CHILDREN LIFE

ACT.26

チェンジ!

 き〜〜んこ〜〜んか〜〜んこ〜〜〜ん

 き〜〜〜ん〜〜こ〜〜〜〜〜んか〜〜〜ん〜〜こ〜〜〜〜ん〜〜〜〜

 ふう〜〜〜退屈な授業・・・じゃなくて神聖なる授業がやっと終わったよ〜〜疲れた疲れた、さあて帰ろうかな。

 おっと、今日は晩御飯の材料を買って帰ろう、冷蔵庫の中身がそろそろ無くなってきたんだ。大きな冷蔵庫なのに一週間もしない内に中身が無くなる、ミサトさんのビールが半分以上を占めているからなんだよね、まったく困っちゃうよ。

「シンジ〜〜お好み焼き食っていこうか」

 トウジとケンスケが誘ってきた。お好み焼き食べたいけど今日はパスだ。

「ごめん、今日は買い物して帰るんだ」

「ほな仕方ないな、ケンスケ二人で行くか」

「ああ、シンジまた明日な」

「うん、また明日」

 男同士でお好み焼きを食べながら熱き魂を語り合う・・・残念だけど今度だ。さあ帰る準備をしてスーパーに行こうかな。

「碇クン、帰りましょう」

 綾波がやって来た、そうだね今日から一緒に帰れるね。

「うん、スーパーに寄るけど良いかい?」

「うん、碇クンとならどこへでも行けるわ・・・ぽっ」

 ・・・どうして頬を赤らめるんだろう?熱でもあるのかな。

「じゃあ行こうか」

「いくだなんて・・・ぽっ」

「・・・スーパーに行くだけなんだけども」

「な、なにを言うのよ・・・ぽっ」

 ・・・スーパーに行く話しをしているんだけど、あえて詮索はよそう。

「二人ともちょっと待った〜〜〜、アタシも行くわよ」

 次はアスカがやって来た。

「スーパー行くならアタシが行かなきゃどうにもならないでしょ、さあ行くわよ」

 ・・・どうにもならないって、お菓子が目当てなのはわかっているよ。スーパーに行くたびにお菓子売り場に直行するもんなあ。

「じゃあ、行こう」

 三人で行くのは初めてだ、今日は何を作ろうかな。

 グオオオオオオンッ!

 ん?この聞き覚えのある爆音は・・・・
  

CHILDREN LIFE

 

 むっ、この音は・・・使徒?いいえ違うわ、この悪魔のような咆哮、大地を引き裂くような揺れはミサトね。学校に来るなんて何かあったのかしら?使徒が出たのかしら?

「シンジ、レイ、何かあったようね急いで行くわよ」

「うん」

「わかったわ」

 もう、折角帰りにケーキを食べに行こうと思っていたのに。あ〜〜あ、計画台無し。まあいいわ食い物の恨みは使徒ではらしてやるわ。



 玄関を出たらすでに車が停車していたわ。さあネルフへ直行よ。

「ミサトさん、緊急事態ですか?」

 シンジの顔が真剣だわ。いつもボケボケしているけど、こういう時ちょっとカッコいいわね。

「シンジく〜ん、アスカちゃ〜ん、レイちゃ〜ん、学校お疲れ様〜〜〜〜迎えに来たわよ〜〜〜〜」

 はあ?

 ちょ、ちょっと待って今耳がおかしくなったわ。ミサトニコニコしているし、喋り方が穏やかだし何時もにまして変だわ。

「ミ、ミサトさんどうしたんですか?」

「ん?どうしたって何が〜〜〜?時間が空いたから迎えに来たのよ〜」

 シンジも驚いているわね。時間が空いたから迎えに来たって、今までそんな事なかったのに、何か拾い食いでもしたのかしら。

「さあ、帰りましょう」

ちょい待ち!

「アスカちゃ〜ん、どうかしたの?」

 ミサトの変わり様、ここは天才美少女探偵アスカが推理するわよ。

 ミサトが変わった理由は・・・

 その、1

 拾い食いをした・・・意地汚いミサトならありえるわ。

 その、2

 柱の角に頭をぶつけた・・・ボケてるミサトならありえるわ。

 その、3

 リツコに改造された・・・リツコの事だからありえるわ。

 う〜〜〜〜ん、どれも当てはまるわね。名探偵のアタシが迷うなんて、この事件は迷宮入りかしら?いいえ絶対に解決するわよ。

 ジ〜〜〜〜〜

「レイちゃ〜ん、どうしたの〜?」

 ジ〜〜〜〜〜

 レイ、どうしたのかしら?ミサトをずっと見続けているわ。

 がばっ!

「おかあさん」

 はあ?いきなり抱きついて「おかあさん」ですって?何言ってるのかしら?

「まあレイちゃんったら甘えん坊さんね」

「「ええっ??」」

 否定しないミサトにアタシとシンジは驚いたわ。

  

CHILDREN LIFE

 

 おかあさんの匂いがする。暖かい匂い、優しい匂い。

「ミ、ミサト一体どうしたのよ」

「もう〜アスカちゃん
、呼び捨ては駄目よ。ちゃんとおかあさんって呼んで」

「はあ?何言って・・・って、ま、まさか・・・」

 そうね、ミサトさんのこの変わり様は今朝の出来事なのね。私が「おかあさん」って暗示をかけたからだわ。まさかかかるなんて、ミサトさん単純なのね。

「レ、レイこれって」

「うん」

「アスカ、綾波、何なの?」

「実はね・・・ごにょごにょ・・・」

 教えてあげるわ・・・あ、碇クンの耳元でささやく・・・ぽっ

「まあ二人で内緒話、おかあさんにも教えて」

 おかあさん、聞きたがっているわ。でも駄目なの、二人だけの秘密なの。

「ふ〜〜〜ん、そうなんだミサトさんがね〜〜〜」

「シンジ君、ミサトさんだなんて他人行儀な事言わないでおかあさんて呼んで」

「え、ええ」

 ミサトさん、身も心もおかあさんだわ。保護者失格のミサトさんから脱出ね。

「さあ、帰りましょう」

 迎えに来てくれるなんて嬉しい、みんなで帰るの楽しいわ。


 ミサトさんの変わりようは、今朝の出来事が原因ですね。詳しくはACT.18を読めばわかります。

 驚くシンジ君とアスカちゃんに対してレイちゃんは素早く見抜き抱きつく(笑)ミサトさん嬉しいですね。

 保護者としての自覚が出てシンジ君の家事が減ることでしょう。

 こんな連載短編小説でも飽きずに読んでくれた方々に感謝します。


ACT.25 そして昼食へ ACT.27 制限速度を守る女

CHILDREN LIFE:ACT.26 チェンジ!