リレー小説
EVA CHANGING Type SINJI
その4
アスカとレイに詰め寄られ、びくびくしながらも
シンジの使用済無洗浄のプラグスーツを引っ張り出すゲンドウ。
もちろん、お得意の「予備」のプラグスーツを持っているので、1個くらいなら別に問題無い。
二人から放射されていた「何か」がより強力になったようにも感じる。あまりの恐怖に失禁してしまうゲンドウを見て一言
ヒカリ・マヤ「「不潔よっ!!」」(ヒカリ、まだいたのかお前は・・・)
この「不潔」発言の時だけはシンジ・アスカ以上に見事なユニゾンを見せる二人。
リツコ「無様ね」
金髪のオバサンはゲンドウを裏切った挙げ句に「無様」呼ばわりである。
「「なるほど、二虎競食の計ね。でも、予備があることはお見通しよ。出しなさい。」」
ゲンドウの策があっさりとアスカとミサトにばれる。天才(そのわりにへっぽこ)と作戦部長(仕事できなかったら人間失格)は伊達ではない。
最後の手段まで使い果たしたゲンドウはコレクションの99.89%を失うこととなった。残りの0.11%は写真のようなコピーを大量に作れるものばかりである。
その写真も、ネガやマスターデータは何時の間にか結成されていた「シンジ親衛隊」の手に落ちた。
「シンジ親衛隊」(隊長アスカ、副長レイ)が立ち去った後、ゲンドウはターミナルドグマへと移動し
「ふっ、これさえあればあんな物は要らん。」
そこにあるのはかつてレイが多数入っていた水槽(LCL槽)で、現在はそこにシンジのクローンが入っている。
そのクローンは男であるシンジのほかに、女性版のシンジの姿も見える。ゲンドウはこれがばれていないと思っているようだが、シンジ親衛隊にはもろにばれている。
それもそのはずで、協力者であるリツコが親衛隊の重要メンバーなのだ。ばれるのは当然である。
では、何故親衛隊がこれに手を出さないかというと、理由は簡単である。シンジのクローンをゲンドウに造らせて、後で奪う為だ
これはアスカとミサトの二人の作戦が一致した為である。
親衛隊にしてみれば「父親というシンジの肉親」という立場がゲンドウを危うくさせている。これが全くの他人であれば、親衛隊にヘッドハンティングされていたことだろう。
夕方
ゲンドウがネルフ本部を出ると本部の建物に書いてあった「ネルフ」のロゴが「シンジ親衛隊」のロゴに書き直されていた。
周りを見れば、制服も「ネルフ」のものから「シンジ親衛隊」のものに変わっている。
made in LINA
先ほど特務機関NERVはシンジ親衛隊と名を変え、ゲンドウは司令官の地位を剥奪された。
その頃学校では・・・・・
ネルフ崩壊!シンジ親衛隊誕生!!と廊下にはりだされていた
ネルフは秘密主義なのになぜかばれている。どうして?
それは・・・・・
カチカチカチ、カチカチカチ
「ふっ僕を広報にするとはな」
眼鏡が怪しく光る。すでに親衛隊に入っていたケンスケ、給料は無い。だが写真を売りさばく事で莫大な利益を得ていた。
「ふふふふ」
made in jun16
翌日、何も知らないシンジが登校すると、いきなり生徒に囲まれる。
「な、な、何よ。これは」
服装は女子の制服を着ている。
靴下は白に赤いラインが入ったもの、つまりはアスカから(強引に)渡されたものだ。恐らく、明日は黒い靴下(こっちはレイから渡されたもの)になるであろう。制服はもちろん、碇ゲンドウ元ネルフ総司令からも贈られたがホテル街のことがあるからだろうか、それを着る気にはならなかったようだ。
今着ているのはアスカの予備の制服、さすがに男の子なのでウェストはきついし胸にはパットを入れている。何故か、少し口調も女の子っぽくなっているような気もする。
そのシンジを囲んだ生徒(因みに男女比はほぼ同数)は、まるでアイドルの追っかけのごとくシンジに群がっている。
「ちょっと、アンタ達どきなさいよ。どかないと除隊するわよ。」
この親衛隊長の言葉で、落ち着きを取り戻す親衛隊員。既に、壱中での「シンジ親衛隊」の勢力はネルフ内部とほぼ同じくらいまで拡大している。
