休日2(中編)

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「う、ううん」

「レイ、レイしっかりするんだ!」

「うーん、碇クン?」

 レイは自分の名を呼んでいるシンジに気が付いて目が覚めた。

「よかった、レイ心配したよ」

「え?」

「急に倒れて、僕を心配させないでおくれよ」

(碇クンが私のこと心配してくれるの?それも名前で呼んでるし、カッコイイわ ポッ)

「ありがとう、碇クン」

「なに他人行儀で碇って呼ぶんだい?熱でもあるんじゃないか?いつものようにシンジって呼んでくれ」

 ピトッ、シンジはレイのおでこに自分のおでこをくっつけた。

!!!!

(え?いつものようにって、それに碇クンの顔がこんなに近くに・・・ジューー)

 レイは湯気がでている。

「少し、熱があるようだ、帰ろうか」

「帰るってどこへ?」

 真っ赤にしながら、レイは考えた。

「おいおい、大丈夫かい?僕達の家じゃないか」

「え?家」

「やっぱり熱があるんだね、僕達の新居じゃないか」

「新居?」

 レイは訳がわからなかった。

「もう、僕達、結婚しているんだよ」

けっ結婚?

 レイは驚いた。目が覚めたら、シンジと結婚していたのだ。

(碇クンと結婚しているの、それじゃあ私は碇レイ ポッポッ)

「さあ帰ろうか、レイ」

 シンジがレイに手をさしのべる。

「うん、碇クン」

「おいおい!いつものように、シンジって呼んでくれよ」

(シッシンジて私が?ウレシイ!)

「シッシンジ!」

 レイは熟したトマトのようになりながら呼んだ。

「帰ろうか、レイ!」

「うん、シンジ!」

 2人は手をつないで、その場を後にした。

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「・・あ・・・あや・・・綾波、綾波!大丈夫!!」

「・・・」

「綾波!綾波!」

「・・・」

「・・・」

「綾波」

「うーん、シンジ」

 目を覚ましたレイは気絶した世界と現実の世界を同じにしていた。

「え!綾波?」

「シンジ!」

 ガバッ! シンジに抱きつく。

「!!ちょちょっとまってよ綾波!」

「!!!」

「あらーレイ、大胆ねー」 (レイも案外やるわね)

 ミサトはビールを飲みながらその光景を楽しんでおり、部屋から戻ったアスカはその光景に怒髪天をつく状態だった。

「どっどうしたんだよ?」

「シンジ、帰りましょう私達の家へ」

「家?」

「そう2人だけの家へ」

「2人だけの?」

 レイは現実世界に戻ってきたが頭の中はレイの世界だった。

 ボカッ!!

 アスカのレイへの攻撃、見事にこぶしは脳天に直撃。

「ファースト!なにしてんのよ、シンジから離れなさい」

 アスカはレイを引き剥がした。

「いたいわ、なにするのアスカ」

 レイは頭をさすりながら、アスカ見る。

「アンタこそなに寝ぼけているのよ!いきなり抱きついて何がシンジよ」

「そうだよ、綾波いきなり台所で気絶したんだよ」

「・・シンジまでそういうの私達、夫婦なのよ」

「「「ふっ夫婦!!!」」」

 レイの大胆発言、3人はビックリ。

「ふっ夫婦てなによ?」

「私とシンジは結婚しているのよ」

「アンタバカァ?勝手に気絶して、起きたらシンジに抱きついておかしいわよ」

「おかしくなんかないわ」

 レイは真剣だ。

「綾波、夫婦ってなんだよ?綾波は今日、家に来て僕と一緒に食器を洗っていたら突然気絶したんだよ」

「・・・そうなの?」

「そうだよ!ビックリしたんだから」

 シンジの一生懸命の説明。

!!!

