、私にも姉妹がいるからわかるわ、ほんの少しでも居ない時は寂しいのよね。
「はあ〜〜?ヒカリなに言ってんの?」
「うん、ヒカリさんありがとう」
綾波さん素直に喜んでいるのにアスカトボケているわ、良いのよアスカ強がらなくても。
「アスカ素直になって、姉妹はね大切なのよ」
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ヒカリったらアタシとレイが姉妹だって勘違いしているわね。まあレイがアタシの事お姉さんって呼んだんだから無理ないか。
「ヒカリ、姉妹って言っても本当の姉妹じゃないのよ。実はね・・・」
「ま、まさかアスカと綾波さんて・・・そんな関係だったの?」
こらこら何変な事考えてんのよ、姉妹のように仲良しなのよ。
「同じエヴァのパイロットの二人は夜な夜な禁断の甘いせつない密会を繰り返し、愛は燃え上がって萌え上がって〜〜〜〜」
ヒカリ・・・どうして姉妹からそこまで想像できるのよ。なんか変な本読んでいない?
「きゅあ〜〜〜不潔〜不潔よぉ〜〜〜!!百合なんて不潔〜〜〜!!」
ぴきぴきぴきぴき〜〜〜!!
げっげ!壁にひびがはいっちゃった。さっきのガラス割りといい凄い音質ね。
「ちょっとヒカリ、何誤解してるの。違うわよ」
「誤解も六階もないわ〜〜〜百合ぃ〜〜〜〜!!!」
ダメ、もうヒカリを止められないわ。このまま静まるまで無視しようかなって・・・クラスのみんながアタシとレイを見てこそこそ話している。これはおもいっきり誤解されているわ。
「ね、ねえみんな〜〜違うわよ。アタシとレイは百合なんかじゃないからね。ヒカリの勘違いよ。そうよねレイ」
「アスカお姉さま、ぽっ」
ぶっどうしてそこで「さま」をつけるのよ、どうして赤くなるのよ。ってみんなが変な目でアタシを見ている・・・いや〜〜〜〜!!
「ねえシンジ、みんなに説明してよ。そんな関係じゃないって」
このさいシンジに助けてもらうしかないわね。
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アスカと綾波って姉妹だったんだ、知らなかったよ。
「説明ってどう言えばいいの?二人が姉妹って初めて知ったよ」
「本当の姉妹じゃなくて、仲が良いから姉妹みたいなものよ。レイがあまりにもへっぽこだからアタシがお姉さん役をやっているのよ」
仲が良いってそんなに仲良いように見えないんだけどなあ、女の子ってわからないや。それに綾波がへっぽこって・・・
「へっぽこはアスカの為にある言葉じゃないか」
ぼくっ!
「一言多い!」
う、うう・・・アスカの強烈なパンチが僕のみぞおちに・・・深く・・・
ああ・・・意識が遠のいて行く・・・
う・・・ううだめだもう全身が痺れたようになって感覚が無くってきた・・・
や・・・やっぱり一言多かったのかな、アスカを怒らせるような事を言ったらダメだ・・・
く・・・暗い死とはこういうものなのかな・・・
・・・ふふふ、教室で死ぬなんて僕ぐらいしかいないんじゃないかな・・・
・・・さよなら・・・色々あったけど波乱万丈な人生だったよ・・・
「こらっ〜〜!!!なに爽やかな顔して気絶してんのよ、起きろ!!!」
ああ・・・死神の声が聞こえる・・・
「こら〜〜〜バカシンジ〜〜〜!!」
なんだか高飛車な死神だなあ・・・さよなら僕は逝きます・・・
ヒカリちゃんの超必殺技第二弾、「ひび作り」です(笑)ヒカリちゃん勘違いが凄いですね、流石委員長。
アスカちゃん、誤解を解こうとしますが、レイちゃん何故頬を赤く染める(笑)アスカちゃんをからかっているんでしょうね。
シンジ君は何故か逝ってしまいました(爆)
こんな連載短編小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。
ACT.20 レイちゃんの爆弾発言 ACT.22 保険医レイちゃん
CHILDREN LIFE:ACT.21 静まらない教室