リレー小説
EVA CHANGING Type SINJI
その8
ミサトの相談を受けたリツコは加持の案を実行に移す為ゲンドウに会いに来ている。
「では、あれを使うというのだな?」
かつての総司令執務室にいるのはゲンドウとリツコ。
いつもいる筈の冬月は現在行方不明である。
「はい、既に準備は整っています。」
「だが、シンジの許可も無く使うわけにはいかん。」
許可も何も、シンジはこのことを知らない。もし知っていたら絶対に許可を出すとは思えない。
「しかし、このままでは第3新東京市の壊滅は時間の問題です。」
今日の午前中だけでもアスカ達の戦闘によって第3新東京市の建造物はほぼ1/3が全半壊している。
「うむ。だが、あれはコストが高すぎる・・・」
「その点はご心配無く。既に量産の目処も立っています。」
一体何を量産するつもりなのか・・・
「レイ。遂にあれが一般公開されるらしいぞ。」
「何?それは本当か?」
「ああ。相田からの情報だからな、まず間違い無いだろう。」
ケンスケ、やはりとんでもないスパイである。
「アスカ、レイ。あれって何?」
シンジはさっぱりわからないので「??」と言う顔でアスカとレイに聞くが「ネルフに行けばわかると思う。」
既に無い筈なのに「ネルフ」という言葉が出てくるのは相手がシンジだから。
シンジは「ネルフ」が「特務機関シンジ」になったことをまだ知らない。
なお、この組織変更によって「シンジ親衛隊」はアスカ・レイを中心とするごく小人数から構成されるエリート集団となり敵(主にシンジの追っかけ)からシンジを守ることを主任務とするようになった。
そのメンバー構成は
隊長
惣流アスカ・ラングレー(自称:碇アスカ)
副隊長 綾波レイ(自称:碇レイ)
諜報活動担当:相田ケンスケ
実働部隊:鈴原トウジ、洞木ヒカリ、霧島マナ他(3〜4名ずつから構成される部隊)
この人選はアスカとレイによる物だが敵対していてもマナをメンバーに入れる辺り徹底した「能力主義」であるようだ。
ネルフに到着した3人。
何だか、いつもと違う雰囲気であることを感じ取るシンジ。
時々、「オリジナル」とか「コピー」という言葉が聞き取れる。
「ねえ、二人とも。何かが走ってくるような音が聞こえない?」
「別に感じないけど」
「俺も、感じないぞ」
「そうかな?ドドドドドって音が聞こえてくるんだけど。」
「まさか・・・」
「遅かったか!?」
シンジが感じていた物の正体は次の瞬間結果が出た
「私がいっぱい!??」
そう、こちらに向かって走ってくるのは「量産型シンジコピー」達である。
よく見ないとわからないが、「男性版(男性の格好)」「女性版(女性の格好)」「男装した女性バージョン」「女装した男性バージョン」の他にも「両性具有バージョン(男性的外見)」「両性具有バージョン(女性的外見)」
等がある。
年齢も幼児バージョンから、小学生バージョン、中学生バージョン、高校生バージョン、大学生バージョン、20代、30代、40代など等。多岐にわたっている
「シンジシリーズ・・・完成していたの」
made in LINA
その日、ミサト達の目論見によってアスカ&レイから「力」を取り上げる作戦は実行に移されていた。
その方法とはゲンドウが以前造っていた、シンジのコピーにこう言わせることであった。
「僕は普通の女の子がいいな。ATフィールドやかOはOはなんか使う女の子はいやだよ。」と言わせることである。(ここでマナのことは忘れられている)
ある意味最強の攻撃力を持つシンジの一言にアスカ&レイが「イヤ」などと言えるはずもない。
そして作戦は実行に移された・・・
made in エレア
計画が実行された頃、カヲルの首は偶然にも地球に戻ってきていた体と融合を果たしていた!
