雲仙火山溶岩ドーム

長崎県地学会の地質観察会 参加記録 その4
 〜頂上付近の観察 前半〜

写真撮影 2008年04月20日

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 2008年4月20日(日)に長崎県地学会の観察会に参加し,雲仙火山の溶岩ドームに行ってきました.ここは警戒区域に指定されているのでふだんは入ることができませんが,当日は学術調査の目的で許可を受けて登頂しました(事前に参加者名簿を島原市・雲仙市の各役所,警察に提出してあります).溶岩ドームの斜面や噴気孔,溶岩尖塔や湧き出し口を至近距離で観察できました.そのときに撮影した写真を紹介します.

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山頂からみた普賢岳と妙見岳

山頂からみた普賢岳と妙見岳

 画面の中央に見える,オウムのくちばしのような形をした山は普賢岳の山頂です.その背後にある壁のような形の山は妙見岳です.

 手前に広がる溶岩ドームの平坦面はガラガラとした礫に覆われて,ところどころ噴気が上がっていって,賽の河原を思わせる風景が広がっています.

破砕された溶岩

破砕された溶岩

 溶岩尖塔付近に出ている溶岩は,しばしば破砕されて角礫岩状になっています.

酸化されて赤くなった溶岩

酸化されて赤くなった溶岩

 溶岩尖塔の近くにある噴気孔からは,やけどをしない程度の,水蒸気を多く含む暖かいガスが出ています.眼鏡をかけている人は,レンズが急にくもって足下が見えなくなる危険性があるので,避けて通るのがよいでしょう.

 まわりの岩石が赤くなっているので,かつてここで岩石が熱せられて赤く光るほど高温のガスが出ていたと考えられます.

溶岩尖塔の根元

溶岩尖塔の根元

 画面の上のほうは細かく破砕されて角礫岩状になっています.下のほうはそれほど破砕されていませんが,マグマが上昇するときについたすり傷がみられます.

溶岩尖塔の根元

溶岩尖塔の根元

 上の画像に写っている部分よりもさらに右下のほうを撮影しています.10個ほど見られるまるい穴は研究のために試料をくりぬいた跡です.不規則な割れ目があるのは,マグマが上昇するさいに強い力が働いたことを示しています.

溶岩尖塔の先端

溶岩尖塔の先端

 

 溶岩尖塔の高さは30メートルぐらいあります.噴出したばかりのとき,わずかに軟らかさがのこっていたため,重力によって垂直の壁の面が上のほうで変形して曲がっています.そのさいに不規則な割れ目がたくさん入っています.この割れ目をジグソークラックといいます.

山頂の東側部分

山頂の東側部分

 

 溶岩尖塔の東側にも平坦な面があります.奥のほうに進むと,第11溶岩ローブが見えてきます.

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