アスカ改造SAL!

 

「アンタバカ〜」

 

 

「バ〜カ バ〜カ」

 

 

「ボケナス」

 

 

「覗いたら殺すわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シクシク、碇クン・・・・・シクシク・・・・・」

 リツコの研究室、レイは『新世紀エヴァンゲリオン』のLDを見ながら涙を流していた。

「碇ク〜〜ン!シクシク」

「レイ、ここで見るのは構わないけど、もう少しボリュ〜ムを下げなさい」

 リツコは隣りで研究をしていたが、音声が最大で耳に入り研究にならない、こめかみに青筋を立てていた。

「イヤ・・」

 一言、リツコの顔を見ないで画面を見続けるレイ。

「そうなの・・・・レイ良い度胸ね」

 その瞬間、レイの背筋に冷たいものが走った。錆付いた機械の様に首をキキキと後に回した。そこには・・・・・・

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「聞き分けの無い子ね・・・・・お仕置きよ」

 ビクッ!

 リツコの背景は怒りの炎で燃えている。普段恐怖を感じないレイだが、このときばかりは恐怖を感じた。

「ボ、ボリュ〜ムを下げます」

 慌ててリモコンを手に取りボリュームを下げるがリツコの怒りは収まらない。レイの首根っこを掴むと持ち上げ、膝にうつ伏せに乗せた。そして・・・・・

「聞き分けの無い子はこうよ!!」

 パンパンパン!!

 お尻を数発叩き、乾いた音が室内に響く。

「イ、イタイ!ごめんなさい〜」

 叩かれるたびに顔は苦痛に歪み、涙が出てきた。

「注意をされたらそれを守る!わかった?」

「は、はい〜〜」

「よろしい」

 叩く手を止め、レイを立たせる。

「それでどうして泣いていたの?」

「今、叩かれたからです」

「レイ〜〜」

 声が低く怒もっている、また恐怖を感じた。

「い、碇クンがアスカにイヂメられて可哀想なんです」

 再生し、シンジがアスカにイヂメられているシーンを見せ、また泣き出す。

「あらあら、本当ね。シンジ君よく生きていられるわね」

「はい、このままでは碇クンが死んでしまいます。何とかなりませんか?」

「そうねえ〜」

 コーヒーを口に含むと怪しい発明に関しては、恐ろしいほど頭の回転が早い。すぐにアイデアが閃いた。

「わかったわ。可愛いの頼み事、何とかしましょう」

「・・・・・それ以前聞きました」

 リツコに呆れるとレイはスタスタと研究室を出ていった。

「あ、レイ、お姉さんって言って行きなさいよ」

 だがその声も空しく扉は閉められた。

お姉さんが人肌脱ぎますか」

 リツコ以外誰も居ないが、『お姉さん』を強調する、少し空しかった。

 

 

 

 そしてその日のシンクロテスト、アスカは居残りになり夜遅く帰ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう〜アスカ、遅いな」

 葛城家、シンジは台所で時計を見て呟いた。午後九時をすでにまわってる。

 テーブルにはラップが掛けられた手料理、アスカは遅くなっても外食はせずにきちんと家で取るようにしていた。

「シンジ君、アスカまだなの〜?」

 お風呂から上がってきたミサトはビールを取ると、まだ使っていない茶碗を見そしてビールを飲んだ。

「はい、どうしてアスカが居残りなんでしょうか?」

 疑問だった。別にトラブルも無く、成績は良かったがリツコの『残るように』で居残りが決定。当然アスカは反論するが、リツコの『言う事聞かないと、どうなるか知らないわよ?』の言葉で渋々残ることを決めた。

「私にもわからないのよね。それにあの時のリツコの眼は危なかったわ〜」

 今思い出してもゾッとするくらい、いっちゃった眼であった。

「そ、そうですね。あそこで逆らったら、何されるかわかりませんからね」

 MADリツコの名はネルフで知らないものはいない。職員はゲンドウの他にリツコには逆らわない様にしていた。

 

 

 カチャ

 話していると玄関の開く音が聞こえた。どうやら帰ってきたようである。

「帰ってきたようね」

「そうですね。また愚痴を言うんでしょうね」

 愚痴、アスカは一人居残りや遅くなると、必ず帰ってきてシンジ達に愚痴を漏らしていた。『MADはわかっちゃいないわ』とか『すでにいっちゃっているわね』などど、ストレスを発散しながら夕食を食べるのが通例であった。

「今日はどんな愚痴かしらね〜」

 ミサトは今日の愚痴を楽しみにしている。だが・・・・・・・・

 

 

 

「遅くなってすいません。ただいま帰りました」

 ガタガタガタガタ!!

 二人一斉にこけた。

 それもそのはず、いつもならドタドタとガニマタで歩いてきて姿が見えると同時に、文句を言い始めるのだが今、廊下の音は聞こえずに姿が見えると同時に頭を下げ、高音の声でユックリとお嬢様風に言ったのだ。当然二人は戸惑う。

「ア、アスカどうしたの?」

「リ、リツコに何かされたの?」

 数時間前から凄い変わり様に、戸惑いは隠せない。二人質問を浴びせた、だがアスカはクスッと口に手をあて微笑んだ。

「ふふ、心配してくれるんですね。大丈夫です。ミサトさんお勤めご苦労様です。シンジ君美味しいご飯いつもありがとう」

 ジュド〜〜〜ン!

 絶対でない言葉。ミサト崩壊、シンジ崩壊、二人は向こうの世界に飛びだった。

「私は・・・・・誰?」

「僕は・・・・僕は・・・・・・」

 虚ろな眼をする二人・・・・・・・・・・

 

 

この次も

サ〜ビスサ〜ビス


 「改造」シリーズになってしまいました(^^)

 エレアさんの『ゲンドウ改造さる!』のシリーズ化希望メールでアスカ編を描きました(これでよろしいでしょうか?気に入らなかったらごめんなさいネ)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


アスカ改造SAL!! 

NEON GENESIS: EVANGELION アスカ改造SAL!