純精神的恋愛 あかね視点 夏祭り。 乱馬とあかねは皆に強引に勧められ、ふたりでお祭りを見に来ていた。 もう辺りは薄暗く、涼しい風がそよぐ。 お祭りの行われている神社へ登る階段までくると、多くの人でごったがえしていた。 「うわぁ、結構賑ってるのね?」 人の多さに、わたしは驚く。 階段を上ろうとそこまで来る。 人の流れに合わせながら歩みを進めるけど、思いの他、人は多く、なかなか上に登れない。 それでも少しずつ階段を上がる。 乱馬の後ろを歩く。 手、つないでくれないかな? 背中を見つめる。 乱馬は気がつく様子も無い。 わたしのこと、ちゃんと連れて歩いてるって、わかってんのかしら? 「きゃ!」 ぼんやりしていたあかねの横を小さい子供がすり抜けていく。 足元のバランスを崩したあかねは、身体を後ろに倒す。 危ないっ! 誰かの声がした。 手首に痛みが走る。 乱馬の手が掴んでいた。 身体を元の位置に引き戻される。 「・・・・・・。」 怖かった。 「何やってんだよ、おめーは。」 どうしてそういう言い方しかしてくれないの? 「ぼーっとすんなよ。」 「・・・・・・。」 もっと何か言うことあるでしょ? 大丈夫? とか、怪我はなかったか? とか。 乱馬は手首を掴んだまま、無理矢理に引っ張り、階段を上がる。 「・・・・・・。」 いたい。 なによ、手、握ってくれればいいのに・・・。 だけど、いたいなんて言ったら、今、掴まれている手さえも、ほどかれてしまう。 それは嫌。 わたしは少しでも乱馬を感じていたい。 上まで登ると比較的、人波もまばらになっていた。 乱馬の手が離される。 そんなにすぐに離さなくったって・・・・・・。 乱馬に掴まれた手首を見る。 赤いあざ。 ここまで強く握らなくったっていいじゃない。 力も加減してくれないわけ? 手首をさすりながら、乱馬を背中越しに睨む。 だけど乱馬はやっぱり気がつかず、神社の境内に向かう。 慌てて乱馬の後を追った。 ふたりで神社に参拝して、足は自然と出店の屋台の方へ。 「何、食おっかなー。」 こういう無邪気な乱馬はかわいい。 「ねぇ、わたあめ買おうよ。」 「えー、そんなんじゃ腹にたまんねぇよ。」 却下? 「でも、わたあめなんてこんなとこじゃないと食べられないし・・・。」 乱馬を見る。 「わーったよ、買やーいーんだろぉ。」 認容。 わたあめ屋さんに向かう。 屋台の方は時間帯もあってか、けっこう混んでいる。 手、つなげるかも? ちょこっとだけ期待してもいいかな・・・。 だけど乱馬はわたあめの屋台を見つけると、そこへ向かって一直線。 「ちょ、待ってよ!」 乱馬の手を見る。 今なら握れるかも。 だけど、はねのけられたら? ふりほどかれたら? 怒られそうでこわい・・・きらわれるのがこわい・・・。 慌てて乱馬の服の裾を掴む。 ほわっとした 感覚。 あれ? なんだろ? ただ裾を掴んだだけなのに、 乱馬に守ってもらってるみたいで、暖かい・・・・・。 「離すなよ。」 えっ。 やだ、顔が赤くなる。 「うん。」 こういうのでいい。 触れたりしなくたっていい。 つないでないからつながる気持ちがあるんだから。 わたし、それで・・・充分。 =おしまい= 呟 言 あ(あかね視点なのであかね口調よ) 今、わたし、視点物にはまってるの。だから現代の方も、視点設定ものよ。 純精神的恋愛ものなんだけど、ここのサイトのタイトルをしみじみ見て、 わたしの書くもの、微妙にずれているようだから修正できたらいいわよねって そういう気持ちで、書いたの。やっぱり、奥手な2人はいいと思ったから。 そんな「ぷらとにっく」な感じでてたらいいわよね。 ひょうよ すみません。ここの呟事書いてて微妙にさむーいでした。 何か田舎者が無理して標準語使っているような感じ・・・。 じゃぁやめろよって。本当、本当。でもなんだか楽しい。 ひょう ところで乱馬視点ご覧になりたい方はここからどうぞです >>>乱馬視点へ
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