ネルフ内の勢力は昨日までは99.999%だったが現在は既に2名を除き100%になっている。
「ネルフ」から「シンジ親衛隊」に変わって広報部長(相田ケンスケ)も変わったせいだろうかその勢力拡大はとてつもないスピードである。
現在のシンジ親衛隊の勢力は中学校は第壱、第弐、第参、第四に高校では第壱、第弐に小学校では第壱、第弐と第七、第八に支部が作られている尚、本部は元ネルフ本部である
他にも第伍〜九中学校、第参〜伍高校、第参〜六小学校に支部設置の計画がある。
もはや、第3新東京市が「シンジ親衛隊の街」になるのは時間の問題だろう。いや、第3新東京市だけではない。松代、ドイツ(ベルリン、ハンブルグ)、アメリカ(マサチューセッツ)、中国(北京)にあった旧ネルフ支部もそのままシンジ親衛隊支部となっている。
その他にもロシア(モスクワ)、オーストラリア(シドニー)、アメリカ(ニューヨーク、ロサンゼルス)に新たに支部を設置。アフリカ、南米、東南アジア地区にも支部設置の動きだ。シンジが「サードインパクトを防いだチルドレン」ということもあるのだろうが、その勢力は拡大の一途を辿っている。
1日で、ここまでの拡大である。地球全体がシンジ親衛隊になる日も遠くはない。さて学校であるが、こうなってしまっては、もう授業どころではない。シンジの端末にはメールがひっきりなしに入ってくるし。(シンジは律義にも全てに返事を書いている)
隊長や副長であるアスカとレイは世界中への命令を出すので精一杯。ケンスケは新規の支部設置に動いている。
made in LINA
「大丈夫。碇くんは私が守るわ」
「あ、あやなみぃ〜」
十重二十重に折り重なった人の波から湧き出るようにして隣に現れたレイを、まるでケンシロウから助けてもらったときのバットのような目で見るシンジ。
悪役の声は千葉繁である。もちろん、彼の主観だ。だが悪役は千葉繁であるという観念は彼の中では既に真理であり、それ以外は考えられない。
「もう、わけがわからないよぉ」
情けない声。さらに助けを請う老人のように頭半分ほど背の低い彼女の後ろに回り込む。アスカからしてみれば、レイは南斗六聖を最初に裏切ったユダのように見えた。
「ちょっとファースト。勝手に決めないでよ。シンジを守るのは、このアタシなのよ」
レイを押しのけ、シンジの腕をつかんで手元に引き寄せるアスカ。
「(ムッ)どうしてそういうこと言うの?」
わずかに眉をしかめる。シンジにしかわからないような表情の変化。だが彼女は確実に怒っていた。
「アンタねぇ、いい?
アンタとアタシじゃ位っていうか、立場が段違いなのよ?」
シンジ親衛隊の存在はシンジ本人には秘密である。だから暗にレイと自分の階級の差を匂わせただけだが、シンジ以外の人間にはその意味がよくわかった。痛いほどに。
(アタシの邪魔をするとマウントポジションから怒りの鉄拳食らわせるわよ?)
彼女は「碇シンジのファーストキスの相手」というだけではなく、その実力からもシンジ親衛隊の隊長に選ばれた。むしろ成り上がったというべきか。
その彼女のフィニッシュパターンは前蹴りからのフェイントを混ぜてタックル。マウントポジションを取った後から、熊をも殴り殺す異様なまでに頼もしい鉄拳制裁であった。事実、これを食らったジャージは二週間経った今も集中治療室から出てこない。
だがレイにはATフィールドがある。絶対不可侵領域。バリヤー。肉のカーテン。呼び名は様々だが誰もが畏怖を抱く八角形の壁。
それに一時休戦したとはいえ、もともとこの赤い猿に好意などカケラも抱いていない。
(碇くんと一つになる……ポッ。それが私の願い。猿は邪魔ね)
彼女には切り札があった。それはシンジが自分の裸を見て、押し倒し胸を触ったことだ。うまく使えばアスカと互角以上の立場になれる。
あとはタイミングの問題だ。今、レイの頭はかつてないほど回転していた。
made in よしはら(HP:Comic minister)
バチバチバチッ!