カヲル「これでやっとシンジ君に会いに行けるよ。待っててね。シンジ君・・・・」
そして、カヲルはクジラの中から脱出した・・・
made in エレア
特務機関シンジ(旧ネルフ)の中を駆け抜ける101匹シンちゃん大行進。駆け抜けると言うよりは埋め尽くすと言った方が正解か。
愛するシンジ(のダミー)に囲まれ、更に「僕は普通の女の子がいいな。ATフィールドやかOはOはなんか使う女の子はいやだよ。」と言われてはアスカとレイは迂闊に手を出せない。
「ふっふっふっ。アスカ、レイ、こんな手に引っかかるとはまだまだ未熟。とてもシンジ君を任せる訳には行かないわね。」
とある場所(要は研究室。勿論バイオハザードのマーク入り)のモニターからその状況を見つめ、つい独り言を言うMADなサイエンティスト、赤木リツコ。
当年とって3X歳、未だに独身である。
そんな独り悦に入っている売れ残り女に通信が入った。
「誰かしら?あら、マヤね。」
携帯の着信表示を見てリツコは誰にとも無く呟く。
無視してアスカとレイの無様な様を見ていたい所であるが、緊急の要件を聞き逃したのでは非常にマズイ事になりそうなので渋々回線を繋いだ。
「なに?マヤ。こっちは今いい所なのよ。」
『申し訳有りません、先輩。ですが、気になる動きがあったもので。』
「気になる動き?一体誰?」
『ハイ。どうやら冬月コウゾウが病院を脱走した模様です。そして同時にかの《があごいる・スーツ》も一着、盗まれた形跡があるとの事です。』
「なんですって!?」
リツコは軽い目眩を感じた。
いかに冬月がボ○老人と言っても、『があごいる・スーツ』を装着しているのといないのとでは、天と地、ファ○コンとNintend○64程の違いがある。
言わば、『があごいる・スーツ』を手に入れた冬月は正に『パー○ン』状態。
その前の一般ピープルの時とはまるで違うのだ。
その事を良く知っているリツコは、この厄介なボ○老人の処理を如何にするのかに頭を悩ますのであった。
同時刻、第三新東京市郊外。
「はっはっはっ。このスーツを手に入れたからには、私は無敵だ。ブルー○ォーターを手に入れ、そしてシンジ君をわが手に入れるのだぁぁぁぁぁっ!!」
最早処置無しのボ○老人が、特務機関シンジ(旧ネルフ)に向けて着々と侵攻を始めていた。
があごいるスーツを手に入れた冬月が行おうとすることは只一つ!
それは、バベルの塔の復活&レッドノアの復活である!(既に二つであるこの辺はボケ老人のすることであるからご愛敬である)
冬月の野望を僕等のEVANGELIONはくじくことが出来るのか?
戦え!そして僕等の地球を守れ!EVANGELION!!!
made in エレア
ミサトにくっついていた肉塊を調査しているリツコとマヤ。
「先輩、これを見て下さい。」
「まさか、これが人間だと言うの?信じられないわ。」
「しかし、このデータを見る限り紛れも無く人間です。」
当たり前である、これはマナの右手なのだから。と、突然警報が鳴り響く。
「マヤ!」
「侵入者です。場所は・・・・この実験室です。」
調査していた肉片が爆発的なスピードで増殖していく。
「う〜ん、随分と楽だったわね。葛城さんに感謝しなくちゃ。あれ?みんな、どうしたの?」
増殖して現れたのは、紛れも無く霧島マナ本人である。
なお、この後マナがリツコの実験台になるのは別の話である。
made in LINA
執務室。
リツコは一応報告しておくことにした。
あのじいさんだけでは何も出切るはずはないのだが、があごいるスーツは驚異である。
側に冬月がいなくてちょっぴり心がさみしいゲンドウ。
「ふっ、問題無い」
「しかし、があごいるスーツが与える影響を考えると」
濃いサングラス越しに視線を送り、リツコの意見を遮る。
「しょせん老人には何も出来んよ。既に切り札はこちらの手にある」
ゲンドウが視線をずらす。つられてリツコもずらす。
そして脱力する。
これって、聞かなけりゃいけないのかしら?
回れ右したくなる衝動をこらえ、なるべく平常を保とうとする。
「そのパイプオルガンと海軍のような帽子は一体なんなんでしょうか?」
「ふっ、問題無い」
ニヤリ。ゲンドウとユイにしかわからない楽しそうな笑み。
他の人が見ればいつもと同じ嫌な笑顔だ。
すると私はグランディ@さんなのかしら?
