双眼鏡で星を見ようよ。
・双眼鏡の選び方。 

(まだ買わないで!  SHOPやネットでよく調べて購入しよう。双眼鏡は一生物ですよ。)

 ちょっとした観望や望遠鏡の予備に、大変便利なのが「双眼鏡」です。どの様な双眼鏡が良いかというと、意外かもしれませんが「倍率の低い」ものです。得てして望遠鏡の類は「倍率の高い物がエライ!」みたいですよね。実は全くの逆で、倍率が高いと手ブレを起こして全く使い物にならないのです。では、三脚の取り付けてブレを防いだら......やはりいっしょで倍率の高い物は見る対象を捉えにくく、たとえ捉えても暗くしか見えないのです。
 あと、便利そうで便利ではないのが「ズーム式(倍率可変型)」。良くできている物でもレンズの構成枚数が多いので光量損失が多く、暗い夜空を見上げるためには不向きです。覗いたときの「見かけ視界」も狭く、結像性能も、ズーム式でない物と比べて劣る物が多いのでオススメはしません。得てして倍率の高いものにありがちなのが「ズーム式」です。  
 では、手持ちで見る双眼鏡の倍率はどのくらいの物は見やすいのでしょう?
答えは「7倍〜10倍」です。実は10倍でも手ブレを起こしやすく、少々の慣れが必要です。 次に考えなければならないのは対物レンズの大きさ「口径」です。大きくなると暗い星が良く見えるので良いことずくめのようですが、手持ちで見るには重くなります。常に三脚に取り付けることを前提にしなければ、気軽に手持ちで振り回し易い物を選びたいものです。オススメの口径は35から50oくらいのものが、ある程度暗い星まで見えて、何とか手持ちに耐えると思います。口径と倍率は次のように表示されます。     


                         表示
倍率 7倍、口径50o ――――――― 7×50
倍率 7倍、口径42o ――――――― 7×42
倍率 10倍、口径70o ―――――― 10×70


 像の見え味は正直なところ「値段に正比例」します。専門店であれば、像を見比べることが出来るかもしれません。5〜7万円クラスの品物は「一生モノ」です。1〜2万円クラスには「超高性能」クラスと「 5,000円くらいの性能」のものが混在しています。実際の像を見比べて購入できると良いのですが、無理な場合は信用できるお店の人に相談するか、私達に相談していただいても構いません。 また、将来カメラ三脚に取り付けられるように「カメラ三脚アダプター」の取付が可能か?も選択肢に入れて良いでしょう。カメラ三脚に取り付けると、「手ぶれ」を防ぎますので、より暗い星まで見えてくるのでオススメです。
さて、ここで問題です。
「じゃあ、どんな双眼鏡を買えばいいの?」っておっしゃるあなた。どんな双眼鏡を買っても良いのです。ただ、買い換えってナカナカ出来ないでしょ。(^^)
だからね、知識として「知っておくべき事」と予算の兼ね合いで「性能と妥協」のラインが生じるのを知っておく事なんですよ。

5,000円の双眼鏡で満足して高級品との差が判らなければその双眼鏡で良いわけですし、僅かな金額の差で天体が見える双眼鏡と見えなかった双眼鏡があればそりゃあ悔しいわけです。

「何のために買ったんだぁっ!○万円もしたのにぃ〜〜!」ってのは結構悔しいもんですよ。
さらに、混乱しそうな事が....。

双眼鏡には口径と倍率の他に「ひとみ径」ってのが大事っす。
口径を倍率で割った数字です。7×50の双眼鏡であれば.....

50(mm)÷7(倍)=7.1となります。

この数字、双眼鏡(に限らず)の接眼レンズから出てくる光束の径を表しています。人間の瞳は暗順応した時点で7mm開いていると言われていますが、ひとみ径がそれ以上大きいとせっかく集めた光を瞳に入れずこぼしてしまうことになるのです。

さらに経験上、市街地などの明るい夜空の下では瞳が7mmまで開くことがめったになく、ひとみ径7mmの7×50の双眼鏡よりもひとみ径5mmの7×35双眼鏡の方がよく見えることが多いのです。かといって、7×50の双眼鏡が見えないと言うことではありません。透明度が良く暗い夜空であったり、星雲や彗星の尾などの淡い天体の時にはひとみ径がものを言います。

そうやってると、同じ倍率で違うひとみ径の双眼鏡を購入したり、同じひとみ径でより大きな口径のものを購入したりと次第に増殖する双眼鏡を目の当たりにして「双眼狂」と呼ばれる病気を患ってしまった自分に気付くわけです。(爆)

インターネットなどでのオークションには特に注意ですぞ。(^^)

さあ、今夜は良い空です。(^^)
とりあえず、いつもの星雲星団に「ごあいさつ」といきましょうかね。

散開星団の星数、大型の淡い星雲の広がり、見えるか見えないかを判断させてくれる暗い星雲などなど、いつも見てるしそれでいて見つけ易い場所の天体を、それぞれのひとみ径の双眼鏡で見ていくと....

「うん、今夜はこの双眼鏡(このひとみ径)がよく見えるみたいよ。^^」

これをやっておくと望遠鏡で見るときの適正な低倍率(?)の雰囲気がつかめます。
(ほんとかよっ!爆 ^^;)
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月の大きさは違いますが、実際に見ると、このくらいのクレーターの数は見えますよ。
(^^)
下の写真はいつのまにやら増殖してしまった双眼鏡。まだかわいいものです。↓