CHILDREN LIFE

ACT.9

「ただいま〜〜」

「おかえりなさい」

定時通り玄関から聞こえる帰宅の声、あたしはスリッパをパタパタと

音を立てながら玄関に向かったわ。

「お疲れさまシンジ」

エプロンで濡れていた手を拭くとシンジから鞄を受け取る。

お仕事ご苦労様。

「ありがとう」

「ふふ、食事にする?お風呂にする?それともあ・た・し」

頬を赤く染めるとシンジにウインク、ふふ照れちゃって

「え?あ、そっその・・・あの」

炎がでるくらい顔が熱くなるシンジ、あたし達は新婚よ。

「冗談よ冗談、ご飯はもうできているわよ」

あたしは笑うとくるりと後ろを向き台所に戻っていった。

「もう、ひどいなあ」

 

 

「ふ〜〜ん、そんな事があったの」

一日の出来事を話しながらの食事、楽しいわ。

「うん、ミサトさんの給料無くなっちゃうよ」

「まったく、勤務中にビ〜ルを飲む癖は治らないのかしら」

「多分治らないよ」

「そうね」

シンジはネルフ勤務、あたしは家庭に入った。

初めはあたしも働こうかなって思ったけどね、疲れて帰ってくる

シンジを笑顔で迎えたいじゃない。

「シンジ、あ〜〜んして」

自分の皿からコロッケを掴むとおもむろにシンジの

口に持っていった。

「えっ恥ずかしいよ〜」

「何いまさら恥ずかしがってんのよ。ほらあ〜〜ん」

「わ、わかったよ」

シンジは照れくさそうに口を開けた・・・・

 

 

 

 

「zzzzzz・・・・・うへへへへへへ〜〜〜」

 太陽の光が眩しい朝、ちょっと下品かな?涎をたらしながら寝ていたら・・・・

 じり・・じりじりじりじり!!!

 けたたましく目覚まし時計が鳴り・・・・・

「zzzzz・・・・・・・・五月蝿い!!

 ぼかっ!

 まったく、目覚めの悪い朝になったわ。せっかく良い夢を見ていたのに腹が立つわ。

「まったく、誰がこんな朝早くにセットしたのよ・・・・・」

 布団にうずくまりながら愚痴をこぼし、安眠の世界へ・・・・・・また続きを見よう。

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・

 がばっ!

 ある事を思い出し布団を跳ね上げて起きあがったわ。

「・・・・・・って、寝ている場合じゃないわよ。誰がバカシンジより早く起きることが無いですって。フン!起きてバカシンジのバカ面を拝んでやるわよ」

 そうあたしは、早起きしてバカシンジのバカ面を拝んでやるのよ。さあ行くわよアスカ!

 抜き足差し足忍び足、足音を立てないようにつま先でユックリと歩き、ユックリと襖を開けてバカシンジが寝ているリビングへ直行よ。

 気づかれないように移動するって何かスリルがあるわね、まあバカシンジに気づかれるとは思わないけど。

 寝てる寝てる、どれどれバカ面を拝みましょうかねって布団かぶってて見られないじゃないの!

「?」

 布団が異様に盛り上がっているわね、変な寝相バカシンジらしいわね。まあいいわ布団をめくって・・・

!!!!!

 ゆっくりと布団をめくったあたしはそこで知っているものを見てしまったわ。黒髪じゃなくて青髪を・・・・

ファファファ〜〜〜スト!

 ガバッ!

 そう見たのはファーストの青髪、どうしてシンジの布団にいるのよ。布団を全部引っ剥がしたら。

な!なななななな!!!!

 ファ〜ストがシンジの頭を胸に押しつけて眠っていたの、ア、ア、ア、アンタ達は〜〜〜!

シンジ〜〜!!!

 

CHILDREN LIFE

 

 ?何だろう五月蝿いなあ、この声はアスカ?珍しいな早く起きるなんて・・・・・今日は雨かな、な〜〜んてアスカが聞いたら殺されるな、僕も起きようかな。

 むにゅ!

 ん?また顔が気持ち良いぞ、何だろう・・・まあ良いか起きよう。

!!!

 目を開けた僕は驚いた、僕の目の前にふくらみが二つ、目を上に持っていくと・・・・

あ、綾波!?

