CHILDREN LIFE

ACT.22

保険医レイちゃん

 あ〜〜〜もう!むかつくわね、どうしてアタシが廊下に立たされなくちゃいけないのよ。

 ドタバタで結局宿題ができなかったわ、もう〜〜〜立たされるなんて人生の汚点だわ、バカシンジが気絶するから悪いのよ。

 何よ優しく叩いたのに気絶するなんて、鍛え方が足りないわアマちゃんね。次から徹底的に鍛えてやるわ覚悟しておきなさいバカシンジ!

 でも・・・はあ〜〜それにしてもマヌケな格好ね、廊下に立たされ両手にはバケツ、大昔の漫画だわ。本当ならバカシンジも立つのが当然だけど気絶したから保健室へ直行、はあ〜〜〜アタシも気絶すればよかったなあ、そうすれば宿題がなくなったのに。

 でも一人で立たされなくて良かったわ、アタシの右隣には・・・

「私が、私が立たされているなんて・・・委員長としてみんなに手本を見せないといけないのに・・・」

 ヒカリ、俯いてブツブツ呟いているわ。立たされるのは当然かな、ガラス割って壁にひびを入れちゃったからね。

「ううう、私は委員長、委員長、みんなに信頼される委員長でなければならないの・・・次の委員長選にも出馬しないと・・・」

 ヒカリ・・・大丈夫かしら?まあいっときすれば元に戻るかな。

 そして左隣には・・・

「これはバケツ、これもバケツ、私はどうしてここに居るの?どうして?どうしてかわかる?」

 レイ、相変わらず天然ねえ。

「わかるってアンタも宿題忘れてんでしょうが、だから立たされているのよ」

「そうなの?宿題があったの」

「あったわよ」

 こいつは・・・

「そう、それで何の宿題?」

 本気で言っているのかしら?

「漢字よ漢字」

「そう良かったわ」

 よくな〜〜〜〜〜い!はあ〜〜〜アンタと話すと疲れるわ、帰っちゃおうかな〜〜〜。

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・帰ろっと、このまま立っていても時間の無駄、帰ってゆっくりするのが一番ね。先生にはネルフに行くと言えば良いし、鞄は二人に持ってきてもらおうっと。

「レイ、アタシ帰るわね」

「帰る?」

「そうよ、立っていても疲れるだけだからね、先生にはネルフへ行ったって行っておいてね、それと鞄はちゃんと持ってくることヨロシクね」

 ふふふ、さあて帰ろうかな。

「そう帰るのね、猿山へ」

 こ、こいつは・・・

「アンタ本気で言っているの、冗談で言っているの?」

「どっちだと思う?」

 コロス!

「月が出ていない夜は背中を気をつけておきなさいよ、じゃあ帰るわね」

 付き合っていたら疲れるから、無視して帰る!

 

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 あ・・・帰っちゃった。でもどうしてがに股で歩くのかしら?普通に歩けばいいのに・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・わかったわ、今はSALモードなのね、だからがに股歩き。でもSALならSAL歩きが正しい、どうしてがに股なの?

「ヒカリさんどうしてかわかる?」

「そう、私は委員長、誠実な委員長なの・・・清純な委員長・・・」

 ・・・ダメ、ヒカリさんあっちの世界へ逝っているわ、誠実な委員長はわかるけど清純な委員長って何?清純は私なのそう私。

 ・・・

 ・・・

 ・・・こうして立っているだけだと暇だわ・・・暇ね、そう暇・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・碇クン大丈夫かしら?保健室で一人っきりで休んでいて・・・一人・・・

 ぽっ!