 レイはようやく気づき顔を真っ赤にしてうつむく。

(そうだったの、あれは夢。でも嬉しかった、私と碇クンが・・・ポッポッポ)

「いっ碇クンごめんなさい」

 恥ずかしそうにシンジに目をあわさないで謝る。

「いいよ、気にしないで」

「あっありがとう・・・」

 みつめあう2人、それも一瞬に消される。

ちょっと、アンタたち何やってんのよ!!

 アスカの怒りの大声、2人は目をそらし照れあう。

「ゴッゴメン」

「ごめんなさい」(ポッ)

「まったく」

「ゴクゴク」(シンジ君とレイお似合いかもね。アスカも気を抜けないわよ)

 シンジとレイは互いに謝り、アスカは腕を組み呆れている。ミサトはビールを飲みながらその光景を楽しんでいた。

「これからどうするのよ?」

「え?」

「・・・ファーストも起きたんだから、何するのよ」

「うーんどうしようか?綾波はどうする?」

「碇クンと同じなら何でもいい」 (そう同じなら)

「どうしようか?」

 シンジは迷ったが、アスカの一声。

「シンジどうするのよ」

「うーん」

「あーもう、優柔不断ね!やっぱり、ゲームよ!それも大勢でやれる、ゲームね」

 アスカは隠し持っていた、ゲームソフトをつきつける。

 人生ゲーム3000

 タイトル名にシンジは驚いた。

「アッアスカそれは!」

「ふふふ、そうよ!大人気で入手困難な人生ゲーム3000よ」

「凄いよ!よく手に入ったね」

「私に不可能なんてないわよ!さあするわよ」

 アスカ、得意満面!

「ようし、アスカには負けないよ、綾波も座って」

「うん」

「ふふ、私に勝てるかしら! ミサト何ビール飲んでんのよ!やるのよ」

「えー?私はいいわよ」

 ミサトはゲームよりビールだ。

「ダメですよミサトさん、大勢の方が楽しいですよ」

「シンちゃんまで・・・」(あービールが・・・トホホ)

 ソフトをゲーム機本体にセット。そして四人による、人生ゲーム3000が始まった。

 一番目はアスカ、コントローラを握り、ルーレットをスタート。

「よし!6」

 ガッツポーズ、二番目シンジ。

「うわ、1」

 悔しがる、三番目レイ。

「1・・・」(碇クンと同じ)

 嬉しい、最後ミサト。

「4か、まあまあね」

 片手にコントローラ、片手にビール。そしてゲームが進んでいった。

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「よし!宝くじが当たったわ」

 歓喜するアスカ、画面に札束が舞っている。

「すごいな、僕だって!うわっ」

 事故、二回休み。

「碇クン、負けないで!えい」

 結婚。

(えっ結婚て私が?誰と・・・碇クン ポッ)

「ファースト何、赤くなってんのよ!ゲームよ、ゲーム」

(ゲームなのね、シクシク。でもうれしい)

「よっしゃあ!それ」

 結婚詐欺にあう。―100万円。

「なによ、これ!」

「ぷっミサトらしいわ」

「なんですって、見てらっしゃい」

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「えー?10マスもどる、ミサトが迫っているのに」

「あ、結婚だ!ご祝儀+1000万円。よし」

(え、碇クンが結婚?誰と、私?・・・・ジュー)

 レイはクラクラしている。

「あ、子供が生まれたわ」(子供、私と碇クンの・・・ポッポッポ)

 ゲームと現実の世界が混ざり合う。

「新車でスピードアップ!、アスカいくわよ」

 アスカとミサトの一騎打ち、三番手にシンジ二人を狙う。最下位はレイ、結婚ができ順位はどうでもよかった。

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「よし一位!ふふ、どうアスカ」

「くうー、くやしい!」

 わずか三マスの差で、ミサトの勝利。その後アスカが入り、少し遅れてシンジ、レイはだいぶ遅れてゴールした。

「ふう、おもしろかったわね」

「そうだね、大勢でやると楽しいよ」

(碇クンとなら楽しいわ)