リツコは、彼女と自分、どちらが年齢が上なのかしら、と自問してみるも、答えはでそうになかった。考えたくはないので、さして問題はない。
どっちにしろ不愉快だ。あんな化粧の濃いおばさんなんて(同族嫌悪?)どうせならエレクト@さんの方がいい。声も井上喜久子だし。
「駒は既に揃っている。メガネをロンゲをつけよう」
ニヤリ。
リツコは話を合わせる事をやめた。グラ@ディスはミサトにまかせることにしよう。中年の道楽に付き合っている暇はない。
「よくよく考えると性格といい、化粧の濃さといい、ぴったりよね。うん、そうよね」
無意識に、どこか、自分を必死に納得させようといわんばかりの独り言。
「そうよ。私にふさわしいのは知的で美人なエレクト@よね」
PPPPPP!
携帯端末から通信コール。マヤからだ。
「マヤ、どうしたの?」
「先輩!
大変です。シンジ君たちのATフィールドが侵食されていきます!」
そんな馬鹿な!
リツコは叱責したくなる気持ちを抑えて、極めて事務的に会話を進めようとした。
「マヤ、落ち着きなさい。まず状況を説明してちょうだい。シンジ君たち?
シンジくんシリーズね。一体何が彼らのATフィールドを?」
「解析結果はネルフ職員!
次々にシンジくん達を毒牙にかけてます。既に12%が生物学的融合を果たしてます。このままでは全てのシンジくん達の純潔が汚染されてしまいます!シンジ君たちが誰かの物になる所を見るなんて……私耐えられません!」
「まったく……!」
所詮人間の敵は人間、ということかしら?にしても、マヤ。あなた本音がですぎよ。私ですらまだキープしてなかったのに。
リツコは怒りに任せて壁を蹴った。
ゴガン。足首までめり込む。
壁から引き抜く時に、足をくじいた。痛い。
「先輩!どうしましょう? 先輩?」
ズキズキと痛む足を押さえ、端末からヒステリックに叫ぶマヤの声を聞きながら、理不尽にもリツコはマヤを殴ろうと決心した。
メリケンサックはまだ部屋にあったかしら?
「先輩!先輩?」
自分の運命も知らず、マヤは叫んでいた。その叫び声は虚しく響く。
made in よしはら(HP:Comic minister)
旧ネルフ職員の餌食となっていく量産型シンジ、オリジナルはアスカとレイのおかげで無事ではあるが(例え二人がいなくても大丈夫だろうが)
自分がこんな状態になっていくのを見るのは気持ちのいい物ではない。
「アスカ、レイ。あれをどうにかしてくれたら、今日の夕食はサービスするわよ」
この言葉で、最大出力150%アップ(当社比)となったアスカとレイ。
ただでさえ強力なアスカが更に150%アップ(2.5倍)である。
「目標レッドツー出力増大、ホワイトワンも出力上がっています。」
「何ですって!?」
発令所でシンジシリーズの状態を監視していた面々は驚きの声を上げる
シンジシリーズは通常のアスカの攻撃であれば完全に無効化するだけの能力は持っている。
確かに、シンジシリーズにはアスカ達は攻撃していない。
アスカとレイの目標はあくまでもシンジシリーズを我が物にしようとしている旧ネルフ職員である。
「シンジく〜〜〜ん!ぐぇ!」
シンジのATフィールド(ゲンドウの時以来自由に扱えるようになった)に思いっきり突っ込む職員A
「私は男よ。男には興味無いわ。」
女性のような言葉遣いで「自分のことを男と言う美少女」では知らない人には意味不明であるがシンジは「女装」しているだけであり「同性愛者ではない」
「貴方には、これをあげるわ。大事にしてね♪」
これで、職員Aはあっけなく撃沈。直後、その職員はディラックの海へと消えていく。
シンジが渡した物は「シンジコピー ナンバー10(Ver.2.01B)」である
先程の量産型シンジのうちの1体であるが、そのコピー達は何故かオリジナルの命令には絶対服従らしい。
「これは便利ね」ということで、先程からコピーを囮にして自分で攻撃と言うパターンで既に10人以上をディラックの海に放り込んでいる。
この時自分のコピーはしっかりと回収しているがほうり込まれた職員達は死ぬことができないという点ではアスカやレイの攻撃よりも残酷であろう。
尤も、シンジは「殺すのは可哀相ね」ということで生かしているようだが・・・
彼らにとっては果たしてどっちが幸せなのか・・・
made in LINA
シンジ君達の知らないところで計画されていた「コピーシンジ計画」これで皆は幸せに(^^)シンジはそうは思っていませんけどね。
冬月の脅威!があごいるスーツにリツコとマヤの漫才爆発!本部に侵入したマナはどうなるのでしょうか?
リレー小説:EVA CHANGING Type SINJI その8