 ど、どうして綾波が僕の布団に?・・・気持ちよかったじゃない、いつの間に?

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 はっ!?後ろから擬音と殺気がビンビン伝わってくる、考えたくないけど多分・・・・・錆びた機械のようにユックリと振り向いたら・・・・・やっぱり。

 アスカ

「シ〜ンジ〜、アンタ何やってんのよ?そういうつもりでファ〜ストを呼んだわけ?」

「い、いや・・ち、違うよ。僕にもわからないんだ」

「何がわからないの?」

 アスカは指を鳴らして僕を睨んでいる、何を言ってもダメだろうな。はあ〜〜僕の人生はここで終わりかなあ。

「昨日一人で寝たのは確かなんだ、綾波は僕の部屋で寝た。アスカも見ていただろ」

 そう綾波は一番に寝た、僕もアスカもミサトさんも部屋に入っていったのは見ている。

「見たけど、じゃあどうしてここに居るのよ?」

「わからないよ、綾波に聞いてみないと」

 本人に聞いてみるのが一番だ、綾波起きて。

 

CHILDREN LIFE

 

「綾波、綾波」

 ゆさゆさ

 ・・・・・・・碇クンの声が聞こえる、体が揺れる・・・・・心地よい揺れ、気持ち良い・・・・寝ましょう、すやすや。

「綾波、起きてよ〜」

 ゆさゆさ

 ・・・・また碇クンの声、私を起こそうとしている朝なのね・・・・・・・碇クン私を起こしに来てくれたの?これがも〜にんぐこ〜るというものなの?起きましょう・・・・・・・確か以前読んだ事があるわ、お姫様は王子様のキスで目が覚めるの・・・・・私も実行しましょう、ぽっ!

「碇クン、起こして」

 頬が熱くなるくらい恥ずかしいけれどキスしやすいように、顔を少し上に向けて・・・・・碇クン、来て

「綾波、起きているなら目を開けてよ」

「ダメ、碇クンが起こしてくれないと」

 どきどきどき

 鼓動が早くなってきたわ、まだしてくれないの?

「アンタ起きているじゃないのよ、さっさと目を開けなさい」

 この声は・・・・・誰?

「あなた誰なの?」

 スパンッ!

 イタッ、頭に痛みが襲ったわ・・・・痛い・・・・

「アンタふざけてんの?あたしの名前を忘れるなんて良い度胸しているじゃないのよ、さっさと起きろ〜〜!」

 ガクガクガクガク!!

 胸倉を掴まれて頭が前後に振られる・・・・気持ち悪い、これは私の台詞じゃないわ。確か・・・・SAL、SALの台詞ね。悲しいけど苦しいから目を開ける事にしたわ、残念。

「アスカ、おはよう」

 朝最初に見た顔がアスカ・・・・・・碇クンを一番に見たかったわ。

「おはようじゃないわよ、どうしてアンタがここで寝ているのよ!」

 ?アスカ何を言っているのかしら、私は碇クンの部屋で寝ているのよ、ヘンなの。

「ここ?碇クンの部屋がどうかしたの」

「違うよ綾波、君はリビング僕と一緒に寝ていたんだよ」

 ・・・私が碇クンと?・・・一緒に?・・・寝ていた?・・・ボッ!!

 顔から火が出るくらい熱い、私は碇クンと一緒に寝ていたのね・・・まさか・・・

「ちょっとファ〜スト聞いているの?どこ見ているのよ」

 はっ、天国に行っていたみたい、そういえば・・・・

「碇クン、気持ちよかった・・・・・ぽっ!

な、何ですって〜!シンジ〜〜!

 バッチ〜〜〜〜ン!!

うぎゃあ〜〜!

 あっ!碇クンがアスカにビンタをされて飛んだわ。


 アスカちゃん、良い夢見ていたのに目覚し時計に起こされてちょっと不機嫌、でもシンジ君の寝顔を見る目的があるのでしょうがないですね。

 それで見に行ったら、なんと!!二人で寝ているじゃあありませんか。

 わけがわからないシンジ君、レイちゃんは大胆発言(前回では確かに気持ちよかったですが、誤解の発言)

 アスカちゃんにビンタされシンジ君は生きているのでしょうか?

 こんな連載短編小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


ACT.8 Sleeping Girl ACT.10 誤解解消

CHILDREN LIFE:ACT.9 乱