 そう一人なのね、一人、碇クンが保険室に一人







「碇クン大丈夫?」

「お見舞いに来てくれたんだね、ありがとう」

「倒れたって聞いて慌てたわ」

「ごめん、迷惑かけちゃって・・・」

「迷惑じゃないわ、良かった元気で」

「ありがとう」

ぽっ・・・り、林檎持ってきたの食べる?」

「ありがとう、貰おうかな」

「剥いてあげるわね」




「いたっ」

「大丈夫?うわ血が出ているじゃないか」

「大丈夫よ、少し切っただけだから」

「少しでもダメだよ、ばい菌が入ったら、ちょっと見せて」

「あっ・・・」










 碇クンが切った指を舐めてくれるの・・・ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽっ!!!

 碇クンが呼んでる・・・保健室に行かないと・・・

 

CHILDREN LIFE

 

 ふんふんふんふ〜〜〜ん♪っと

 あ〜〜〜気持ちいいわね、平日の午前中に一人外を歩く最高ね。

 こう気持ちいいとどこかドライブにでも行きたいわね〜〜〜そうだ、加持さんにどっかに連れてってもらおうかな。

 デ〜トの定番といえば遊園地!

 良いわね〜〜〜加持さんと二人っきりで観覧車に乗ったら・・・








「加持さん、ほら見て見て見て〜〜アタシの家が見えるわ」

「そうだな、この観覧車は日本一だからな、富士山も見えるぞ」

「うっそ〜〜〜?」

「嘘じゃないぞ、ほら後ろ富士山が見えるぞ」

「えっ?どれどれ・・・どこに見えるの?」

「ははは冗談だよ冗談」

「んもう〜〜加持さんたら」

「悪いな〜〜アスカが可愛いからからかいたくなったんだよ」

「えっ?アタシが?」

「ああ、可愛いぞアスカ」

「加持さん・・・」









 な〜〜〜〜んてなったらどうしよう〜〜〜〜早速遊園地に行かないと二人っきりで

 ん?二人っきり・・・二人っきり・・・二人っきり、二人羽折って違うわね。


 学校にレイとシンジが居て、シンジは保健室で一人で寝ている、となるとレイの行動は・・二人っきりになること。

 シンジが危ない!

 ちっアタシとした事がレイの行動を予測できるはずなのに、立たされて勘が鈍ったわ。


 早く戻らないとシンジが危険だわ。

 

CHILDREN LIFE

 

 保健室到着、保険医さんは居ない、碇クンがベッドで寝ている、そう吐息が・・・ぽっ!

 でも残念な事に林檎がないの
、せっかく剥いてあげたかったのに、しくしくしくしく。

 しょうがないから寝顔を見ておきましょう。

 碇クンの寝顔・・・綺麗・・・ぽっ!

 お人形さんが眠っているみたい、碇クンは本当に司令の血を引いているのかしら?たとえ引いていたとしても0.000000001%ね納得。

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・碇クンの寝顔、ずっと見ててもあきないわ。

 ・・・

 ・・・

 ・・・そういえば本で読んだことがあるわ、冷え切った体を温めるには体温が一番良いと。

 碇クンを温める・・・誰が温めるの?それは私、私が温めるの。そう私の体温で・・・ぽっ!

 温めるとなるとお布団に入らなくちゃならないわ・・・ぽっ!

 でもそれだけじゃダメ、温まらないわ、体を温めるには体温が一番・・・体温・・・一番・・・裸・・・ぽっ!

 裸で温めるのが一番なのね・・・ぽっ!

 碇クンは私が助けるわ・・・ぬぎぬぎ、ぬぎぬぎ。

 碇クン、よみがえってね・・・ぽっ!


 ヒカリちゃんもいれて立たされましたね(笑)

 シンジ君は保健室でお休み、アスカちゃんが帰ってレイちゃんは・・・当然シンジ君を襲いに(爆)

 絶体絶命?のシンジ君、チャンス到来レイちゃん、アスカちゃんは間に合うのか?

 こんな連載短編小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


ACT.21 静まらない教室 ACT.23 アスカちゃんの戸惑い

CHILDREN LIFE:ACT.22 保険医レイちゃん