「また挑戦は受けるわよ、アスカ」

 最初、渋っていたミサトも気に入ったようだ。

「今度は負けないわ!」

「ふふ、いつでも良いわよ」

 時が経つのを忘れ、ゲームを楽しんでいた四人。もう夕方をまわっていた。

「もうこんな時間、夕食の準備をしなくちゃ」

「・・・それじゃあ、私帰るね・・・」

 寂しそうにレイはその場を立った。

「いいよ、綾波もご飯食べていきなよ」

「え?」

「そうよ、レイ帰って食べるのも寂しいでしょ?シンちゃんのおいしいご飯食べていきなさい」

「いいよねアスカ?」

「どうして聞くのよ!いいわよファースト、食べていきなさい」

「ありがとう」

 三人の言葉に驚き、深く頭を下げる。

「いいよ、そんなことしなくて」

(やさしいのね、碇クン ポッ)

「私、手伝う」

 レイは嬉しくなり、今日最高の笑みを浮かべた。

「座っていていいよ」

「手伝いたいの」

「そっそう、じゃあお願いしようかな」

「ありがとう」

 シンジの優しさにふれ、もっと嬉しくなった。

「ちょっとまった!私も手伝うわ」

 アスカが横から口をはさむ。

「アスカも?」

「も、とは何よ!も、とは。手伝ってほしいわよね」

 アスカはシンジの胸ぐらを掴み、笑みを浮かべる。

「へえー、ホントッ珍しいわね。アスカが手伝うなんて、明日は雨が降るわ」

「いいじゃない、手伝っても」

「今日だけじゃなくて、毎日してほしいわね。そう思うでしょシンジ君」

「えっあっ・・はい」

 ミサトのアスカへのからかい、突然シンジに振られ戸惑う。

「アスカ大丈夫よ、私がいるから」

「なっ!ファースト、そんな事言う?」

「していないんでしょう?」

「うっそれは・・・」

 レイのツッコミ、アスカも言い返せない。

「わかったわよ、二人で作れば!」

 アスカは寝っころがりテレビを見出した。

「碇クン、手伝うわ」(二人で料理を・・・・ウレシイ)

「うっ、うん」

 二人はいじけたアスカ、楽しんでいるミサトをのこして台所に向かった。

「何をすればいいの?」

「それじゃあ、野菜の皮を剥いてもらえるかな」

「うん」

 エプロンを着け野菜を剥きだした。

 サッサ!レイは素早く包丁で剥いていく。

「へえ、上手だね」

「いっ碇クンが教えてくれたから」 (ほめられた)

「でも、一段と上手になっているよ」

「まっ毎日しているから」 (ポッ)

「ふうん、でも短期間で凄いよ、綾波」

「うん」 (ポッポッポ)

 シンジのお褒めの言葉にレイは赤くなる。

「痛っ!」

 レイは誉められ、嬉しくなり急いで剥こうとして手元が狂った。 (お約束)

「だっ大丈夫!」

「うん平気」

 レイの白い指から真紅の血が流れでる。シンジは急いで救急箱を取り出した。

「指をだして」

「うん」

 シンジはレイの手を取り、傷口を見る。

「大丈夫だよ、消毒をしてバンソウコウを貼っておこう」

(いっ碇クンが私の手を・・・・ポッポッポッポ!!!ジュージュー)

「これでよし!」

 シンジは処置を終えた。

(ポッポッポッポ!!!)

 バタン!!

 顔が真っ赤になり頭から湯気が出て、その場で気絶した。

「綾波?綾波?」

「・・・」

 シンジはレイをさすったが起きなかった。

 今日二度目の気絶・・・・

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つづく


 休日2(前編)のつづきです。

 レイとシンジの世界もいいかも。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


休日2(前編) 休日2(後編)

NEON GENESIS: EVANGELION 休日2(中編)