激しい火花が飛び合う、レイとアスカ。早くも「シンジ親衛隊」崩壊の危機!隊員達は固唾を飲んで見ていた。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
効果音がJOJOになり始め、二人ともスタンドを出しそうな気配である。
アスカ、スタンド名「レッド・ザ・モンキー」
レイ、スタンド名「ブルー・ザ・クールビューティー」
・・・・・出すわけが無い。二人が本気で戦えば、ここでサードインパクトが起きるのは目に見えている。緊張が辺りを包む。
「シンジ〜似合っているわよ〜。これも付けてみて〜」
「うわっやめてよ!」
そんな雰囲気をものともせず、マナはシンジにピンクのリボンをつけようとしていた。
「かっわい〜」
霧島マナ、何時の間にか戻ってきていた鋼鉄娘、そして「シンジ親衛隊」にすでに入っていた。他の隊員達は、崩壊したら困るのだが、マナはそんな事は気にしていない。
むしろ、二人が戦って相打ちすればもうけもの、シンジが独占できるわけであって・・・・
「次はこれよ〜」
「やめてよ〜〜」
「ううっイヤなの?」
口元に手を持っていき涙を浮かべ、上目使いでシンジを見る。その姿が可愛い。
「そ、そんな事ないよ」
「じゃあ、つけて(はあと)」
「う、うん・・・・・・」
カチューシャをつけられたシンジ、なすがまま。
一方、レイとアスカは・・・・・・・
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
二人の会話に気づかずに、睨み合っていた。
made in jun16
「このエネルギーは、凄いわ。」
どこからともなく現れた、某MADサイエンティストとその愛弟子。昨日はシンジの関係で仲違いしていたが、今日は既に仲直りしている。
まさに戦乱の世と同じだ。シンジ親衛隊内部でもこのようなことは日常茶飯事である(まだ発足二日目だが)さて、マナがシンジにいろいろなアクセサリーやら化粧やらを施しているが。
そんなのを全く無視して、にらみ合っている隊長と副長。
先程のリツコの言葉はこのにらみ合いに対してである。
「先輩、アスカの内部エネルギーは1800エクサワット相当です!!」
ヤシマ作戦の時に使われたのが180ギガワットだが、その100億倍ものエネルギーを放出しているアスカ。一体、どこからこのエネルギーを発生させているのか全くの謎である。エネルギー保存の法則を全く無視しまくったアスカ。
既に、アスカの周りでは空気中の元素がプラズマ状態どころか素粒子になっている。
「こ、これは。タキオン粒子。」
「先輩、反物質も観測されています。ああ、モノポールまで大量に」
「マヤ、全てのデータを逃さないでね。」
「判っています。ああ、こんな貴重な体験しちゃっていいのかしら。」
既にアスカの周りは粒子加速器以上のエネルギー量だ。これは放出されているエネルギーなので、内部のエネルギーは更に高い。
「いくわよ。レイ」
「貴方は、死ぬわ。だって、私が勝つもの・・・クスッ」
ついにぶつかる、アスカとレイ。
マナは、相変わらずシンジとラブラブ(?)なフィールドを形成している。
「いくわよ、レイ。カ*ハ*波〜〜!!!!!!」
昨晩の「懐かしのアニメ」という番組で知った、どこぞの主人公の必殺技と同じポーズで手からエネルギー弾を発射するアスカ。
「フィールド、展開!!」
レイはATフィールドを展開するが、ヤシマ作戦の100億倍のエネルギーは伊達ではない。しかも、ヤシマ作戦の時よりも遥かに近距離での攻撃だ。(大体2〜3メートル)
あっさりとレイのATフィールドを貫通するアスカのエネルギー弾。
「もう、駄目なのね。碇君、さようなら」
made in LINA
使用済みのプラグスーツ、マニア垂涎の一品です(笑)ネルフは全て「シンジ親衛隊」になりゲンドウは失脚、アスカが隊長、レイが副長になりました。しかし二人ともシンジを狙っているので表面上は良くても対立していますね。
そしてその空きに鋼鉄娘が・・・・アスカとレイの対決の結果は?
流石はチルドレン凄いパワーです。
リレー小説:EVA CHANGING Type SINJI その4